金曜日の本屋さん 冬のバニラアイス (ハルキ文庫 な 17-4)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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感想 : 67
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758441490

感想・レビュー・書評

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  • ハートウォーミングアップ日常の謎のミステリーですね。
    「金曜日の本屋さん」シリーズ四巻目。最終巻です。

    高校の同級生三人が経営する「駅ナカ本屋さんと喫茶店」で、アルバイト店員の倉井史弥語り手として、四人が織り成す人間模様。
    四話の短編連作ミステリーです。

    自分探し、そして成長物語、そしてそれを 紐解く「おすすめの本」。本屋さんだけに、様々な本が登場します。
    「読みたい本が見つかる本屋さん」の「金曜堂」、こんなお店が我が町にも欲しいですね。

    史弥と南店長の恋愛物語もハートフルに、前向きにさせてくれる物語です。

    最後の巻で残念ですが、未来の有る終わり方なので、登場人物たちの幸せを祈って読了しました。

  • シリーズ4作目、完結編。
    今回主に登場する本は、
    ・佐野洋子「100万回生きたねこ」
    ・北村薫「スキップ」
    ・宮沢賢治「銀河鉄道の夜」
    ・トルーマン・カポーティ「誕生日の子どもたち」

    あとがきを読むと、いずれも著者の読書体験に基づいたもののようで、どの本も読んでみたくなる書き方をされている。「100万回生きたねこ」と「銀河鉄道の夜」は読んだことがあるけれど、細かいことを覚えていないので今改めて読んでみたいと思った。

    北関東の小さな駅ナカ書店を舞台にした物語、本への愛に満ちていて、仲間やお客さんへの思いやりが全編通して感じられて、じんわりあたたかく、ほっこりした気持ちになった。

  • シリーズ最終話。
    4冊で終わってしまうのは、本当に寂しいが、史弥が最初に「金曜堂」に訪れてから1年。大学4年生を目の前に自分に進むべき道を見つける今作。
    2作目で「金曜堂」のメンバーの悲しい過去が明らかになったが、その後、店長の槇乃はみるみる元気を取り戻したかのよう。オーナーの和久はプライベートが上手く行ってないらしい。そんな様子を見守る栖川。
    3人の関係性を丁寧に描きながら、その中で史弥もどんどんたくましくなっていく。
    様々な本を取り上げ、一人一人に違う物語があることを描いた今シリーズ。最初は推理ものかと思っていたけど、同じ本でも人によって、違う影響を及ぼすことが丁寧に描かれているのが、最後まで読んだ印象。
    最近では本を読む人が少なく、そんな自分も数は読んでいるけれども、再読をめっきりしなくなった。
    今作で取り上げている作品は、何となくは読んだ気がするけれど、内容の詳細まで覚えていない。
    新しい本をどんどん読むのもいいけれど、たまには自分のターニングポイントに一緒にいた本を再読することも、人生で大事なのかもしれない。
    そんな気持ちにさせられた作品だった。
    素敵な「書店員」さんになった史弥の後日談を是非読んでみたい。
    ラストの槇乃の「あなたは私にとって、冬のバニラアイスです」も最高!

  • シリーズ最終巻。終わってしまった。
    シリーズ春、夏、秋、冬と通して、倉井くんの成長がすごい!
    書店業界は厳しいだろうけど、私も「金曜堂」みたいな本屋さんで働きたいなぁ。夢だなぁ。
    シリーズ4巻通して、読んでた本は読み返したいし、読んでない本は是非読んでみたいという本ばかりだった。収穫大!
    本と人に対する愛溢れるシリーズでした。
    またいつの日か社会人になった倉井くんと再会できたらいいな。

  • シリーズ最終巻。
    史弥の重荷であった就活が父の言葉で楽になる。そして新たな目標ができる。
    ひとの心に寄り添える書店金曜堂。書店の存続は難しいものがあるけれどずっと続いて欲しいと願う。

  • どんな関係性でも、大切にする方法は一つじゃない。
    エゴだって時には凶器になって誰かを傷つけるかもしれないけど、時には愛として誰かを救うこともある。
    自分の内側と向き合うのと同じくらい、
    その内面を誰かに吐露したい気持ちももっている。
    自己犠牲や闇雲さで周囲が見えなくなるほどに、
    お互いがお互いを気にしている。
    それは間違いなく親友だと思う。
    物語も、その感想も、誰かの支えになる。

  • 本が読みたくなるシリーズでした
    とくに、ひとつのほんをなんども読むのも楽しそうだなと思えました。

  • 遂に完結‼︎
    一冊が薄いのでさら〜っと読み終えることができました。
    野原高校に通いたいなって思いました!

  • 最終巻だから、まあ★4つかな。じゃなかったら3つだったかもしれない。
    なんかこう、もうちょっとまとめてほしい気がした。読者に考えさせる、みたいなのとはちょっと違って。。
    あと、結末はなんか、やっぱりそうなるのかーーー...みたいなかんじの選択で、、このかんじ最近なんかほかでも見たor読んだんだよなあ。
    やっぱりシリーズものは、1巻目がいちばんおもしろいな。

  • 「金曜日の本屋さん」シリーズ第4作にして、完結編。
    ここに来て、いきなり店長の気持ちが寄ってきたように思えてしまって。3巻あたりからもう少し匂わせてもらえるとよかったなぁとか。となると、過去の話は2巻ではしてほしかったような…なかなか難しいのでしょうが、サブタイトルに四季をそれぞれ冠しているわけですし…
    バランスのとれた起承転結が見たかった気もしました(最終巻に、転結が一気に入っていた感じでした)。
    爽やかな予感で終わるのは素敵だったけど、ちょっとあっさりしすぎていて拍子抜けしちゃったかも。
    普通にページをめくったらあとがきで、[えっ?]と声出ちゃいましたw
    1作だけの本ならいいのですが、やはり、シリーズ通して読んできた読者心理としては、最後がちょっと物足りなかったかなあ。
    とはいえ、最後まで読みたいと思わせてくれたシリーズへの敬意で、★4です。
    他の本もいつか読みたいかも。

著者プロフィール

名取 佐和子(なとり・さわこ):兵庫県生まれ、明治大学卒業。ゲーム会社勤務の後に独立し、2010年『交番の夜』で小説家デビュー。著書に『ペンギン鉄道 なくしもの係』(第5回エキナカ書店大賞受賞)シリーズ、『金曜日の本屋さん』シリーズ、『シェアハウスかざみどり』『江の島ねこもり食堂』『逃がし屋トナカイ』『寄席わらしの晩ごはん』『七里ヶ浜の姉妹』『ひねもすなむなむ』『図書室のはこぶね』(京都府私立学校図書館協議会司書部会「中高生におすすめする司書のイチオシ本2022年度版」第6位、「埼玉県の高校図書館司書が選んだイチオシ本2022」第8位、うつのみや大賞2023第4位)ほか多数。

「2023年 『文庫旅館で待つ本は』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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