しあわせガレット

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 435
感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758414487

感想・レビュー・書評

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  • 『しあわせガレット』|感想・レビュー - 読書メーター
    https://bookmeter.com/books/21484145

    #33 夢の水先案内人になったオレンジとチョコレートのケーキ 中島久枝さん「金メダルのケーキ」|好書好日(2020.07.08)
    https://book.asahi.com/article/13505654

    和菓子どっとこむ/フードライター中島久枝オフィシャルサイト
    http://www.wa-gashi.com/index.html

    嶽 まいこ / Maiko Dake
    https://dakemaiko.com/

    しあわせガレット|書籍情報|株式会社 角川春樹事務所 - Kadokawa Haruki Corporation
    http://www.kadokawaharuki.co.jp/book/detail/detail.php?no=7058

  • 【収録作品】プロローグ/晴絵さんの甘い粉砂糖のクレープ/山城さんのメルゲーズのガレット/綾子さんと薫さんのシードル/大川さんのフルール・ド・セル/白井さんのレモングラスティー/エピローグ

    ガレットとクレープの店を舞台にした連作。派遣契約が切れてこの店に勤めることにした詩葉の視点から、訪れる客のそれぞれの事情が語られる。
    人はだれもがそれぞれの事情や生きづらさ、息苦しさを抱え、なんとか日々を送っている。初志が貫けなくても、そこまでやってきたことは無駄ではない、諦めたら終わりなのではなく、そこからも人生は続く。
    ささやかな生き方を肯定してくれる話。ガレットもクレープもおいしそうで、食べたくなる。

  • 2023年8月角川ハルキ事務所刊。書き下ろし。晴絵さんの甘い粉砂糖のクレープ、山城さんのメルゲーズのガレット、綾子さんと薫さんのシード、大川さんのフルール・ド・セル、白井さんのレモングラスティー、の5つの連作短編。
    人とうまく馴染めない35歳の詩葉。千駄木の路地奥のガレットとクレープの店ポルトボヌールと赤い髪の店主多鶴さん。というワクワクする設定で語られる、後悔しなくてもいいし、何をやってもいいんだよというお話はすんなり共感できます。少し尖ったところもありましたが、ブルターニュの話も興味深く、ガレットが食べたくなりました。

  • 人付き合いが苦手な詩葉が、たまたま見つけたガレット店でその味に魅了され、遂にはお店で働くようになります。

    常連さんたちのストーリーを順番に描きながら、店主や常連さんたちとの出会いや交流をきっかけにした、詩葉自身の色々な気付きについても緩やかに描かれています。

    勇気を出して一歩踏み出したら、過去にも意味があったと思えるようになった。

    いつもどこか居心地の悪さを感じていたり、周囲の期待に添うように自分を抑えてしまって疲れたり。
    そんな人のモヤモヤを掬い上げて、少し気持ちを軽くしてくれるような作品でした。
    そして作品に登場するガレットが、あれもこれも美味しそうでたまらない!


    『思いとおりになる人生なんてないのよ。だから面白いんじゃないの。もう、好きに生きたら。誰かのためじゃなくて、自分のために。』

    『どっちが正しいとか、合理的だとか、そういうことじゃないの。理由なんかいらない。自分はこうしたい。それだけでいいの。みんな、人それぞれ。自分らしく生きていいのよ』

    『今いる場所が居心地悪かったら、もっとどこか楽にいられる場所を探せばいいんですって。見つけたら、そこを大事にするんですよ』

  • 高校も大学も会社も、常に居心地の悪さを感じながら、流されて生きてきた詩葉。
    人付き合いに積極的になれない性格は自分に似ていて、親近感を持ちながら読んだ。
    詩葉が派遣社員を辞めて働き出したガレットとクレープのお店には、色んなお客さんがやってくる。
    みんな大人で、王子様のような雰囲気をまとっていたり、仕事に成功していたりと、人生順調満帆な人ばかり…
    のように見えて、実はみんな何かしらの居心地の悪さを抱えながら生きている。
    そんな彼らを迎えるのが、店主の多鶴さん。温かな眼差しで、親身になってアドバイスをするような店主ではないけれど、「自分の選択には自分で責任をとりなさい」と、少し冷たいと思うくらいの温度で接客する。
    その冷たさが、ありがちなハートフル小説とは一線を画している。
    冷たいけれど、人の背中をしっかりと力強く押してくれる。読み終わった頃には、今の自分でも大丈夫、と自信を持てるようになること間違いなし。

  • 派遣契約が終わった日の帰り道、路地裏で見つけた
    ガレットとクレープの店。赤い髪の店主が焼いた
    こだわりの詰まったガレットに魅了された詩葉は、
    4日間通いつめ雇ってもらうことに…。疲れた
    心を癒す連作短篇集。

  • ガレットのお店と言われて表参道のブレッツカフェというお店を思い出しました。久しぶりに食べに行きたくなりました!
    シェアは禁止。それぞれが選んだものを食べる=自分の意見意思はしっかり持って、責任ももつこと。そして今のその気持ちを大切にするってことを伝えたいんだろうな。前向きで素敵なはなし。

    多鶴さんの前に進もうとしている人、立ち止まってしまった人に対しての言葉が素敵。
    「負けたからじゃないひとつの時代が終わっただけ。」とか。

    人に圧をかけられたり周りに合わせるんじゃなくて本当に自分がやりたいこと思うことを伝えるべきだなと考えさせられました。私も詩葉と近い部分あるなと。


  • ガレットは食事で、クレープはスイーツとの事。自分で焼いてみたくなりました。

  • どことなく私と重なる部分があって、多鶴さんや常連さんの言葉はささりました。
    言葉や行動に移す。このことを難しいと感じる人は少なくは無いはず。どちらにせよたくさんの人に読んで欲しい。

  • ガレット食べてみたいな。自分が自分らしくいれるっていうのは大事だよね。ガレット選びも、ゆっくりと自分に向き合うのって必要だなって思えるお話だったな

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