あきない世傳 金と銀(十三) 大海篇 (ハルキ文庫 た 19-28)

著者 :
  • 角川春樹事務所
4.32
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758445061

作品紹介・あらすじ

宝暦元年に浅草田原町に江戸店を開いた五鈴屋は、仲間の尽力を得て、一度は断たれた呉服商いに復帰、身分の高い武家を顧客に持つことで豪奢な絹織も扱うようになっていた。
だが、もとは手頃な品々で人気を博しただけに、次第に葛藤が生まれていく。
吉原での衣裳競べ、新店開業、まさかの裏切りや災禍を乗り越え、店主の幸や奉公人たちは「衣裳とは何か」「商いとは何か」、五鈴屋なりの答えを見出していく。
時代は宝暦から明和へ、「買うての幸い、売っての幸せ」を掲げて商いの大海へと漕ぎ進む五鈴屋の物語、いよいよ、ここに完結。

感想・レビュー・書評

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  • 不満!

    ひまちゃんちょっと不満!

    というわけであきない世傳シリーズ堂々完結の巻の十三でおます!

    いやでも不満やわ〜

    タイトルの「金と銀」に込められた意味がわかるとこなんかすごく良かったんだけどね
    78くらいはあったんだけどね
    100点満点中78点?いやいや星で
    星78(だとしたら空前絶後の大満足やないか!)

    でももっとこうがっつりハッピーエンドが良かったんよ
    ハッピー不足やねん
    ちょうだい!もっとハッピーをちょうだい!

    いや分かるよ、分かる!
    惣ぼんの性格からいったらそうなるだろうな〜って、賢輔だったらその道を選ぶだろうな〜って
    でもええねん!
    整合性とかいらんねん!

    整合性よりハッピーを!(名言出た)

    とか言いながら実際惣ぼんがめちゃくちゃやさしなったら「いや、惣ぼんはそんなことしないわ、がっかりだわ」とか言うんだよね(難しい子か!)

    • 1Q84O1さん
      それはフーガ!
      「FUGA」は音楽用語の「フーガ (Fuga) 」および日本語の「風雅」から来ており、「(音楽形式の)フーガのような調和」と...
      それはフーガ!
      「FUGA」は音楽用語の「フーガ (Fuga) 」および日本語の「風雅」から来ており、「(音楽形式の)フーガのような調和」と「上品で優美さ(風雅)」という意味が込められています
      よって、ひま師匠の深呼吸「ふがぁぁぁぁぁぁー」とは大きくかけ離れています!w
      2023/11/08
    • ひまわりめろんさん
      上品で優美てわしやないかーい!
      上品で優美てわしやないかーい!
      2023/11/08
    • 1Q84O1さん
      うん…
      非常に程遠い言葉です
      うん…
      非常に程遠い言葉です
      2023/11/09
  • これは最終巻。話は13章から成る。
    なのに第9章「奈落」って何?!急急急展開よ!

    完全に油断してた。最近平和に穏やかに終わってるし、最終巻もこのまま...って。ああ、途中で読むの止められないよお。そして終わりはきちんと原点に戻り、感動の場面...。ここで涙溢れない人いないでしょー!お竹どんも泣くでしょー!

    ついに五鈴屋の皆さんとお別れの時が来た...と思ってたら、なんと続きがあるんですって。わーい♪

    あっ、この巻読んでて思ったのですが、段々巻を重ねる毎に、字が大きくなってきてませんか?気のせい?老眼に優しく寄り添ってくれてる?(笑)

  • 第十三弾にして最終巻です。

    ここにきて更に降りかかる苦難に、もう勘弁してあげて〜とハラハラドキドキ(゚-゚*;)(;*゚-゚)


    ページ残り少ないけど大丈夫か?

    惣ぼん好きなのにまさかの裏切り?
    いや惣ぼんは何かやってくれるはず…

    憎き音羽屋は失脚する?結とは決着つく?
    音羽屋に何もないはずはない…
    結とも縁を切るはず…

    もう色々考えながら目が離せない!!

