- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758411837
感想・レビュー・書評
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李陵、蘇武、孤鹿姑、桑弘羊、そして司馬遷。それぞれがそれぞれの生き方を問い、生きる中で、劉徹よ、何処へ行く。
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劉徹は老いへの不安から自分に呪いがかけられているのではないかと、周囲に対し不信感を募らせる。そこに漬け込む臣下も現れ、長安は殺伐とした雰囲気になっていく。蘇武は北での暮らしを続け、人のしがらみの無い現在の状況を楽しむようになっていた。そんな中、蘇武と李陵が再会する。
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全巻に引き続き、そして、より鮮明に
李陵、蘇武、司馬遷、劉徹の生き様がクローズアップ
されている気がします。
ただ、北方さんの作風なのか、バックグラウンドとしての
史実上の事件が知らない人には分かりにくく、もどかしいところも
あります。
(キャラクターの言動の根拠として、ほんとにわずかに触れられて
いるだけなので、歴史が好きではない人は敬遠してしまうのでは、
と危惧してしまいます。)
それでも、本分を見出した李陵、人生を知った蘇武、老いに怯える
劉徹など、それぞれの視点が際立っていて、退屈感は感じさせない
、ような気はします。
もう少し、付き合います。
※蘇武と「岳飛伝」の秦容が、すっごくかぶります。
まるで作者は蘇武の描写の楽しさが忘られず秦容に肩代わり
させたのではないかと、邪推してしまうくらいです。 -
蘇武と李陵の再会。匈奴の反攻。司馬遷本記完成。そして最後の決戦へと
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☆は5つぅ!
この物語には蘇武という名前のもと漢人が北の果てで生活している様を描いた部分がかなりある。ここがとても面白い。
というか、この部分がなければあとは、いままでづいぶんと長いあいだ読んできた、水滸伝や楊令伝などといったいどこが違うのだい!?というだけの作品でしかないなぁ、などと思っていると、それはとんでもない思い違いであった。
この物語はもっとづっとずっと奥が深くて面白いものなのだ、とあらためて思ってしまったのだ。
史記偉い。そして司馬遷偉い。ついでに司馬遼?も北方謙三も偉い。
ありゃ、もうなんのことか判らなくなっている。
すまんこってす。すごすご。-
武帝紀のそのあたりは、敵に寝返って生きる者、寝返らずに敵中で生きる者の誇り高さにしびれますなあ。武帝紀のそのあたりは、敵に寝返って生きる者、寝返らずに敵中で生きる者の誇り高さにしびれますなあ。2012/11/28
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最終巻に向けてのつなぎの巻ですが、なかなか読ませます。
北方先生は、やはり人物を深く掘り下げる書き方の方が圧倒的に読み応えがあります。
オチはだいたい見えたけど、どのように落としてくれるのかが楽しみ。 -
武帝も少々もうろくしてきて、やりたいほうだいなんだけど、特に何がやりたいというわけでもなく、老いたくない、死にたくないという感じが、ぬるっと伝わってくる。
それにしても辺境の北の地で狼だけを友として生きる蘇武の描写が武帝と対照的なのが、いい。
全ての権力を手にした武帝が死におびえ、
何も持たずに冬を越すだけを考えていた蘇武が生き生きとしている。
そういうものなんだと、自然に思えてくる。
ここに至ると水滸伝(今は岳飛伝)系より、こっちの方が面白いかも。 -
武帝、李陵、司馬遷の物語…(テスト中(^_^))
1ー7巻読了。レビューと評価は7巻目にあり -
現代において彼を凌ぐ歴史小説家はいないのではないのだろうか。新しい人物や手法を持って歴史小説を書き、ヒット作を残す人もいると思われるが、彼の凄さは史記という歴史的大作を前にして怖気ついていないところである。文才に恵まれている。内容に関しては、武帝の繊細な心境や李陵の数奇な運命、司馬遷の駆け引きなど多彩である。あえて彼に勝るとも劣らない歴史作家をあげるとするならば高橋克彦であろう。
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蘇武の北端での暮らしぶり、司馬遷の帝の歴史書作成等の内容が多くて、実際の戦いは余りく