秋暮の五人 くらまし屋稼業 (ハルキ文庫 い 24-4 時代小説文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 430
感想 : 47
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758442473

作品紹介・あらすじ

八朔の日、亥の刻。芝湊町の土蔵に、見知らぬ者の文で呼び出された男たちが、密かに集まってきた。
骨董商の仁吉、役者の銀蔵、寄木細工職人の和太郎、浪人の右近、板前の壱助。文の差出人は果たして誰なのか?
 五人が呼び出された真の理由とは?
 一方、虚の一味、初谷男吏と榊惣一郎は仕事をしくじり、高尾山から江戸市中に戻ってきた。
めくるめく展開に一瞬も目が離せない。まさかのラストに、驚愕すること間違いなし。
最強の決闘あり、ミステリーあり、人情あり……無敵のエンターテインメント時代小説、熱望の書き下ろし第四弾。

感想・レビュー・書評

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  • 赤也の過去が明かされたりして次の巻に向けて世界を広げるような今作

    裏稼業の業のようなものが描かれていました
    決して褒められるような生き方ではありませんが、それぞれに背負い、矜持を持って生きる男たち

    平九郎の覚悟の先には明るい未来なんて許されないのではないか
    そんな不安な気持ちにさせられるのでした

  • 「くらまし屋稼業」の4冊目。表紙の絵がなんだか和む。
    今回は幼い頃の彦弥が登場する序章から始まる物語。この頃から彦弥は女性に優しかったのだな。

    さて、本編。毎回誰かを晦ますばかりではないですよって、今回は趣向を変えてきた。
    芝湊町の土蔵に見知らぬ者の文で呼び出された5人の男たち。話が進むと皆、鰄党の残党で今は堅気になって暮らしている(浪人も一人いるが)面々と分かる。
    何らかの奸計に動かされ5人がくらまし屋に接触を図る運びに、平九郎が謀られるわけはないと思ってはいるが、下手に累が及ばぬかとちょっとドキドキ。
    今回はミステリー色が強く、その分平九郎の立ち回りは少ないが、四三屋親子や炙り屋に虚の面々も巧みに登場させて、裏稼業の闇の深さを垣間見せ物語に厚みを加える。

    平九郎の妻子の思い出に赤也や七瀬の過去も小出しにされるが、最後の最後に驚いた。続きへ急げ!

  • 前回対立した「虚」との闘いかと思ったが、賊への復讐からへのくらましだった。なので大掛かりな脱走劇は無し。復讐がテーマなので全体に暗い。最後に主人公に繋がる流れがあり、今後の展開に期待。

  • この終り方…まるで髙田郁先生ではないか!
    まさか最後のシーンでこの人が登場してくるとは…。
    続きが気になる〰️!

    第1弾から読み進め、これまで少しずつ疑問に思っていた数々のことが紐解かれ、それぞれの繋がりも明るみになったシリーズ第4弾。
    平九郎を中心に、赤也、七瀬、そして3人を陰で支える茂吉にお春。
    年齢や生い立ちは違えど、皆で力を合わせ生き抜いていることを改めて実感。
    くらまし屋メンバーの結束も深まり、敵の姿も明らかになってきた。

    敵味方に関わらず、己の勤めに矜持を持つ男達はなんて素敵なんだろう。
    一度請け負った仕事は何年かかろうと、例え途中で邪魔が入ろうとも、最後まで手を抜かずやり遂げる不屈の信念。
    読んでいてとても清々しい。

    そしてお楽しみの『ぼろ鳶』リンクは幼い頃の彦弥。
    この頃から「女の頼みは断らない」主義だったとは…。
    こちらの男もブレがない。
    次に登場するのは誰なのか、それも気になる。
    早く第5弾へ行かなければ!

  • 〈くらまし屋稼業〉シリーズ第四作。

    序章で謎の組織『虚』の暗躍が描かれるので今回は『くらやし屋』VS『虚』のガッツリ対決かと思いきや、解散した筈の盗賊集団『鰄党』の残党の物語。
    これまでは絶対不可能と思われる状況下でのくらませ方法が一つの山場だったのだが、今回はかなり趣が違う。
    この四作目にして「くらまし屋七箇条」の重みを感じさせる。
    「くらまし屋稼業」は慈善事業ではない、やはり裏稼業なのだ。

    しかしこんな形で「くらまし屋」を利用しようとは恐れ入る。
    だが勿論こんなことで良いように使われる「くらまし屋」ではないし、平九郎の場数の多さも感じる。

    シリーズとしては新たに「くらまし屋」のメンバー赤也の過去にも触れられていた。
    赤也、七瀬、平九郎、「くらまし屋稼業」に対する思いはそれぞれ違うが、良いトリオだと思うし三人が今後どのような道に進むのかも気になる。

