- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784750516523
感想・レビュー・書評
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二〇一〇年から二〇一八年までの間に書かれた九作が収められた短編集。アンデッドになったり、耳がクッキーになったり、夫が人ならざるものだったり、ファンタジー(?)っぽいものも多い。
収録作タイトルを備忘のためメモ。先頭マークは好きな順に◎→◯→・。
・ウェディングドレス44
◯ヒョジン
◎ご存じのように、ウニョル
・屋上で会いましょう
◯ボニ
・永遠にLサイズ
◯ハッピー・クッキー・イヤー
・離婚セール
◎ヒタイとスナ
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コロナで忙しくなってしまい、昨年末から読んでいてやっと終了。平穏な日々早くもどって…。うまく時間をつくらなくては…。
この本はとても新しい感じでとても興味深い。SF?短篇それぞれのタイトルが秀逸!!保健室のほうもよもうかなー。
ウェディングドレス44 一着のレンタルドレスをめぐるおはなし。
ヒョジン 孝行って本当に大変。韓国の親子関係は、とても見習えない…
ご存じのように、ウニョル 日本絡みのおはなし。史実?とおもってしまうよ。
屋上で会いましょう 表題のフェミニズム×SF。魔法に頼りたいよ…
ボニ とにかくわたしも過労死しないよう気を付けないと…
永遠にLサイズ これ一番すき!サスペンスかと思いきや笑
ハッピークッキーイヤー イヤーってそっちか。
離婚セール 離婚を、こうやって前向きに乗り越えていくのいいなとおもった。
ヒタイとスナ ファンタジー。ふたつの文化が正反対の国の戦争と和解。かわいい誤解。
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韓国における社会や家庭の問題を織り込んでいるのに、重くなく、ポップに軽やかに描かれていて、共感できたり気持ちが軽くなるところが好き。
SFっぽいものやファンタジーっぽいものもあり、いろいろな味わいの作品が楽しめました。
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日常がMサイズだとしたら、そこからはみだした余剰分がLサイズの非日常ってことになる。大抵は喜劇が悲劇のふりしてるだけなんだけど、見誤ることのほうが多いのかもしれない。奇妙な、というよりヘンテコなお話。読後は憑き物が落ちたようにすっきりします。
街路灯の指先に背中を押されると、カードを広げるみたいにいくつもの影が足元から伸びていく。未来の選択肢ってこれくらいはある。もうだめ、崖っぷち、八方塞がり、打つ手なし、万事休す、絶体絶命って状況に陥ってからが、本当の勝負。
人を好きになるのも、死ぬのも、一度きりじゃないよ。 -
とても良かった。帯に書かれた「私が去った席に次に来るあなたへ」が読後はいっそう沁みます。
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『ヒョジン』だけ
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あらすじを読んで、何だかわかりにくい話なのかな?と思って読まずにいた1冊。
読んでみて、書いてあることすべては理解できなくても「ああ、わかるかも」という感覚がどの作品にもあった。フェミニズムについての知識や感応性がない人が読んだらどういう感想なのかは気になる。 -
ファンタジー小説、なのかな。ちょっと面白さがわからなかった。
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この、"屋上で会いましょう"は、短編。
"フィフティ・ピープル"は短い話がいくつも合わさってるけど、群像劇のような作りで、最後みんなが同じところにいるというまとめのような章もありました。
これはいろんなテイストがあるほんとうの意味の短編集。
9作品入ってます。
私が特に好きだったのは
"ウエディングドレス44"
1枚の飾りのないシンプルなウエディングドレスを、レンタルしていく女性たちの話。1人目、2人目…最後の遊びでレンタルしていく高校生までのこれも群像ストーリー。1人数行の話もあったり、何ページかの話もあったり。
うなじにタトゥーを入れている六番目の女性は、最初はファンデーションで隠すか髪を下ろすかするつもりだったけど、男に偉そうに「ちゃんとした大人なら普通消すだろ」とかいろいろ言われて、平行線をたどった結果、『そのタトゥーはやはりクールで、ドレスともよく似合っていた。私の身体だもの。自分の好きにするから見たけりゃどうぞご勝手に。』と44人の中で最もクールなウォーキングを見せて式場に入る。
男性との結婚するきっかけのストーリーもあるし、ジェンダーな目線で描かれているところも面白い。
"離婚セール"
離婚することになった友人が、持ち物をセールするというので家に集まった女友達数名。その間の友人との会話、仕事や結婚についてなどの話がしんみりして楽しい。
最後はその離婚する人からみんなにプレゼント。彼女が作った美味しい漬物を作っていた漬物石も!
"ヒタイとスナ"
これは昔の物語。タイショクコクとショウショクコク
大食で食べ物を作ったり食べることが大好きな海沿いに住む民族と、砂漠と山の方面に住む、落雁のみを食べているような民族。
その民族が争いになり、相手国の言語が話せるからと駆り出されたヒタイという中年女性とスナという少年。言葉も習慣も違うから、例えばショウショクコクは宝物を贈っても食べることしか興味ないタイショクコクには意味のないことだったり。
面白くてものがたりっぽいところが好きでした。
ところで、このチョン・セラン
「主人公に悩みがなく、明るい」という理由で「文壇」から落選させられているらしい。最終選考で落選し、「逃した賞金が、二億五千万ウォンにのぼる」
私がこの作家を好きな理由はここなのかも。
表題作の"屋上で会いましょう"は、会社の人たちとお昼時屋上で仕事や家のことやいろいろ話をしていたら、おまじないで結婚相手が出てくると言う…出てきたのは人ではなく、絶望を吸い取ってくれる生き物…
うーむ。この作者、ホラーも書くんですよね。ホラーでもないけど、かなり変わった話。
そんな変わった話も少し。そしてシスターフッド的な話も含めて、おすすめ!