英文法総覧 大改訂新版

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  • 開拓社
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  • Amazon.co.jp ・本 (888ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758910255

作品紹介・あらすじ

「英文法総覧」は「英語の文法の全体を残らずご覧にいれる」という意味である。英文法の間口は時代と共に広くなり、奥行きも深くなっている。英語学という学問の景色も大きく変わった。音声学、形態論、統語論が中心であった英語学・英文法の学問分野が意味論を含むようになり、語用論や言語文化までも取り込み守備範囲を広げて深化を続けている。ことばが人間の認知を反映する仕組みが、いま解き明かされようとしている。

本書は、1996年に刊行した 『英文法総覧[改訂版]』 の大改訂新版です。

感想・レビュー・書評

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  • 「英語の面白さは細部にこそ宿っている」

    なるほど。英文法をしっかり勉強しよう。

    *****
     英語を日本語に訳すとき,逆に日本語を英語に訳すとき,英和辞典や和英辞典のように二つの言語が直接対応するように並んでいる様子を思い浮かべるかもしれないが,それは間違いである。英語と日本語との関係は,そのような英語の表現が用いられる状況を思い浮かべて,その状況であれば日本語ではどのような表現を用いるのかを,全人生をかけて考えることである。その英語の文を発した人の気持がストンと腑に落ちたとき,その状況で日本語ではどう言うかと自由に考えてゆくことになる。その気持ちを何通りにも表現できるようになってはじめて,英文の正しい理解へ近づいていくことになる。英語と日本語を直接結びつける三角形の底辺に当たる対応関係は,求めても最初から存在しないのである。英語から日本語でも,日本語から英語でも,三角形の頂点に上って降りる,上がって降りるという作業が常に必要となるのである。
     英文が本当に理解できたかどうかを知る手立ては,何通りにも約仕分けられるるかということしかない。いくつもの表現がどんどん出てくれば,深く理解しているということになるが,逐語訳しかできなければ,ほとんど理解ができていないことになる。(pp.19-20)

  • 【書誌情報】
    『英文法総覧[大改訂新版]』
    著者:安井稔、安井泉
    ISBN:978-4-7589-1025-5
    発売日:2022年10月14日
    定価:7,260円(税込)
    版型:A5・888頁
    出版社:開拓社

     「英文法総覧」は「英語の文法の全体を残らずご覧にいれる」という意味である。英文法の間口は時代と共に広くなり、奥行きも深くなっている。英語学という学問の景色も大きく変わった。音声学、形態論、統語論が中心であった英語学・英文法の学問分野が意味論を含むようになり、語用論や言語文化までも取り込み、守備範囲を広げて深化を続けている。ことばが人間の認知を反映する仕組みが、いま解き明かされようとしている。
     本書は、1996年に刊行した 『英文法総覧[改訂版]』 の大改訂新版です。
    [http://www.kaitakusha.co.jp/book/book.php?c=1025]

    【目次】
    序論 英文法の世界へのいざない

    Part I 文(Sentence)
    第1章 文(Sentence)
    第2章 主語(Subject)
    第3章 文型(Sentence Patterns)
    第4章 目的語(Object)
    第5章 補語(Complement)
    第6章 修飾語句(Modifier)
    第7章 文の種類(Kinds of Sentence)

    Part II 品詞(Parts of Speech)
    第8章 名詞(Noun)
    第9章 代名詞(Pronoun)
    第10章 形容詞(Adjective)
    第11章 冠詞(Article)
    第12章 副詞(Adverb)
    第13章 動詞(Verb)
    第14章 助動詞(Auxiliary Verb)
    第15章 接続詞(Conjunction)
    第16章 前置詞(Preposition)

    Part III 準動詞(Verbals)
    第17章 不定詞(Infinitive)
    第18章 分詞(Participle)
    第19章 動名詞(Gerund)

    Part IV 関係詞(Relatives)
    第20章 関係代名詞(Relative Pronoun)
    第21章 関係副詞(Relative Adverb)

    Part V 構文(Sentence Construction)
    第22章 時制(Tense)
    第23章 態(Voice)
    第24章 仮定法(Subjunctive Mood)
    第25章 話法(Narration)
    第26章 比較(Comparison)
    第27章 否定(Negation)
    第28章 動詞を中心とする構文(Verb Pattern)
    第29章 名詞を中心とする構文(Noun Pattern)
    第30章 形容詞を中心とする構文(Adjective Pattern)
    第31章 一致(Agreement)
    第32章 形式語it, there(Formal "It" and "There")

    Part VI 修飾語句(Modifiers)
    第33章 形容詞的修飾語句(Adjectival Modifier)
    第34章 副詞的修飾語句(Adverbial Modifier)
    第35章 副詞節と副詞句(Adverbial Clause and Adverbial Phrase)

    Part VII 情報構造(Information Structure)
    第36章 文の主題と情報構造(Theme and Information Structure)
    第37章 強調(Emphasis)
    第38章 省略・挿入(Ellipsis and Parenthesis)
    第39章 展開形と圧縮形(Expansion and Compression)
    第40章 統語論と意味論の図像性(Semantics and its Syntactic Iconicity)
    第41章 レトリック(Rhetoric)

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著者プロフィール

1921年、静岡県生まれ。1944年、東京文理科大学英語学英文学卒業。東京教育大学教授、東北大学教授、筑波大学教授、芦屋大学教授、静岡精華短期大学学長を歴任。静岡精華短期大学名誉学長、東北大学名誉教授、文学博士。

主な著書: 『英語学研究』(1960)、Consonant Patterning in English(1962)[以上、研究社]、『構造言語学の輪郭』(1963)、『英語学の世界』(1974)、『新しい聞き手の文法』(1978)[以上、大修館書店]、『英語学概論』(1987)、『英語学史』(1988)、『納得のゆく英文解釈』(1995)、『英語学を考える』(2001)、『仕事場の英語学』(2004)、『英語学の見える風景』(2008)、『「そうだったのか」の言語学』(2010)、『ことばで考える』(2013)、『英語とはどんな言語か』(2014)、『知っておきたい英語の歴史』(共著、2014)、『英語クラスターハンドブック』(共著、2017)[以上、開拓社]、など。ほかに、翻訳書、編著が多数ある。

「2022年 『英文法総覧 大改訂新版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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