ほろほろおぼろ豆腐 居酒屋ぜんや (ハルキ文庫 さ)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 331
感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758443609

作品紹介・あらすじ

新年を迎え、神田花房町代地に居酒屋「ぜんや」が再建された。
女将・お妙の絶品料理がまた食べられる喜びのあまり、馴染みの旦那衆は祝儀を沢山持参するが、お妙はとまどってしまう。
一方、武家の次男坊・只次郎は、店の再建にあたって、「ぜんや」をより良く盛り立てていくある方法を提案していた。
蕗味噌の握り飯、卯の花の炒り煮、土筆のきんぴら……
料理の腕にさらに磨きをかけたお妙と、新たな商いを始めた只次郎がいよいよ急接近!? 
傑作人情時代小説第九巻。

感想・レビュー・書評

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  • 居酒屋ぜんやシリーズ 9

    火事にあった翌年、神田花房町代地に「ぜんや」が再建された。
    只次郎のアイデアで、旦那衆が、資金を出し、利益を配当するシステムにした。
    事業投資型クラウドファンディングとでも言えば良いのか。

    一方、只次郎は、新ぜんやの隣に「春告堂」という名前で、新しく商いを始める事になった。
    鶯稼業の傍ら、商い指南も初めた。

    ある日、ひょんな誤解から、お妙と只次郎がとうとう結ばれた。
    只次郎の母親が、お妙に、何やら身分違い的な釘を刺してはいたが、お妙の決心は、変わらなかった。

    只次郎は、以前からの気掛かりである、お妙の両親が殺された訳を調べる為、久世丹後守と会う。
    お妙の父には、時代を変える力が有ったから殺されたのだと言う。
    国を開くべしと言う父。そうなれば、特権を手放したくない全ての武士が敵となる。

    果たして、黒幕は誰か。
    次作、最終巻で、黒幕が暴かれるか。
    目が離されない。

  • 新しいぜんやが開店!
    そして、只次郎も鶯の店を出すことに(^^)

    牡丹鍋、渡り蟹、読んでいてお腹が空きます。
    思いっきり、一気に読んでしまった。
    ごちそうさまでした。
    今回も美味しい、最後のあまーいデザートまで堪能しました(^^)v

  • シリーズ第9弾。

    火事で焼けてしまった「ぜんや」が再建されて、只次郎は新・「ぜんや」の“帳面係”として算盤をふるうと共に、自らも商いを始める事に。
    只次郎が逞しく成長しているのは良いのですが、お妙の両親の死の真相を単独で追っているのが何だか危険な感じで心配です。
    一方、只次郎への想いに蓋をしていたお妙ですが、ラストでついに・・・。
    まだ明らかになっていない謎や、身分の事など障害はありますが、二人の幸せを願うばかりです。

  • 火事や、幼少期の記憶が戻ったショックから漸く立ち直り、お妙は『ぜんや』を再開する。
    只次郎はぜんやの経理を預かると同時に、自分も新しい商売を始め、ますます頼もしく。
    居酒屋ぜんやシリーズ、第9巻。

    以前から時々登場していた熊吉が、ぐいぐい来ている!
    子供は成長が早いなあ。
    只次郎も、絶賛成長中(?)の若者である。
    ぐいぐい来ている。
    しかし、美味しい料理の話と背中合わせに、不穏な予感を常に孕んでいるのがこのシリーズ。
    今回も、良い話と悪い話がある、さてどちらから聞く?的な、事件とめでたい事が両方起きる回。
    またいろんな面で山場を迎えそうな終わり方。

    恋する女が裾を乱して走るのって凄いシーンだなって思う。
    ロングスカートでは邪魔そうに見えるだけ、和服ってエロいな〜と思うのであった。

    そして、渡り蟹の料理の描写が美味しすぎ!
    今の和食は、チェーンの居酒屋かファミレス、それ以外だとお高くて気取ってて凝りすぎた懐石料理の二極化。
    お妙さんみたいな料理はどこで食べられますか!?


    薬食い/蟹の脚/家移り/暗雲/川開き

  • 毎回本当に美味しそう。
    そして、とうとう…

  • 収録作品:薬食い 蟹の脚 家移り 暗雲 川開き

  • 居酒屋ぜんやシリーズ9巻目。火事で焼けたぜんやが再建。最後の謎も動きだしたが、この話はさわりだけ。最終巻の次巻に持ち越し。このシリーズは、人と人の距離感が絶妙で面白いのだが、そのあたりのもろもろも最終巻に向けて動き出している。中でも只次郎の成長が劇的で面白い。もっと長く続けてもらいたいような気がするが、10巻程度で区切りをつけるのがいいのだろう。

  • 6歳年下の男は成長している!次で最終巻?楽しみなような、終わってしまうのが残念なような。

  • 2024.4.23 読了。
    「居酒屋ぜんや」シリーズ第9弾。
    新しくなった「ぜんや」で只次郎や常連の大店客に支えられお妙は居酒屋を続けていくことになる。今までの事件の黒幕を追うことより平穏な日々を優先させようとしていたお妙だったが引き続き周辺では不穏な動きがある。

    お妙の丁寧な調理で美味しそうな料理は相変わらず魅力的だし、短編で説明も入れつつテンポよくストーリーが進んでいくので読みやすい。
    ミステリー要素も恋愛要素もいい塩梅で入っているし、季節感も感じられるのもいい。
    日本の歴史や文化に詳しい人には物足りないかもしれないけれどとも思うが個人的には坂井作品の雰囲気が好き。

    次作も楽しみです。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    新年を迎え、神田花房町代地に居酒屋「ぜんや」が再建された。女将・お妙の絶品料理がまた食べられる喜びのあまり、馴染みの旦那衆は祝儀を沢山持参するが、お妙はとまどってしまう。一方、武家の次男坊・只次郎は、店の再建にあたって、「ぜんや」をより良く盛り立てていくある方法を提案していた。蕗味噌の握り飯、卯の花の炒り煮、土筆のきんぴら…料理の腕にさらに磨きをかけたお妙と、新たな商いを始めた只次郎がいよいよ急接近!?傑作人情時代小説第九巻。

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著者プロフィール

1977年、和歌山県生まれ。同志社女子大学学芸学部卒業。2008年、「虫のいどころ」(「男と女の腹の蟲」を改題)でオール讀物新人賞を受賞。17年、『ほかほか蕗ご飯 居酒屋ぜんや』(ハルキ文庫)で髙田郁賞、歴史時代作家クラブ賞新人賞を受賞。著書に、『小説 品川心中』(二見書房)、『花は散っても』(中央公論新社)、『愛と追憶の泥濘』(幻冬舎)、『雨の日は、一回休み』(PHP研究所)など。

「2023年 『セクシャル・ルールズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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