    個人的に気になっていた炙り屋・万木(ゆるぎ)も再登場。
    更には「虚」のメンバーには惣一郎以外にも箍が外れたような危険人物がいることが分かる。
    これから「くらまし屋」「炙り屋」「虚」の三つ巴の闘いになるのか。
    さらには最後の最後にすごい展開に。
    やはり平九郎と「虚」との対決は避けられないようだ。

    • やまさん
      fukuさん、こんにちは。
      いいね、有難う御座います。
      今村翔吾さんの本は、毎回楽しみに読んでいます。
      今後ともよろしくお願いいたしま...
      fukuさん、こんにちは。
      いいね、有難う御座います。
      今村翔吾さんの本は、毎回楽しみに読んでいます。
      今後ともよろしくお願いいたします。
      2019/10/31
    • fuku ※たまにレビューします さん
      コメントありがとうございます。
      今村さんの作品はこのシリーズしか読んだことがありませんが毎回ワクワクさせてもらってます。別のシリーズ物にも...
      コメントありがとうございます。
      今村さんの作品はこのシリーズしか読んだことがありませんが毎回ワクワクさせてもらってます。別のシリーズ物にもそのうちに挑戦したいと思っています。
      2019/10/31
  •  5人を呼び出したのは、誰なのか。そして、その真の理由とは。くらまし屋が活躍するシリーズ第4弾。

     今回はミステリー色の強い展開でしたが、それだけでなく、これまで通り、決闘あり、人情ありの贅沢な物語となっていて、とても読みごたえがありました。

     また、これまでの登場人物が物語に絡んできたり、新たな強敵の登場があったり、まだまだくらまし屋の活躍が見られそうでたまらない展開でした。

     くらまし屋の過去が少しずつ解明される一方、新たな展開が結末に用意してあり、早く次が読みたいと感じずにはいられませんでした。

     人を思う気持ちの強さも感じました。

  • 今回はくらましというよりミステリー要素が強く、
    最後まで謎が引っ張られたせいもあり、
    ちょっと勢いに欠けた内容。

    ただし、プロローグでは
    ぼろ鳶シリーズのあの人の登場に「いやーん」
    エピローグでは、意外な人物の出現に「うそーーー⁉︎」 
    となった。
    少しずつ物語は進んでいる。
    先に見えるのは光なのか、闇なのか。

  • シリーズ第四弾。

    今回は、いつものドキドキハラハラの脱出劇とは趣が異なり、ミステリー仕立てです。
    謎の文で呼び出された5人の男たち・・“くらまし屋”利用しようとする首謀者とその目的とは?
    じわじわと真相が明らかになる展開と共に、今までも平九郎を囲むメンバーの事情が小出しにされてきましたが、今回は赤也の過去の姿が明かされます。
    そして、終章では「!!」となる、驚きの結末が・・!
    これは、続きが気になりすぎますね。次巻を読むのが楽しみです。
    (別の本のレビュー表示の不具合がトラウマで、長めのレビューを書くのが怖い今日この頃・・)

  • 秋暮の五人 ー くらまし屋稼業シリーズの4作目
    2019.04発行。字の大きさは…小。

    このシリーズは、毎回楽しく読んでいる。
    今回は、「虚」との戦いかと思いきや、ハラハラ、ドキドキと次はどうなるのだと思いながら読む。
    良く書けています。

    次作を楽しみにしています。
    2019.05.29読了

  • 今回は、主人公たちを狙う輩の目線が多く、残念。、ただ、ぼろ鳶との関連や今後の展開に重要なエピソードが盛り込まれていたので、油断は出来ないなと笑ってしまった。

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著者プロフィール

1984年京都府生まれ。2017年『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』でデビュー。’18年『童の神』が第160回直木賞候補に。’20年『八本目の槍』で第41回吉川英治文学新人賞を受賞。同年『じんかん』が第163回直木賞候補に。’21年「羽州ぼろ鳶組」シリーズで第六回吉川英治文庫賞を受賞。22年『塞王の楯』で第166回直木賞を受賞。他の著書に、「イクサガミ」シリーズ、「くらまし屋稼業」シリーズ、『ひゃっか! 全国高校生花いけバトル』『てらこや青義堂 師匠、走る』『幸村を討て』『蹴れ、彦五郎』『湖上の空』『茜唄』(上・下)などがある。

「2023年 『イクサガミ 地』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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