店長がバカすぎて (ハルキ文庫 は 15-1)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 10127
感想 : 869
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758444262

作品紹介・あらすじ

谷原京子、二十八歳。吉祥寺の書店の契約社員。超多忙なのに薄給。お客様からのクレームは日常茶飯事。
店長は山本猛という名前ばかり勇ましい「非」敏腕。人を苛立たせる天才だ。ああ、店長がバカすぎる! 
毎日「マジで辞めてやる!」と思いながら、しかし仕事を、本を、小説を愛する京子は──。
全国の読者、書店員から、感動、共感、応援を沢山いただいた、二〇二〇年本屋大賞ノミネート作にして大ヒット作。
巻末にボーナストラック&早見和真×角川春樹のオリジナル対談を収録!

感想・レビュー・書評

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  • 本が大好きな契約社員の主人公が、店長と理不尽なお客様に翻弄されながらも、奮闘する姿が描かれた全6話のエンタメ連作短編集。

    著者の作品は本作で2作目。
    前読【イノセント・デイズ】は私の中で未だ名作だ。
    そこからの本作【店長がバカすぎて】

    そのギャップたるや否や、わや。
    早見和真、恐ろしいお方。

    いやはや、終始笑いが止まらず一気読み。
    とても、とても面白かった。
    そして、最後のどんでん返しには見事にしてやられた。

    表題名の通り、店長がバカすぎて、かつポンコツなのだが、読み進めるほどに愛しくなってくる。
    そして何より、書店員の本に対する愛情が感じられたことは、本が好きな私にはまた愛おしい。

    以下、作中で主人公が思いを主張する、私が激しく同意した一文である。

    ------------------------------
    私はすべての自己啓発本を否定しようとは思わない。いや、一冊たりとも否定しない。私たちはみんな何かに依って生きている。そこに救いがあるのなら、どんなうさんくさい自己啓発本でも、得体の知れない宗教であっても、思う存分頼ればいい。

    私にとっては小説こそが最高の自己啓発本であるはずだし、生きる上での道標だとも思っている。
     
    しかし、そこに絶対に介在させてはいけないものがあるとも思っている。「強要」だ。本を読んで、感銘を受けるだけならいい。それを自分の身に活かし、思う存分、明日を生き抜く活力にすればいい。

    けれど、他人に強要することだけはしちゃいけない。そこに強要が介在してくるから、無用な誤解と、不寛容が生み出され、世界はこんなにも息苦しいのだ。
    ------------------------------

    改めて読み返すと、本作品に限っては1点だけ不同意な点がある。

    本が好きで、本を読んで笑いたい、本を通じて元気が欲しい方に、私はこの一冊を『強要』したい。

    • akodamさん
      sakuragaiさん、夜分遅くにこんばんは。
      いつも、いいねとコメントいただき嬉しいです!

      私からの【強要】を受け取ってくださるのですね...
      sakuragaiさん、夜分遅くにこんばんは。
      いつも、いいねとコメントいただき嬉しいです!

      私からの【強要】を受け取ってくださるのですね✳︎
      ありがとうございます。

      本作品に限ったことではありませんが、好みや主観、評判は分かれるものです。

      しかしながら私は本作品から「あたたかさ」や「いとしさ」「ほほえましさ」を受け取りました。
      よってやはり私は同じく本が好きで、欲してらっしゃる方々に【強要】したいのです^ ^
      2021/11/22
    • ピーチフィッシュさん
      はじめまして
      いいねありがとうございました。
      新しい出会いに感謝します。
      はじめまして
      いいねありがとうございました。
      新しい出会いに感謝します。
      2021/12/02
    • akodamさん
      ピーチフィッシュさん、おはようございます。
      はじめまして。こちらこそ「いいね」ありがとうございます。

      私もこのご縁を大切にしたいと思います...
      ピーチフィッシュさん、おはようございます。
      はじめまして。こちらこそ「いいね」ありがとうございます。

      私もこのご縁を大切にしたいと思います。
      改めて今後ともよろしくお願いします^ ^
      2021/12/02
  • 途中から本屋さんいいなぁ〜ってなって思わず求人情報を一度開きました笑
    ストーリーは勿論フィクションですが、全国の書店で働いている方々へのリスペクトが無いとこんなに素晴らしい作品にはならないですよね。デジタルではなく紙の本の良さ、読む人の顔が見えるって重要なんですよね。今後書店で購入する際に店員さん意識しちゃいそうです。
    内容もコミカルで良いです。全体的にふんわりしてましたが、最後の大まとめで締めに締めた感じです。

  • まず 本がもっと好きになる!!
    登場人物 皆 良いキャラ(・∀・)人(・∀・)

    ずっと笑いっぱなし!!♪ヽ(´▽`)/
    いゃぁ…楽しかったぁぁ…

    息抜きしたい本好きの人は絶対オススメです!!

