ニコラスどこにいってたの?

  • あすなろ書房
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本棚登録 : 290
感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784751525180

作品紹介・あらすじ

ねずみのニコラスは、赤く熟した木の実をさがしに行く途中、大きなこわーい鳥にさらわれ、見知らぬ土地に落とされてしまいます。そこには…。

感想・レビュー・書評

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  • あまくておいしい真っ赤にに熟れたのいちごは、鳥がみんな食べてしまったと聞いて
    「そんなの ずるい」
    「とりたちなんか くたばれ!」
    と言った のねずみたち。

    鳥たちに見つけられていないのいちごのはえているところを探しに行こうと決心したニコラスだったが、鳥に見つかりつめでつかまれてしまう。

    もがいて空中に投げ出され、鳥の巣におっこちたニコラスを受け入れてくれたのも鳥だった。

    「1わの わるい とりだけで、ぜんぶの とりを わるいと きめつけちゃ いけない」

    読んだ子どもの心にも残ってほしい言葉です。

  • 世界最高の絵本作家と評されるレオ・レオ-ニ(1910-1939)が描いた<鼠のニコラス>の冒険談は、子どもに聞かせたてあげたいお話し絵本です。 「世界一甘くて、美味しい野イチゴを見つけるんだ!」 鼠のニコラスは、赤く熟した木の実をさがしに行く途中で、大きな怖ろしい鳥が舞い降りてきて、鷲づかみにされ、見知らぬ土地に落とされてしまいます。そこは、三羽の雛たちが、母さん鳥の帰りを待っている鳥の巣でした。・・・谷川俊太郎サン翻訳による〝偏見〟を諭した訓話の絵本です。

  • 2020年の春、子どもたちは予期せぬ長~い春休みとなりました。
    学校からの課題も終わり「小1娘よ、さてなにをしよう?」と相談の結果、国語の教科書でオススメされている本を読んでみることにしました。
    レオ・レオーニ作「ニコラス どこにいってたの?」は、そんな中の1冊です。

    すでにレオ・レオーニ作「スイミー」を学校で習っていた娘は、「あっ、スイミーの人の本だ!」と、興奮気味にくいつきました。
    読み聞かせをしましたが、最後はタイトルからはまったく想像できない教訓に着地し、「深いなあ~」と感嘆しました。

    かわいらしい絵にも関わらず、ラスト近くでのねずみたちの怒り・憎しみがこもった絵は、哀しい絵です。
    娘はその絵にとてもびっくりしたようで、最終ページを読み終えたあともそのページまで戻って、倒れた鳥の絵をじっとながめていました。
    でも、その絵があるからこそ、ラストページでねずみのレイモンドおじさんが言う言葉に、オトナも子どももハッとするのです。

    おりしも、今の社会状況のなかでこの本を読んだことは、貴重な体験になりました。
    「怒り、憎しみ、そして哀しみ、そこから生まれる決めつけに、心がとらわれていませんか」
    そんな問いかけが、聞こえてくるような絵本でした。

  • レオ・レオー二の絵本は絵がとても素朴で愛らしく、お話も単純なようで深く、教訓めいている。
    「1わの わるい とりだけで、ぜんぶの とりを わるいと きめちゃ いけない」
    そうだね、1人を見てみんなが同じだと思ってはいけないね、、、。
    果たしてそれが正解なのか?
    ここでこのお話は終わるんだけど、天敵である「おおきな おそろしい とり」は、ネズミたちにとっては実際にわるいとりなんだけど、違う視点で見るとその鳥の食べるものが、たまたまむしや、きのみやとうもろこしではなかったというだけで、虫の立場から見るとその「悪くないとり」たちも充分悪く大きく恐ろしい鳥になる。
    自ずとそれは、同時に我々人間もほかの生き物にとって、その大きな悪い鳥のような立場でもあるということ。
    レオ・レオー二の絵本は優しさに溢れたようなお話から、様々なことを掬いとることの出来るとても深みのあるものだといつも感心させられます。

  • 美味しい野いちごを先に食べてしまう鳥を憎む野ネズミ達の中で、他の野いちごを探しに行って鳥に攫われ、鳥の巣に落ちたニコラスの話。

    鳥のヒナ達は知らないねずみが落ちてきても珍しがって受け入れたのかな、と思ったけど、お母さん鳥も「いいとも」と受け入れたのに驚きました。
    エサまでリクエスト通り持ってきてくれるし。

    鳥に攫われたと聞いて怒り出す他の野ネズミ達に、きちんと話を聞いてほしいと訴え、おじさんの助言もあり鳥の見方を変える野ネズミ達。
    「一羽の悪い鳥だけで、全部の鳥を悪いと決めつけちゃいけない」
    すごく重要なメッセージだなぁと思いました。
    シンプルだけど、よく伝わる言葉ですね。

    「1種類食べただけで、他の食べ物も美味しくないと決めつけるのは良くないよ」と言い換えてみたけど2歳児には伝わらなかったです。。

  • 1羽の鳥がわるものだったからといって、全ての鳥が悪いわけではない。いい鳥もいるんだ。ということをニコラスが身をもって知り、仲間のネズミたちにも教える話。
    当たり前のことなのに、これを理解していない大人が多すぎて愕然とします。
    外国の一部のおかしなトップがいる国でも、その国民の全てが悪者なんて全く思わないですが、日本はアジア人というだけでコロナと差別されたり、お隣の国から嫌われたり、、、。
    いい人はいっぱいいることに気付かず偏見で毛嫌いするのは勿体無いことです。
    子どもにも読ませたい大事なお話。

  • ネズミとトリとの話。ネズミにとって、悪いトリといいトリがいる。教訓!一概に悪いトリと決めつけないように。

  • 偏見を持たない。

  • 1匹のネズミが鳥達との交流を経て
    意識が変わる物語

    この絵本のテーマでは
    鳥=自分達の食糧を取るし、仲間を連れ去る悪いヤツ
    と認識されているけど
    主人公のネズミ(ニコラス)が出会った親子鳥は良い鳥だった。

    一部の悪い印象が伝播して全体を悪く見てしまう。

    そんな人間の愚かさが争いを生むが
    ニコラスは仲間に「鳥はみんながみんな悪くない」ことを伝えた。

  • 話の途中で遮るやつ嫌だよね

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著者プロフィール

1910年 オランダのアムステルダムに生まれる。主な絵本作品 「あおくんときいろちゃん」(至光社) 「スイミー」(好学社)など。

「2009年 『ニコラスどこにいってたの?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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