女の背ぼね

著者 :
  • 海竜社
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本棚登録 : 15
感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784759310528

感想・レビュー・書評

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  • ドンピシャ40代になり、読んでみたいと思って手に取った本。エッセイは苦手意識があったけど、読めるようになってきたのも年を重ねてきたせいかしら。なるほどと思える部分もそれはちょっとと思う部分も。それがエッセイのいいところだよね。とてもさっぱりとしていて読みやすいエッセイ集でした

  •  贈り物はその人柄を現すもの。贈り物は人なり。文は人なり。料理も人なり。確かに、そうですね。私は、今は、自然体を心掛けていますがw。佐藤愛子「女の背ぼね」、2009.2発行。冬の花は少ないですね。今は水仙が見頃でしょうか・・・。先日、アリッサムを2鉢買って玄関に。もっとも、花は人のために咲くのではなく、自分自身のために咲いているのですが(^-^) さりげなく咲いている風情が好きです!

  • 佐藤愛子さんのエッセイ「こんな幸福もある」「こんないき方もある」「こんな考え方もある」・・・といった「こんな~もある」シリーズ。
    そこから抜粋し再編集された本です。
    佐藤愛子さんが40代後半から70代はじめに書かれたもので、「幸福について」「夫婦関係」「親として」「老いとして」といったテーマについて、それぞれの年代に書かれたエッセイが載っています。

    40代で書かれたエッセイはどちらかと言うと真面目でスッと背骨が伸びた感じ。
    まるで背中に定規を入れたような・・・。
    それが50代、60代・・・と歳をとるにつれて丸みを帯びていっているという印象をもちました。

    今回も色んなエピソードが載っていて、例えばファンの方から朝4時に並んで買った柏餅をもらって涙が湧き出そうになった話とか、ファンの高校生が母親が厳しいという事を書いたファンレターに返事を書いたという話とか、これだけの有名作家なのに親しみやすい人だな~、いい人だな~と思いました。
    佐藤愛子さんは北海道に別荘を持っていて、地元の漁師さんたちと親しいつきあいをしておられます。
    女流文学賞を受賞した時、その漁師さんの一人が祝ってくれた。
    その際、「偉くならないでくれな・・・あんまり」と言われ、その『正直な直情溢れる言葉』に心を打たれたという話も良かった。
    私もそういう言葉にはジンとなるだろうな・・・と思った。

    今回の本ではこの言葉が印象的でした。
    『人の好き嫌いの殆どは、相性というものだと私は思っている。相性が悪いということは、感受性が違うということだ。多くの人に好かれる人は一般向きの感性の持ち主だともいえるのではないだろうか。個性が強い人は人から好かれる率は低いかもしれない。しかしだからといってその個性を殺して、人に好かれるように努力しなければならないというものでもないと私は思っている。好かれるためのとってつけたような努力をわざとらしく感じて疲れる人もいる。
    「ありのままでいいんですよ。あなたの自然でいいんですよ。人生経験を大切にしていれば、自然に魅力がそなわってくるものですよ」
    と私はいいたい。』

    歳をとってスッと伸びた背筋が自然に猫背になっていく。
    その猫背なエッセイも愛しいと感じる本でした。
    ただ、作者本人もまえがきで書かれているように、時代のうつり変わりにより主義主張が古く感じるものもあり、「ふーん、こんないい分が通用していた時代があったのねえ・・・」くらいで読んでいただければ、との事です。

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著者プロフィール

大正12年、大阪生まれ。甲南高等女学校卒業。昭和44年、『戦いすんで日が暮れて』で第六十一回直木賞を受賞。昭和54年、『幸福の絵』で第十八回女流文学賞を受賞。平成12年、『血脈』の完成により第四十八回菊池寛賞、平成27年、『晩鐘』で第二十五回紫式部文学賞を受賞。平成29年4月、旭日小綬章を授章。近著に、『こんな老い方もある』『こんな生き方もある』(角川新書)、『破れかぶれの幸福』(青志社)、『犬たちへの詫び状』(PHP研究所)、『九十歳。何がめでたい』(小学館)などがある。

「2018年 『新版 加納大尉夫人 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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