  • 最後の最後まで懲りずに「店長がバカすぎる」ところが面白くて、笑えました。
    この本を読んで、本屋さんに行って本の並べ方やポップなど、ゆっくり眺めてみたくなりました。

  • バカすぎるって
    書店で働く契約社員の谷原京子28歳、仕事も6年目慣れてき後輩もできて正念場。いつもイライラを抱えてるようで不満が顔にでるし、心中の毒舌ぶりは過激すぎて、親しい人には愚痴を言いまくるタイプのようで面白い。てか、店長はバカにみえて嫌悪感持ってるようだけど、結構、茶目っ気あってキラーパスしたりとわりとツボなんですが・・
    SNSでエゴサをする作者さんも、やっぱり評価気になっちゃうあたりがお茶目にみえるんですが・・
    自分の本が棚ですみっこ暮らししてたら、センターに平積みしたり、ひな壇に飾ったりして買ってねアピール全開にしたいけどww
    これまで知らなかった書店のお仕事を知ることができて新鮮でした。
    で、京子さんいつ辞めるんだろうと思ってたらドタバタしてきて惹き込まれてしまいいつのまにかゾーンに入ってました。なんだか出来過ぎなシンデレラストーリーでバカすぎな感じもするのですが伏線もスッキリ回収しながらボーナストラックまで付いてしっかり続編アピールとか凄すぎる。

  • akodamさんの感想を読んだ瞬間にAmazonでポチっていた(笑)
    最近フォロワーさんの感想を読んで、ポチりとやるパターンが多い(笑)

    フォロワーさんはたくさんの本を読まれているので、感想が大変参考になる(*^^*)

    なるほど、なるほど。
    この本は本を愛する読書好きにはとても面白い本だった。

    ライトな感じで、サクサクと読みやすい。

    私は正社員だったり、会社ではそれなりの資格を頂いていたり、しっかり賃金にも反映して頂いている為、やりがいが搾取されるという主人公に感情移入することは難しかったが、ポンコツ店長には、その空気の読めなさ感等々、笑わされた(笑)

    イノセントデイズとは全く異なる雰囲気だが、楽しく読ませて頂いた。
    私はどちらかと言うと、イノセントデイズ派かなぁ?

    • akodamさん
      bmakiさん、こんにちは!
      私のレビューがキッカケとなってお読みになられたとのことで嬉しいです。

      いやはや、表題名通りのバカ店長、笑わさ...
      bmakiさん、こんにちは!
      私のレビューがキッカケとなってお読みになられたとのことで嬉しいです。

      いやはや、表題名通りのバカ店長、笑わされますよね。

      私の中でイノセント・デイズは名作中の名作であり、未だにふとストーリーを思い出すほどです。

      そんな名作を書いた、著者の新たな一面が垣間見れた本作品を、私はやはり皆さんに『強要』したいです。

      今後ともよろしくお願いします^ ^
      2021/10/03
    • bmakiさん
      akodamさん

      素敵な本をご紹介頂きありがとうございました(*^^*)

      イノセントデイズの雰囲気とは、全く違うので驚きましたが...
      akodamさん

      素敵な本をご紹介頂きありがとうございました(*^^*)

      イノセントデイズの雰囲気とは、全く違うので驚きましたが、この店長には、笑わされました(笑)

      最初はムカムカっとくるけど、どこか憎めない、そんな人格ですね(笑)

      ありがとうございました。今後とも宜しくお願い致しますm(_ _)m
      2021/10/03
  • 偶々、本屋でもらった「ランティエ2022.7月号」で「新・店長がバカすぎて」の11回を読んでしまい、已む無く購入。カリスマ店員になりかけの谷原京子さんの心の声が激しい小説。バカすぎる店長に突っ込めず、バカすぎる小説家にも突っ込めず、後輩達の信頼を失ってしまう。結局、自分がバカすぎて、というオチになっている。本作品が本屋大賞になるという楽屋落ちのような野望も9位という微妙な位置。面白いことは面白いのだが、主人公の言動に嵌まれず。

