ゲリラと森を行く

  • 以文社
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784753103133

作品紹介・あらすじ

経済発展を謳歌するインドで、掃討すべき「脅威」と呼ばれるゲリラたちの素顔。国際ブッカー賞を受賞したインドの女性作家アルンダティ・ロイが、生きるために銃をとった子供や女性らと寝食を共にし、彼らの暮す森の中に、グローバル資本から逃れる未来を構想する。

感想・レビュー・書評

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  • 経済発展を謳歌するインドで、掃討すべき「脅威」と呼ばれるゲリラたちの素顔。グローバル資本の最大の犠牲者にして抵抗者である子供や女性たちは、生きるために銃をとった。「繁栄するインド」の舞台裏で何が起きているのか?インドの知られざる戦争のドキュメント。
    印パの争いやカシュミールなどの土地問題も詳しくは知らない私ですが、インド内部の状態がこんなにひどいものだとは驚きました。インドの女性が著者なんですけど、この人そのうち殺されたりしないか心配になるレベル。写真が結構入っててリアル感を伝えてくれます。経済発展を全て否定することもできないけど、でも先住民の土地を奪うことは確執を生み、環境汚染を無視することもすべきではない。どうすればいいのか、銃をとるしかないのか・・・インド国外の私たちにできることが何なのか考えさせられました。

  •  このルポのおかげでインド情勢を初めて知る事が出来た、大変貴重な本。中盤の、著者が実際に活動家達と森を歩き、寝食を共にしながら交流をする辺りは真に彼らの存在が感じられて胸が熱くなった。
     著者が女性という事もあり、目線が人間ひとりひとりを捉えていて温かい。弱き人々(政府に弾圧、迫害されている貧しい村人、村を守るために活動家となった人々)の人権が侵害されている事を、事実上封鎖されたも同然のインド国内から懸命に発信している。しかし完全に活動家寄りの立場ではないところも良い。(暴力対暴力への不信)
     たまに翻訳が分かりづらいところもあるが、それでもインド情勢に精通した日本人が少ないであろう事を考えると力作であると思う。

  •  今このときの、世界大戦中の、戦後の、文明開化後の、焼けた京都の、大和朝廷の支配の、女王の国の。
     犠牲と表現してもおかしくはないかもしれない。

     大きな力の、裏で潰され、圧迫されつづける。それでも抵抗する、してきた人たちのことを考えさせられる本。

     インドの森を、筆者は行く。同志たちとともに。

  • 泣きそう、、、

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    「グローバル資本の最大の犠牲者にして抵抗者
    なぜ子どもたちが銃をとったのか?
    「繁栄するインド」の舞台裏で何が起きているのか?
    インドの知られざる戦争のドキュメント!
    国際ブッカー賞を受賞したインドの女性作家アルンダティ・ロイが、生き残るために銃をとった子どもたちや女性たちと寝食・行軍をともにし、彼らが守り守られる森の中で、グローバル資本から逃れ出る未来を構想する。」

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著者プロフィール

作家。ニューデリー在住。1997年に長編小説『小さきものたちの神』(DHC、1998年)でブッカー賞受賞。その他の著書に『わたしの愛したインド』(築地書館、2000年)、『帝国を壊すために』(岩波書店、2003年)、『誇りと抵抗――権力政治を葬る道のり』(集英社、2004年)、『民主主義のあとに生き残るものは』(岩波書店、2012年)など。

「2013年 『ゲリラと森を行く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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