大江戸少女カゲキ団(一) (ハルキ文庫 な 10-11 時代小説文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
2.90
  • (0)
  • (6)
  • (16)
  • (5)
  • (2)
本棚登録 : 125
感想 : 9
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758442954

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 着物始末暦の中島要の作品
    身分を隠した大店のご隠居、こまっしゃくれた小僧、茶屋のお手伝いの娘、登場人物だけ見れば落語の舞台のようだが、茶屋の娘お芹には人に言えない悩みがあった。出だしはいつもの中島要節。若干テンプレ化している気はするが、さすがは江戸を舞台としたライトノベルの旗手だ。
    ところが登場人物がほぼ女性だけになる後半は、なんだかわちゃわちゃしてきた。この先の展開はいかに?って、結局次の巻が気になる第一巻でした。

  • 202209/全5巻まとめて。表紙イラストの通り展開やキャラはライトで読みやすかった。主人公達以外も含め登場する女性達それぞれの心情が丁寧に描写されているのに、物語を進める都合上もあってか、嫌なキャラや男性キャラにはテンプレ的な駒感もあり雑さを感じた。エンディングに納得いかなかったので減点。この時代の女性であるがゆえの制限や生まれによる縛り等に悩み限られた期間とはいえやりたいことをやろう、ってことでやってきたのに、最終的に自分の子供に夢を託す、ってこれまでを否定する終わり方では…。

  • 2022.05.21

  • 江戸版男装の麗人。カゲキ団への命名の持って行き方が、ちょっと強引かも!?

  • 前は「金の不自由がなくてうらやましい」と思っていたが、金持ちは金しか自由にならないようだ。

  • 『着物始末暦シリーズ』の中島要の新作。
    貧しく叔母の経営する茶屋で働く芹。
    父親は元芝居役者だったが、家を出て時折金の無心に来るぐらい。子供の頃からの貧乏暮らし。

    元役者の父親に幼い頃から芝居の稽古を受けて、女だてらに芝居付き。女は役者になれないことで諦めた。

    花円という踊りの師匠のうちを覗き見て、見聞きしたことで思い出し踊るのが唯一の楽しみ。

    そんな折、発表会の稽古をする才、紅、仁。
    大店で金の苦労はしたことがない3人だが、その反面そんな店の娘であるプレッシャーは相当なものらしい。

    仁という脚本も書いて、興行主になりたい夢を持つ少女が、嫁入り前に世間を驚かせてやろうと、芹を勧誘。

    桜見物の飛鳥山でのデビュー!!

    少女たちの青春奮闘記の第一幕である。

  • 四人がそれぞれ屈託をかかえつつも、十代の少女たちらしい勢いに満ちていてキラキラしてる。庶民の芹とお嬢様達の対比も良かったです。
    まだまだ小さいカゲキ団ですが、男中心の社会を痛快に渡って行って欲しい。

  • 中島文枝はごはんやお菓子、中島要は着物や踊りでしょうか。「着物始末暦シリーズ」の中島要さん、新しいシリーズのスタートです。「大江戸少女カゲキ団(一)」、2019.10発行。茶屋・まめやの手伝いをしている芹15歳とお金持ちの娘、同じく15歳の才、紅、仁の3人。この娘4人と踊りの師匠花円の物語。シリーズの始まりで登場人物の紹介・説明のせいか、ややだらだらの感がしますが、これからに大いに期待したいと思います。

  • 「無茶を承知で言いますが、中島先生、1、2巻同時刊行お願いします!」と言いたくなるくらい次が読みたくなった!
    飛鳥山に通う娘たちと同じ気持ちかもしれない。笑
    自分の境遇に不満を持つ娘たちが、「おっかさん」になる前に自分たちのやりたいことをやっちゃおう!でも親には絶対にバレないよう、こっそりやらなきゃ!なんて、気持ちは現代と変わりない。
    でもそれが男のふりをした芝居だっていうのがカッコイイ!!お江戸版宝塚…!!想像したらすごくウキウキする…!!
    このシリーズは絶対2巻目以降、もーっと面白くなる!!少女花化伎団の今後に期待大!!

全9件中 1 - 9件を表示

著者プロフィール

早稲田大学教育学部(講談社文庫初期の傑作『古典落語』を編んだ興津要のゼミ)卒業。横浜在住。2007年、第2回小説NON短編時代小説賞で「寝姿指南」が最終候補になり、08年、「素見」で小説宝石新人賞を受賞。若き町医者を描いた初長編『刀圭』と、受賞作を含む短編集『ひやかし』が好評を集める。祥伝社文庫既刊に『江戸の茶碗』『酒が仇と思えども』。著書に「着物始末暦」「大江戸少女カゲキ団」シリーズ、『うき世櫛』『御徒の女』『神奈川宿 雷屋』などがある。

「2022年 『吉原と外』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中島要の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×