明日の広告 変化した消費者とコミュニケーションする方法 (アスキー新書 045)
- アスキー (2008年1月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784756150943
作品紹介・あらすじ
インターネットの普及、情報洪水、市場の成熟などによって、消費者はガラリと変わってしまった。マスメディアへの接触が減り、広告をスルーし、しかも信じない。友人からのクチコミの方がずっと信頼される。どうしよう…。でも不安に陥ることはない。悲観することもない。ちょっと発想を転換してコミュニケーションの仕方を変えれば、広告にもマスメディアにも、明るい「明日」が待っている。そろそろそんなポジティブな話もしようじゃないか。
感想・レビュー・書評
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本田哲也さんの「新版 戦略PR」の後に読みました。広告業界がどのように変わってきたのか、これまでの広告の課題とこれからの広告の行方について知りたかったので。
結論から言うと、今ではあたり前だと思っていたことが実はそうではなかったことがわかり、広告を考える上で基本的な考え方も身について勉強になりました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2010.09.22 もう3年くらい前の新刊になるが、消費者が大きく変わっていく中で、広告コミュニケーションの変わるべき方向性がとてもよくわかる。
新しいコミュニケションの在り方と売上拡大への影響度について、もう少し書いていただけると嬉しいが、とてもよくできた本だと思う。 -
感想
マスの時代。今は個の時代へと移行した。ネットワークは小さいが多様に多重に折り重なる。どこに結節点を見出すか。どうアプローチするか。 -
内容が古かったので自分にはあまり新しい視点はなかったが顧客とのコミュニケーションデザイン、商品丸裸時代の視点は忘れないようにしたい
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未感想
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2008年に出版されていたことは衝撃。SNSの時代だからこそ、広告業界のみならず、マーケティングに関わる人はもれなく一読の価値あり。
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【学んだ事】
第一章 消費者へのラブレターの渡し方
▼広告とは、商品に関心すら持っていない相手にこちらを振り向かせ、あわよくば好きになってもらい、勝手もらおうと画策する、ハードルの高いコミュニケーションである。
▼インターネットが普及してきた時点で、ラブレターは相手に届きにくくなった。
①他に楽しい事がたくさんあり、ラブレター自体に興味がなくなる。
②読んだとしても、口説き文句を信じなくなった。
③友達と詳細に検討し、友達に判断を任せたりするようになった。
▼モテない人はどうやってラブレターを渡せばいいか
① 相手の行動を調べ、よく観察し、相手の身になってみる。
② その上で相手の行動を先読みして待ち伏せし、確実にラブレターを渡す。
③ 他の楽しい事に目がいかないように、感動的なラブレターで口説く。
④ 相手の友達にも気に入られるよう十分ケアする。
▼ラブレターは渡した後も大事
① 渡した後、脈がありそうなら、すかさずもうひと押し。
② 付き合いが始まった後も、細やかに気を使う。
③ 付き合ってもライバルは次々と現れ、相手は友達と相談していることを忘れない。
④ 長く付き合うためには、良いところだけでなく、欠点も公平に見せていく事。
※購入後こそ、ブランド・イメージができる。
第二章 広告はこんなにモテなくなった
▼インターネットの出現によって、CMの時代が終わってしまった。
・広告でお化粧してマスメディアからトップダウンに流しても、消費者がヨコにつながって「商品のスッピンの姿」を教え合ってしまう。=商品の真の姿を映し出す「ラーの鏡」
▼ネットの出現+情報洪水+成熟市場
・疑い深い消費者の登場。
・消費者はお茶の間にじっとしていない。
・「友達・好きな人・信頼できる人」という強力なメディア
▼受け手から送り手へ。ターゲットからパートナーへ。
・広告活動及びブランディングに参加してもらう。
第三章 変化した消費者を待ち伏せする7つの方法
▼気まぐれにメディアを渡り歩く消費者をどこで待ち伏せるのか
①消費者のコンタクト・ポイントで待ち伏せる。
②新しいメディアを創って待ち伏せる。=メディア・クリエイション
③ 口コミを利用して待ち伏せる。
④ CGMで待ち伏せる。
⑤ エンターテイメントの中で待ち伏せる。
⑥ 検索結果で待ち伏せる。
⑦ メディアニュートラルに考えてクロスに待ち伏せる。
※これらを全て駆使しコミュニケーション・デザインをする。
第四章 消費者をもっとよく見る
▼コミュニケーション・デザインの初動はその人のことをきちんと知ろうと目を凝らし、耳を澄ます。
※消費者の方が商品よりも偉い時代である。
・伝えて貰いたがっている人の事をリアルに想像する。⇒徹底的に分析する。
第五章 とことん消費者本位になって考える
▼スラムダンク一億冊キャンペーンで学んだ事
①初動に時間を掛けることの大切さ。
②自分たちが「伝えたい相手」になってみること。
③商品は消費者のものであるという発想。
⑤ 相手が一番望んでいることをするという考え方。
⑥ 伝えたい相手にだけ伝えるというスタンス。
⑦ 相手を巻き込み、参加してもらう事の大切さ。
⑧ コミュニケーション・デザインをやり抜くというのは実はすごく大変であるという事。
第六章 クリエィテブの重要性
▼価値変容を起こすような強い表現があってこそ、二番手が一番手に勝てる。
・商品的にも市場的にも圧倒的な不利な二番手を、広告の力で一番手に押し上げることこそ広告の醍醐味だし、それを志さなければ広告マンである意味がない。
▼商品丸裸時代のクリエィテブ
①認知を徹底する事。
②よりプロモーショナルになる事。
③ありのままの自分を出す事。
⑤ 買ってくれた人をもてなす事。
⑥ 買ってくれた人に参加してもらう事。
第七章 すべては消費者のために
▼より長期的に消費者とつきあっていく。
・変化した消費者は、長めに付き合っていくことで、強力な味方になる。
・企業のソリューションは消費者のソリューションへ。
【実践できる事】
① 消費者をよりよく理解できるように、様々な情報を得た時、「この変化によって、生活者はどう思っているのだろうか?」といった視点に立ってみる。
② 提案がある場合でも、自身のアイデアを考えて発言してみる。コミュニケーションのキーになるアイデアを出した人がコミュニケーション・デザイナーという認識を持つ。
③ 自身も、CGMを使いこなしていく。そして、アクティブコンシューマーとしての視点を持ち、どのような情報が人に響いていくかを考えていく。
④ 最近続編のような形で出版された「明日のコミュニケーション」を読む。 -
志村和明
009年09月30日
Twitterの力
昨夜Twitterにおいて、フォローしている@satonao310さん(佐藤尚之氏、電通クリエーティブ・ディレクター、名著『明日の広告』 (アスキー新書 ) の著者)のつぶやきに衝撃を受けました。