飛燕の簪 神田職人えにし譚 (ハルキ文庫 ち 2-7 時代小説文庫 神田職人えにし譚)
- 角川春樹事務所 (2020年7月15日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758443524
作品紹介・あらすじ
財布や煙草入れなど、身につける小物に刺繡と金銀の箔をあわせて模様を入れる、縫箔師の咲。
両親を亡くし、弟妹の親代わりとなって一生懸命に腕を磨いてきた。
ある日立ち寄った日本橋の小間物屋で、咲はきれいな飛燕の簪に魅了される。
気になって再び店を訪れると、その簪を手掛けたという錺師の修次と出会った。
しかし二人が話している隙に、双子の子供が簪を奪って逃げてしまい……。
咲が施す刺繡が人々の縁をやさしく紡ぎます──江戸のお仕事人情小説、装いを新たにシリーズ開幕!
感想・レビュー・書評
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『神田職人えにし譚』その1。
咲は、細やかな刺繍を得意とする縫箔師。早くに両親を亡くしたが、幼い弟妹の親代わりにと懸命に腕を磨き、今では職人として独り立ちし、気ままな一人暮らし。ある日、咲は小間物屋の店先で、みごとな細工の簪に心惹かれる。
ひょんなことから、それを作った錺師の修次、神狐の化身?の双子たちと出会ったことから、さらに思わぬ出会いが…
知野みさきさんの女職人ものとしては「上絵師律」のシリーズが先かと思うが、あちらは職人としても中途半端で幼馴染との恋に悩むコムスメの成長物語なのに対し、こちらの咲は家庭より仕事を選んださで精進した職人で、27歳の粋な中年増、色男の修次にも簡単になびいたりしない。
大人の女のキリッとした人情物語は、交わされる言葉もキレが良い。
物語は、咲の仕上げた様々な小物が、それを手にした人々の縁をつなぐ…というもので、悪人も出てこないし、とんでもないピンチもない、双子とのお決まりのやりとりも、ほのかな色っぽさも、総じて軽やか。
あまりにあっという間に読み終えてしまう事だけは残念だけど、こっちのシリーズの方が好きだなぁ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2015年7月刊招き猫文庫しろとましろ神田職人町縁はじめを改題して、2020年7月ハルキ文庫化。シリーズ1作目。縫箔師の咲を中心にした江戸人情職人もの。ちょっと出来過ぎの話だが、それなりの展開で、面白く、楽しい。次作が楽しみ。
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202111/シリーズ3作(飛燕の簪、妻紅、松葉の想い出)まとめて。
昔の作品を改題しシリーズ化したもののようだが、今回初めて読んだ。職人モノという設定にひかれ購入したら正解、面白かった!出てくる小間物や主人公の刺繍の描写も良くて、めちゃめちゃ欲しくなってしまう程。双子の童しろとましろのファンタジー加減も、この時代モノの世界観を邪魔することないちょうど良さ。各話の展開に偶然要素や都合良さはあるものの、人物造形が良いので興ざめすることなく楽しめた。気の良い長屋の面々との助け合いもあたたかい。シンプルな文章でグッとこさせる描写(第一話作中の『これまでに、一体どれだけの「仕方のないこと」を飲み込んできたのかと思うと』等)も好み。 -
修次、早過ぎ!
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縫箔師の咲が作り出す品々が、新たな縁を繋いでいく。
不思議な双子しろとましろの存在もフワっとしていて、展開のいいアクセントになっている。
咲と修次、美弥と志郎の今後も気になる。
次巻は太一も登場だろうか。 -
内容(「BOOK」データベースより)
財布や煙草入れなど、身につける小物に刺繍と金銀の箔をあわせて模様を入れる、縫箔師の咲。両親を亡くし、弟妹の親代わりとなって一生懸命に腕を磨いてきた。ある日立ち寄った日本橋の小間物屋で、咲はきれいな飛燕の簪に魅了される。気になって再び店を訪れると、その簪を手掛けたという錺師の修次と出会った。しかし二人が話している隙に、双子の子供が簪を奪って逃げてしまい…。咲が施す刺繍が人々の縁をやさしく紡ぎます―江戸のお仕事人情小説、装いを新たにシリーズ開幕! -
上絵師シリーズで、知野みさきさんにハマりました。今作は、ファンタジー要素もあります。時代小説は色々ありますが、主人公が姐さんタイプなのは珍しいです。読みやすいし、面白かったです。
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良シリーズの開幕
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読みやすいし面白い.
漫画みたいにスイスイと.
咲の作るお財布欲しいなぁー