働く過剰 大人のための若者読本 日本の〈現代〉12

著者 :
  • NTT出版
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784757141032

作品紹介・あらすじ

個性重視、自己実現、対人能力への偏重が若者たちを追いつめる。現代仕事論の核心に迫る。

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりに単行本をちゃんと買って読みました。しかも労働経済学が専門という著者の本。といっても、本当はニートのことなどを知りたくて読んでいて、もう少し詳しくと思っているときに、著者自身が若者仕事論の集大成として書いたという本が出てきたので、思わず飛びついたのです。前半はアンケート調査などの資料が山のように出てきて、いろいろそれを分析されていますが、でもなあ・・・こういうふうにもとれるしなあ・・・などと思いながら読みました。後半に入ると、実際に働くことのできない若者を支援している人たちの具体的な話が出てきて、興味深く読むことができました。玄田さんが一貫して言っているのは、社会に出ると「わけのわからんこと」だらけ、それにいかに耐えうるか、その力が世の中で働いていくのに最も大切なことだ、というようなことです。そう言えば森毅先生もいつも言っていました。わからなさを頭に飼っておく。勉強だって、仕事だって、人生だって、なんでもいっしょです。わからない・できない、じゃあやめよう、となっていたのでは進歩がない。わからない・できないからこそ人は努力するものだと思います。そういう訓練を、受験を通してしているのだと思います。そう思えば受験も捨てたものではない。まあときには、努力してもどうにもならないことがあるということを知っておくのも大切ですが。親の役割、関わり方というのも大切です。8割は好きなようにさせて、2割は親の言う通りにさせる、それくらいのバランスがいいそうです。親自身が充実して生活している、その姿を見せるのも大事なのでしょう。疲れたらゴロゴロもしたいですけどね。

  • <内容>
    日本の労働事情に関するエッセイみたいな本。
    学術的な論文集と言うよりは、大人向けに書いたエッセイ集という感じ。

  • 展示期間終了後の配架場所は、開架図書(3階) 請求記号 366.21//G34

  • 「大人のための~」とタイトルにあるように、若者の就職難の問題がグラフの数字のみでどことなく他人事っぽく語られている部分が気になるといえば気になった。

  • <閲覧スタッフより>
    「即戦力」とは何か。入りたての新人が戦力になる場とは?矢面に、或いは末端に立って誰にでもできる代わりのきくような作業をひたすらすることか?語学力、資格、専門性の高いスキルを多く持つこともまた「即戦力」と言われるが、果たしてそれが本当に“一人前”の戦力なのか?こうした背景をもとに過剰なプレッシャーを強いる現代の労働は過酷かつ未熟なものになっているのではないか。
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    所在番号:366.21||ケン
    資料番号:10200033
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  • データを読むのはちょっとたいへんだが多少斜め読みでも。なかなかバランス良く労働の実情や課題と行われている支援がわかるような。精神保健について別の本を併せて読むとなおさらバランス良く理解できる気がする。いろんなひとに薦めたい本

  • [ 内容 ]
    個性重視、自己実現、対人能力への偏重が若者たちを追いつめる。
    現代仕事論の核心に迫る。

    [ 目次 ]
    1 働く若者に起こっていること(即戦力という幻想;データでみる働く若者の実情;長時間労働と本当の弊害;仕事に希望は必要か)
    2 働けない若者の内実(ニート、フリーターは何が問題か;学卒・独身・無職;増える非求職型の背景;非希望型と社会階層)
    3 大人はどう向き合うか(支援の現場から;親と子どものあいだには)
    若者に未来はあるか

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • ニートの問題に対して、早くから若者の現実を丁寧に調査し、リアルな提言を行っている玄田氏の著作らしい、データ分析に基づくニート論。本書は単なる分析にとどまらず、現在の労働環境そのものに対する疑義申し立てを行っている。

    コミュニケーション問題、過重労働など、閉塞感に充満した社会のありかたに対して、若者だけでなく、すべての大人たちがどうあるべきかにひとつの示唆を与えてくれる好著。勇気付けられます。

  • 2009.05.10

    現在、本書でいうところの、フリーター、としての私にとって、なかなか参考になる本だった。

  • \105

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著者プロフィール

1964年生まれ。88年、東京大学経済学部卒業。ハーバード大、オックスフォード大各客員研究員、学習院大学教授等を経て現職。博士(経済学)。
主著
 『仕事のなかの曖昧な不安』(中央公論新社、2001年、日経・経済図書文
 化賞、サントリー学芸賞)
 『ジョブ・クリエイション』(日本経済新聞社、2004年、エコノミスト
 賞、労働関係図書優秀賞)
 『孤立無業』(日本経済新聞出版社、2013年)
 『危機と雇用』(岩波書店、2015年、沖永賞)
 『人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか』(慶應義塾大学出版会、
 2017年、編著)
 ほか多数。

「2022年 『仕事から見た「2020 年」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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