郊外のフェアリーテール キャサリン・マンスフィールド短篇集 (ブックスならんですわる 02)

制作 : 西崎 憲 
  • 亜紀書房
3.22
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本棚登録 : 127
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750517353

作品紹介・あらすじ

薔薇、お茶、リボン、焼き菓子……。
完璧な幸福の中にひそむ死、誘拐、心変わりや別離。
――外から来た少女は、世界の裂け目を覗き込む。


ニュージーランドに生まれたマンスフィールドは、ヨーロッパに暮らす人々の優雅な幸福を活写する。同時に日常の翳に見え隠れする、死、階級差、裏切り、別離なども、彼女の眼は射抜いていく。
小さなお菓子のような短篇には、毒や皮肉も混ざっていて、人間社会の普遍を描く。

ヴァージニア・ウルフのよきライバルで、短篇の革新者。
マンスフィールドの比類なきコレクション。

感想・レビュー・書評

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  • ここに収められている作品のようなものが一編でも書けたら人生を使い果たしても悔いはないんじゃないか、と思うくらい完璧な小説たちだった。
    胸の奥にズシンと来ている。
    言葉の美しさも見事。
    「ガーデンパーティ」が一番心に残ったと書こうと思ったのだけど、それを言うならあっちも、いやこっちも、となってやっぱり全部良かったというしかないのだった。
    編訳者解説も丁寧で良い。

  • 乙女チックな装丁とはちょっとギャップのある内容。
    砂糖菓子だと思って口に入れたら砂だった、みたいな…。
    とはいえ全然甘くないわけでもなく、小さい箱に入ったうっすらと淡い色合いの干菓子の詰め合わせような短篇集だなと思った。
    ポフツカワやマヌカといったニュージーランドの植物が彩る作品があったり、海や空、風、花といった自然描写と登場人物たちの心理が重なり合うような作品もあってじっくりと味わいながら読んだ。
    西崎憲さんの編む短篇集はどれも一枚の音楽のアルバムのようで、読んでいて心地良い。
    冒頭の「風が吹く」、「ガーデンパーティー」からぐっと心を掴まれた。

  • とってもかわいい文章!

  • いい!と思うものと、?と思うものの差が大きかった。読むタイミングが違ったかも。

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著者プロフィール

1888——1923年、ニュージーランドに生まれる。裕福な家に生まれ、15歳のときにロンドンのクイーンズ・カレッジに留学。一度、ニュージーランドに戻るが、19歳でふたたび渡英。2番目の夫である文芸評論家J・M・マリと出会ったころから作品を発表しはじめ、短篇集 The Garden Party は高く評価された。
1910年に肺結核を発症するが34歳で亡くなるまで少なくない数の短篇を発表した。ヴァージニア・ウルフとはライヴァルのような関係であった。エリザベス・ボウエンなどの文学史上有数の作家から短篇小説の革新者であると見なされ、作品は現在も世界中で読まれている。

「2022年 『郊外のフェアリーテール キャサリン・マンスフィールド短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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