    このシリーズの凄いところは
    ちょっとしたエピソード、ちょっとした会話、読んでるこちらが忘れてたような事が
    え〜っ?あれ伏線だったの?まさかこれに繋がってたの?
    と驚きと喜びで泣かせてくることです!!
    そしてこのラスト!
    あきないを成功させて天下を取る…そんな物語ならこんなに感動することはなかったです。

    最後の登場人物で思わず号泣(꒦ິ⌑︎꒦ີ)
    上手いなぁ…やってくれるなぁ…
    続けようと思えば続けられるこのシリーズは潔くこれで完結です。
    ファンの為の特別篇があるので楽しみに待ちたいと思います…だす‹‹\(´ω` )/››

    • ひまわりめろんさん
      ダメだ!もうめちゃめちゃおもしろそうやん!
      十三巻か〜
      う〜ん、う〜ん
      絶対おもしろいよな〜
      あ、でも元々9月から読み始めるつもりやったし!...
      ダメだ!もうめちゃめちゃおもしろそうやん!
      十三巻か〜
      う〜ん、う〜ん
      絶対おもしろいよな〜
      あ、でも元々9月から読み始めるつもりやったし!
      読んじゃお〜
      2023/09/04
    • みんみんさん
      ひまどん!あんさん早よ読まなあかんのとちゃいます?後回しにしてる場合ちゃいまっせ!!
      ひまどん!あんさん早よ読まなあかんのとちゃいます?後回しにしてる場合ちゃいまっせ!!
      2023/09/05
  • まだまだ今後の展開が期待できるのに、遂に完結してしまった。
    吉原の衣装比べは五鈴屋なりの揃えで良い方向へ。同時に菊栄の笄も評判となる。その勢いで二つの店が新店を開店。大評判となるが、良い話の後は突き落とされるのがこの作家の特徴か。不幸が二つの店に覆い被さる。裏にはもう一つの陰謀があるのだが、1勝一敗の結末か。戻ってこない大金の行方が気にかかる。
    前作で出た二代目吉之丞の色が遂に完成。盛大なお披露目で成功の後に大火に襲われる街。これも幸のアイデアで街全体が復興して行く。同業組合の和から街の和へ。
    小さい丁稚だった賢輔は親から「女将さんは金。賢輔は銀となり、金の側を離れずに命懸けで金を生かす努力をしろ」との言葉を守り尽くしている。江戸店も16年経ち、両者とも結構歳を重ねたが、最後はどうなるのかと考えてしまう。
    同じく新規開店時に現れた親子も良い歳頃になり、買い物に現れる姿に涙してしまう。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      浩太さん
      そうなんだ、含みを残しているのかな?
      今作を読みもしないで次回作が気になっている猫でした。。。
      浩太さん
      そうなんだ、含みを残しているのかな?
      今作を読みもしないで次回作が気になっている猫でした。。。
      2022/08/13
    • 浩太さん
      作家は続編を2冊書くと宣言されています。みをつくしは今のところ1冊ですが、こちらも欲しいところ。問題は半年に一度(2月、8月)の出版なので、...
      作家は続編を2冊書くと宣言されています。みをつくしは今のところ1冊ですが、こちらも欲しいところ。問題は半年に一度(2月、8月)の出版なので、続編を出すと連続ものが1回スキップすること。次の新作はどうなるか?
      2022/08/22
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      浩太さん
      > 続編を2冊書くと宣言
      お~!
      「みをつくし」の続編は「あきない世傳」が始まってからでしたね。気分転換するみたいな感じかな...
      浩太さん
      > 続編を2冊書くと宣言
      お~!
      「みをつくし」の続編は「あきない世傳」が始まってからでしたね。気分転換するみたいな感じかな?取り合えず待ちます。。。その前に読まなきゃ。
      2022/08/24
  • ただ金銀が町人の氏系図になるぞかし
        ーーー井原西鶴著「日本永代蔵」より

    「購入」
    江戸は浅草田原町に五鈴屋江戸本店を開いて16年。激動の店主、幸の活躍を描いた物語がここに完結します。

    幸は、吉原での衣装競べでは、僅差で音羽屋忠兵衛に負けました。女芸者の歌扇は、芸者は三味線と唄、それに踊りの修錬を重ねて、座敷を華やかに盛り立てる役回りだと。美しさ、華やかさを競い合うのが花魁で、芸の腕を磨き、精進を尽くすのが芸者。花魁が廓の花ならば、その花の美しさに芸で彩を添えるのが芸者。求められるものも担う役割も異なることを我が身に言い聞かせて芸者として吉原で頑張っていきます。

