- Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758434799
感想・レビュー・書評
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幕末もので、庶民でありながら彰義隊の隊員となって上野の山の戦いに参加した息子をもつ、本所のおでんや「福助」の女将おあきを主人公に江戸から明治へ時代の変わり目を描きだす。
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久し振りに宇江佐真理さんのお話。
夕映えは上下の二巻からのもの、いつもの人情噺に加え幕末の世の中の乱れも加味されていて、立体的な作りになっている。
時代に仕方なく流されても自分を見失わない様に生きる庶民の姿に引き込まれる。 -
これも大好きな今は亡き児玉清さんのオススメ本。幕末の江戸で居酒屋を営む夫婦と親子にスポットを当てた物語。大政奉還、鳥羽伏見の戦いと続く幕末の動乱の中、嫌な姑のいる家に嫁ぐ娘、官軍に抵抗する彰義隊に入る息子のことを心配する夫婦。いつの時代も子を思う親の気持ちは同じものだと思い知らされます。そんな日々を生きる江戸の人たちの純朴な話ですが、下巻でみんな幸せに終わるのか気掛かりです。
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幕末江戸の本所の縄暖簾「福助」を舞台とした時代小説。鳥羽伏見の戦いの歴史叙述も登場人物の物語と交互に入り、歴史小説色もある。「福助」の女将と亭主は息子と娘が悩みである。娘の結婚は考え直した方がいいという出来事に複数回見舞われる。我慢していると最後は良いことがあるというのはどうなのだろうか。
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おでんを売りにした市井の飯屋を中心に、徐々に緊迫感を増す幕末の江戸を見事に表現。おあき、弘蔵、彰義隊の運命は?下巻へ
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歴史的背景もしっかり描写されてます
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時代に翻弄される家族の物語がよく表現できていたと思う。
いつでも町人の暮らしは大変なのだ・・・ -
地震関連で書くことが増えて本の感想がたまってしまったので、少しずつ。久々の宇江佐真理はちょっとこれまでとは違った歴史小説的なおもむき。ただ、それが成功しているかどうかは微妙な気がする。
幕末から維新にかけての江戸~東京を舞台に、息子が幕軍に投じたためにごくふつうの一家が歴史の波に翻弄される様子を描く。これまでの江戸の町内ものではなく、歴史的な転換点の物語だけに史実描写がかなり多い。ただ、時代背景が数多書かれ尽くしている幕末維新なために、あちこちで何度も読まされた内容が繰り返されるのは正直退屈だ。物語の柱として重要な要素なのはわかるけれど、もう少しはしょってもいいのでは。
あとは基本的にいつもの下町人情物で、それなりに楽しめる。上下2巻で長そうに見えるけれど、1冊が薄いのでボリュームとしては厚い本1冊分ていど。ならず者から志願して幕軍に加わった良助に対するあまりの親馬鹿が鼻につかないでもないけれど、まあいつの時代も親というのはそういうものではあるからな。終幕近く、松前の浜で弘蔵とおあきが見た夕映えのシーンは白眉だろう。動乱の時代を生きた庶民の心情がここに集約されている。帯にある児玉清の賛辞はほめ過ぎにしても、それでこのタイトルかと納得させるには十分だ、ということで★ひとつおまけしておこう(笑)。 -
L 夕映え(上)
宇江佐作品おなじみの松前藩がらみも。縄暖簾を営む元松前藩士の弘蔵とおあき夫婦と夫婦の子供たち、客からみた幕末の江戸。幕末の大きな動き流れは知っておきたいところだが、学生時代にこれを読んでいたらどんだけの政変がおきようとしていたかを実感できそうな話。ただの歴史としての受け止め方ではない見方をできたかも。
ところどころに宇江佐語録があって楽しい。 -
幕末の江戸下町が舞台。
市井の人々から見た幕末維新の激動の様子。
読み応えタップリ!
感想は下巻にて!