- Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
- / ISBN・EAN: 9784757724907
作品紹介・あらすじ
上流階級に名を連ねるジョーンズ家のウィリアムと、楚々とした美しいメイド、エマの交流は静かに続いていた。あるとき、遠出を思い立ったウィリアムは、エマをロンドン郊外の水晶宮へと誘う。陽も落ちて門が閉ざされるのも気づかぬほど、楽しい時間は矢のように去る。パレスで一夜を明かすことになった二人は運命に導かれるまま互いの思いを確かめあうが-。階級差のある恋の行方には、新たな悲劇が待っていた…。伝統と革新のロマンス、激動の第2弾。
感想・レビュー・書評
-
森薫さんの漫画「エマ」のノベライズ第2巻。
エマとウィリアムの心の動きや置かれている立場や環境、ケリーとエマとの出会い、エマの過去など丁寧に描かれている。漫画はまだまだ話が続くが、小説はこの2巻までのよう。小説でも話の続きが描かれるならばぜひ読みたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
1巻同様、とても丁寧に文字に起こされた小説版。
ウイリアムとエマがロンドンの水晶宮を訪れるシーンが出てきます。
万国博覧会のパビリオンなので、1851年のことだとはっきりわかります。
私は、クリスタルパレスといったら『グイン・サーガ』を真っ先に思い出しますが(わかる人にはわかってもらえますよね)!
エマもウイリアムのことが好きだということが、内心の吐露からコミックよりもよくわかります。
でも、初めてのデート?で敷地に閉じ込められるとは、大変な二人でしたね。
ウイリアムは、あまりこれまでイニシアチブをとって行動したことがないお坊ちゃまなんだと実感します。
厳格な階級社会の当時の英国において、ジェントリがメイドと結ばれるという話はこれまで聞いたことがなかったので、二人の恋に対しての家族や世間の風当たりが強いのは仕方がないだろうと思いました。
それでも、礼式を重んじるケリー夫人は、エマの恋に寛容で応援しているようだったので、言われるほど非常識なことではなかったのでしょうか。
全2巻かと思っていたら、途中で話が終わってしまいました。
おそらく1巻がコミックの1冊分に相当した進み方です。
原作のまだ半分も話は進んでいないので、これから更に続きが出るでしょうけれど、2005年に1・2巻が出てから、その後続巻が出ていないようなので、ファンは相当待ちくたびれていることと思います。
(執筆の方はまだ継続されているのでしょうか?)
ケリー夫人の死で、屋敷を離れることになったエマ。
御主人さまがいなくなったら、次のお勤め口を探さなくてはならず、一人暮らしの家に仕えると、その屋敷でずっと働き続けることはできないことに気づきました。
スズランの花が、この巻の冒頭とラストに象徴的に登場し、読者に希望を感じさせてくれます。
「スズランの花ことばは、『幸福が戻ってくる』っていうんですよ」 -
好き作家さんが読みたい漫画を小説家してた。これはいい予感。
-
寝るのも惜しんで小説を読みたいと思ったのは久しぶりだ。
2巻に入って、ウィリアムとエマは受難の時を迎える。
焦点は身分違いの恋。
ウィリアムの未来を思うがゆえにエマはウィリアムと決別することを誓う。
今の認識からすれば好きどうし結婚すればいいじゃんと思ってしまうのだが、ウィリアムには家業を継ぐ責任がある。
貴族さまと結婚して事業を拡大させることが家族の幸せであり、エマと添い遂げることは家族への裏切りをしめす。
ウィリアムが成長して、家族もエマも幸せにできるのか、それとも逃避行か。
今後の展開が気になりすぎる。 -
原作とは違った方向から光をあて写しとって完成させたような面白さ。ただのノベライズではない。20冊弱の参考文献を列挙してあるノベライズなんて見たことがない。丁寧な仕事ぶりに安心して身を任せられた。第三弾以降も是非出して欲しいなあ。本当に面白かった。
-
ひそかに続きが気になります。