    幸は、念願かなって武家の屋敷売りを行なう拠点として、浅草田原町の江戸本店とわけて日本橋に呉服町店を開いて二年商売も軌道に乗って来た時に。音羽屋忠兵衛と五鈴屋五代目店主で、幸の前夫である本両替商「井筒屋」三代目保晴によって呉服町店を取り上げられます。

    呉服町店の元の持ち主、末広屋が、五鈴屋と井筒屋の両方に売ったが、五鈴屋の沽券状に不備があったとして。呉服町店を取得に要した資金は返って来ません。大損です。幸は、大変な損害を受けましたが、浅草田原町の五鈴屋江戸本店で頑張っていきます。
    本両替商の日本橋音羽屋忠兵衛は、謀書謀判(ぼうしょぼうはん)の罪で闕所になって江戸を出て行きます。そして幸の実妹で音羽屋忠兵衛の妻の結が、罪人になった亭主を見捨てず、共に生きゆくと決意します。

    幸は、姉妹ともに40を超えた。この先、再びまみえる日が訪れるか否かわからない。お互いに、残る人生を悔いなく、ひたむきに生きれば良い。と、幾度も自身に言い聞かせて、幸はそっと胸に仕舞います。

    【読後】
    激動の幸の40年に及ぶ人生が走馬灯のようによみがえってきます。本当にこの物語は、幸に、試練に次ぐ試練を課し、その試練を知恵と、周りの人達に助けられて乗り越えて行きます。展開が早く、次から次へと問題が起こる中で、慎重に考えて知恵をめぐらして打開していきます。本当に素晴らしい経営者です。巻末にこの物語を書くきっかけになったのは「いとう呉服店」(のちの松坂屋)十代目店主の宇多という女性だと書かれています。
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    大海篇 ー あきない世傳 金と銀シリーズの13作目《完結編》
    2022.08発行。字の大きさは…小。2022.10.07~08読了。★★★★☆
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

  • シリーズ13 大海篇 完結編

    実の妹の裏切りに会い、呉服商いが絶たれたが、太物商として、息を吹き返した五鈴屋。

    問屋仲間の知恵と寛容と和そして、尽力により、呉服商いに復帰できた。

    藍染の浴衣地、力士の名入り浴衣地、呉服切手と、順調に商いを伸ばして行った五鈴屋。

    吉原における、衣裳競べでは、吉原最初の女芸者「歌扇」に着せて、望んだが、音羽屋に敗れた。
    敗れはしたが、旗本家から、嫁荷の打診が有り、屋敷商いを専らとする新店が必要となる。

    呉服町に新店を出して、2年後。
    思いもかけない人の裏切りを受け、店を開け渡す事となる。

    後の世に伝えられるような商いの橋を架けたい。
    誰の精進も無駄にせず、利を貪らず、求める人のもとへ、吟味した品を届ける。
    「買うての幸い、売っての幸せ」を掲げて商いの大海へと漕ぎ進む幸始め、五鈴屋の奉公人達。

    これで、完結となるが、特別巻が2冊出ると言う。
    特別巻で、五鈴屋の面々に会えるのが、楽しみ。

    • shukawabestさん
      こんばんは。shukawabestです。
      特別巻の上巻「契り橋」、思わず買ってしまいました。すぐ読むのはあまりにもったいない気がするので、積...
      こんばんは。shukawabestです。
      特別巻の上巻「契り橋」、思わず買ってしまいました。すぐ読むのはあまりにもったいない気がするので、積読して眺めて、来年の春、読もうと思っています。
      いつも「いいね」ありがとうございます。今後もよろしくお願いします。
      2023/12/25
    • マミさん
      コメントありがとうございます。
      高田郁さんは、私も好きな作家さんです。
      最近、この作品が、ドラマ化されましたね。
      そちらも、楽しみに観ていま...
      コメントありがとうございます。
      高田郁さんは、私も好きな作家さんです。
      最近、この作品が、ドラマ化されましたね。
      そちらも、楽しみに観ています。
      こちらこそ、これからも、よろしくお願いします。
      2023/12/26
  • シリーズもいよいよ最終巻…とうとう終わってしまった。