  • すごく、すごく面白かった。
    皆さんのレビューをみて、これは読まない訳にはいかない。と思ってました。

    舞台は中規模書店、武蔵野書店・吉祥寺本店。
    主人公は28才の契約社員、谷原京子。
    早速、第一話を読み始める。

    ポンコツすぎる店長にイラッとしながら、テンポの良い文章が読みやすく、登場人物達も身近に感じて良い感じ。
    なんて思っていたら、第二話に突入する頃には、そんな事を考える暇もない程、夢中になっている自分がいた。
    とにかく、最後まで一気読みしたい作品。
    コメディだけど、ミステリー要素もチョッとあり、結末にびっくり。
    是非是非オススメです。

    • 松子さん
      えぇ!大沢作品にご興味がっ⁉︎
      うれしすぎますー(T_T)
      ブクログ始めたきっかけは、大沢作品、伊坂作品の話がしたい!だったので!
      嬉しいで...
      えぇ!大沢作品にご興味がっ⁉︎
      うれしすぎますー(T_T)
      ブクログ始めたきっかけは、大沢作品、伊坂作品の話がしたい!だったので!
      嬉しいです(^^)
      色々な情報交換したいです。
      どうぞどうぞお願いしまっす!
      2022/04/05
    • aoi-soraさん
      いえいえ、興味がありつつ、まだ読んだことが無いのです(^_^;)
      なので、どの作品から入ったら良いのかなど、教えて頂けると嬉しいです♪
      いえいえ、興味がありつつ、まだ読んだことが無いのです(^_^;)
      なので、どの作品から入ったら良いのかなど、教えて頂けると嬉しいです♪
      2022/04/05
    • 松子さん
      おすすめですか⁉︎汗汗汗
      初めて聞かれました!!
      嬉しいのと悩みましいのとで…
      どうしましょう⁉︎

      わたし…性格が大雑把でシリーズものを、...
      おすすめですか⁉︎汗汗汗
      初めて聞かれました!!
      嬉しいのと悩みましいのとで…
      どうしましょう⁉︎

      わたし…性格が大雑把でシリーズものを、途中から読んでも気にならないのですが、もしaoiさんも大丈夫でしたら、狩人シリーズの中の"冬の狩人"をおすすめします。私はこれを読んで大沢作品にはまりました。
      見た目は良くないですが、中身は最高にカッコいい佐江さんというおじさんが主役です。
      脳内プロポーズ5回済みです(^^)

      もし少し華やかな感じのハードボイルドでしたら、新宿鮫シリーズをおすすめです。
      このシリーズだと無間人形と毒猿が好きです。

      aoiさんの本棚を見ると優しい本が沢山あるから、おすすめしてもいいのかなぁとヒヤヒヤしています(^^;

      私もaoiさんにおすすめお願いしてもいいでしょうか? 読んでいて最高に楽しかった本があったら教えて頂きたいです♫

      あっ、あと良かったら"さん"無しで
      まつ、まつこ、まっちゃん、何でも大丈夫ですのでお気軽に呼んでくださいね(^^)
      2022/04/05
  • 書店員さん絶賛。そうでしょうね。書店員が主人公のお話。書店業界についての知識は深まりましたが、イマイチ人間関係が把握できませんでした。

  • このタイトルを横目で見ながら、やはり素通りはできませんでした。
    書店を舞台にした痛快コメディ&ミステリー?
    「こんな店辞めてやる!」って息巻いている中小規模店で働く契約社員のお話です。
    書店員という仕事は、物語と読者をつないでくれる素晴らしい職業。
    自分の書いた推薦コメントによって本が一冊でも多く売れるのは、本当に嬉しいことだと思います。
    幼い頃に憧れた職業につけるなんて羨ましい。
    だけど、本屋さんの裏側って大変なんですね。

    この店長って、いったい何者なんでしょう。キレ者なのかほんとうにバカなのか。
    何か出てくるんじゃないかと期待したにもかかわらず最後までこのノリで、哀愁漂うこともなく、最初から最後まで笑いっぱなしで、途中でやめられなくなって、気がついたらあっけなく終わっていました。

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著者プロフィール

1977年神奈川県生まれ。2016~2022年に愛媛県松山市で執筆活動に取り組む。現在は東京都在住。2008年に『ひゃくはち』でデビュー。2015年に『イノセント・デイズ』で第68回日本推理作家協会賞、2019年に『ザ・ロイヤルファミリー』で山本周五郎賞とJRA馬事文化賞を受賞。その他の著作に『95』『あの夏の正解』『店長がバカすぎて』『八月の母』などがある。

「2023年 『かなしきデブ猫ちゃん兵庫編  マルのはじまりの鐘』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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