堕落論 (280円文庫)

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  • 角川春樹事務所
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感想 : 71
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  • Amazon.co.jp ・本 (125ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758435451

感想・レビュー・書評

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  • 続堕落論が個人的に好きです。堕落論よりわかりやすい。編者風に言えば音楽的なのかな。堕落論は最初がかなりとっつきにくい感じがしました。

  • 視点の鋭さ。
    共感できるものというよりも、納得できるものが多かった気がする。

    戦後の日本人の価値観が逆説的に理解できていく?

  • 無頼派の一人である坂口安吾によるエッセイ。のらりくらりとかわすような文体で、天皇制や武士道を自由自在に斬りまくる。本書は敗戦直後の人々に衝撃を与え、当時の若者から絶大な人気を得た。それは、堕ちるところまで堕ちながらも生きることを志向する氏の文学が当事の人々に生きる希望を与えたからだろう。

  • 青春論

  • この本はもう少し若いころに読んだ方が感じるものが多そう。

    宮本武蔵のことを書いている部分がおもしろい。
    宮本武蔵は特に興味もないから、あまり逸話とかも知らないのだけど、
    よく取り上げられる「五輪書」を
    「深遠を衒って俗に堕し、ボンクラの本性を暴露しているにすぎない」と言い切るあたりがすごい。
    そういう武蔵の見方もあるんだ。

    戦後という価値観の転換期に、
    新たな価値観から戦前、戦中への回帰をもとめる揺り戻し、そのような揺れ動いている社会的な背景の中で、自らの信念に基づいて発せられたメッセージの力強さは今でも力を持ち続けている。

  • 一度読むのを挫折した坂口安吾。今回は最後まで読めた。

  • 〈人間は生き、人間は堕ちる。そのこと以外の中に人間を救う便利な近道はない〉と綴った「堕落論」により、戦後の日本人の価値観を変え、また勇気を与え、圧倒的な支持を得た坂口安吾。無頼と反逆に充ちた言葉の多くは、戦後の日本人への新しい指針を示し、一大センセーショナルを起こした。その魅力を堪能出来る「堕落論」を始め、「続堕落論」「青春論」「恋愛論」の随筆を四作品収録。

    「堕落論」ほんと分かるような分からないような。思考の過程を綴っている、というのは納得。

著者プロフィール

(さかぐち・あんご)1906~1955
新潟県生まれ。東洋大学印度倫理学科卒。1931年、同人誌「言葉」に発表した「風博士」が牧野信一に絶賛され注目を集める。太平洋戦争中は執筆量が減るが、1946年に戦後の世相をシニカルに分析した評論「堕落論」と創作「白痴」を発表、“無頼派作家”として一躍時代の寵児となる。純文学だけでなく『不連続殺人事件』や『明治開化安吾捕物帖』などのミステリーも執筆。信長を近代合理主義者とする嚆矢となった『信長』、伝奇小説としても秀逸な「桜の森の満開の下」、「夜長姫と耳男」など時代・歴史小説の名作も少なくない。

「2022年 『小説集 徳川家康』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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