    「航海には嵐が付き物、この先、幾たびも容赦なく嵐に襲われるでしょう。けれども、何度でも乗り越えてみせよう、と存じます」
    幸の言葉通り、この最終巻に至るまで容赦のない大嵐荒波に幾度叩きのめされたことだろう。これでもかこれでもか、とそれはもう嫌になるほど。どこまで落とせば気が済むのか、とこの六年半もの間ヤキモキしたりハラハラしたり。

    けれど一度も投げ出すことなく、逆に絆を深め縁を広げ、より強くなって高みを目指し、前へ前へと突き進む五鈴屋のみんなからいつも勇気をもらえた。
    ラストを飾り涙を誘った母娘のように、夢を叶えようとするお客がいる限り五鈴屋の物語は永遠に続くと信じて、特別巻の発売を心よりお待ちしております。
    幸と〇〇のその後の展開もすこく気になるし。。
    あと蛸と結のその後もね。。

    それにしても、あの幸に実在するモデルがいたなんて。最後に種明かしするとは、髙田先生のニクイ演出に、幸のこれまでの半生を改めて思い起こし物語の余韻にひたった。
    そんな髙田先生の新たなシリーズものも楽しみに待ってます。

  • 波瀾万丈。

    見方によってははちゃめちゃなストーリーだが、「暖簾を守る」というのは、江戸時代の商家にとって最上位に掲げられるものだったのだろう。

    ストーリーは、
    貧しい郷里の村、兵庫県の津門村から、口減し・女子衆(おなごし)として、大阪天満橋の呉服店「五鈴屋」に出された10歳の少女・幸(さち)が、「知恵」への執着を胸に、周囲から認められ、底辺から這い上がって行く半生の物語。

    商売、笑って勝ちに行く、との言葉が多用されるが、底に流れる義理人情を中心に据えた富久や幸の人間味を存分に感じさせる振舞や決断が胸を打つ。

    11月中旬から今まで、僕の自由な時間は、このシリーズを読破するためだけに使われていた感じ。

    本屋、図書館、駅、自宅・・・さまざまな場所で読みながら涙腺崩壊していたため、通りすがりの人たちからは、かなり「変なおじさん」に見えたことだろう。

    ①源流篇、②早瀬篇、③奔流篇、④貫流篇、⑤転流篇、⑥本流篇、⑦碧流篇、⑧瀑布篇、⑨淵泉篇、⑩合流篇、⑪風待ち篇、⑫出帆篇、⑬大海篇

    計13巻。

    尚、特別巻(スピンオフ作品)として2巻、「契り橋」が発売中で、もう1冊が発売予定。

    僕は、13巻を読んで初めて、題名の「金と銀」の指すところの意味を理解した。

    そして、終わり方もこの作品の主題を象徴しているようで、とても良かったです。

    商いの真髄や人情話に興味や嗜好がある方にはオススメ。

    ドラマ化に先々週気づきました。

    僕はテレビを観る習慣が全くないですが、ドラマの方もいい仕上がりになっていることを願うばかりです。

  • 終わってしまったよー(´Д⊂グスン

    高田郁さんのファンで、彼女の本はもれなく読んできました。
    このシリーズもワクワク、本屋さんからの帰りも早く読みたくって……

    やわらかくラストを迎えたけれど、色々ありましたねえ。
    流れに逆らわず、でもしっかりと考え信念をもって大海の荒波を乗り越えていく幸に拍手です

    あと二冊、外伝がでるようなので首を長くして待っています。
    長い間楽しませてくださって、ありがとうございました。

    ≪ 乗り越える ひとりではない 大海へ ≫

  • 2022年8月ハルキ文庫刊。書き下ろし。シリーズ13作目にして完結編。思わせぶりな会話があり、少しはらはらしたが、そうでもない展開で、大団円。賢輔が言う「金を生かす銀になる」がタイトルに繋がり納得。五十鈴屋出世双六が楽しい。

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著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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