頭の中は最強の実験室: 学問の常識を揺るがした思考実験

著者 :
  • 化学同人
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  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784759815238

作品紹介・あらすじ

歴史に残るさまざまな分野の思考実験の意味やその学問背景などを、イラストを用いながらわかりやすく紹介。思考実験ならではのおもしろさと知的興奮を味わってみよう。

感想・レビュー・書評

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  • はじめに ~そもそも思考実験とはなにか?
    ◆PART1 頭の中だからこそできる! これぞ真骨頂の思考実験
    1.トロッコ問題と臓器くじ ~1人を助けるか5人を助けるか!?
    2.ゼノンのパラドックス ~時間・空間は無限に分割できるか!?
    3.ガリレオの思考実験 ~相手の主張を取り入れるふりをしてやっつけろ!
    ◆PART2 人間と世界の存在を根底から問う! 哲学・世界観の思考実験
    4.転送機問題 ~瞬間移動したあなたは元のあなたと同一人物か!?
    5.マリーの部屋と哲学的ゾンビ ~クオリアとは何か?
    6.チューリングテストv.s.中国語の部屋 ~コンピュータは知性をもつことができるか!?
    7.水槽の中の脳と世界5分前創造仮説 ~この世界が夢でないといいきれるか!?
    8.宇宙のファインチューニングから眠り姫問題へ ~宇宙はなぜ奇跡的に人類誕生に都合がよかったのか!?
    ◆PART3 確率と可能性のロジックを探る! 数学・論理の思考実験 
    9.ギャンブラーの誤謬 ~奇跡がそんなに続くはずはないか!?
    10.モンティホール・ジレンマと3囚人問題 ~どちらが得か考えてみよう!
    11.ニューカム問題と囚人のジレンマ ~現在の行いで過ぎ去った過去を変えられるか!?
    12.4枚カード問題とヘンペルの室内鳥類学 ~法則が成り立つ例より成り立たない例がたいせつ!?
    13.ケインズの美人投票ゲームと性淘汰 ~みんなが選びそうなものを選ばないと!
    ◆PART4 自然の摂理とミクロの世界に迫る! 物理学・量子論の思考実験
    14.マックスウェルの悪魔 ~取り返しがつかないことを元に戻せるか!?
    15.ニュートンのバケツとマッハのバケツ ~どちらが回っているの!?
    16.光速度のパラドックス ~アインシュタイン16歳の思考実験から特殊相対性理論へ!
    17.加速するエレベーター ~加速度と重力は同じなんだ!
    18.ハイゼンベルクのγ線顕微鏡 ~量子力学の不確定性がもつ本当の意味とは!?
    19.シュレディンガーの猫とウイグナーの友人 ~生きているのでも死んでいるのでもないというのはどういうこと!?
    20.EPRの思考実験とベルの不等式 ~量子力学は不完全なのか!?
    おわりに ~あなたも思考実験してみよう!

  • 「100の思考実験」から掘り下げるため読了。
    有名な問題を少なく深く扱ってるイメージ。
    後半は物理の話が混じったものもあって一読目だと理解度70%くらい…?
    分かりやすい例え話よりも理論を優先して理系的な観点で解説しているものが多かったので、深く知りたい問題が既に決まっている場合の資料としてはちょうどいいかもしれない。
    ランナウェイ仮設は初めて知って楽しかった。

  • 思考実験のいろいろなパターン、物理学、確率論、実証方法論、政治哲学、人工知能、心の問題などを述べてます。
    せっかく読んでも、頭が良くなった気がしないのはなぜだろう。

  • ●結構知っている思考実験がたくさんあった。けれど、その思考実験を行うことの意味については知らなかったので、新しい発見があった。

  • 某編集者に贈っていただく。本書で取り上げられている思考実験は60弱で、『100の思考実験』より少ないが、その分よく分析されている。「はじめに」の思考実験の意義や分類もよくできている(それに比べると『100の思考実験』の最初に書かれている思考実験の意義は適当すぎるだろうと思う)。ブックガイドや索引も充実している。
    たとえばChalmersの哲学的ゾンビについて両方の記述を比較すると、『100』では思考実験のエッセイ的な簡単な解説があるだけだが、『頭の中』ではChalmersの紹介、この思考実験の意義などがクオリア関連の他の思考実験を含めた文脈の中で丁寧に説明されている。
    というわけで、贈ってもらったからというわけでもないが、よくできている本。お金があれば両方買うのがよいでしょう。

  • 有名な思考実験20件が紹介されている。トロッコ問題や臓器くじ、アキレスと亀、ガリレオ、転送機問題、マリーの部屋と哲学的ゾンビ、チューリングテストと中国語の部屋、水槽の中の脳と世界5分前創造仮説、ファインチューニング、ギャンブラーの誤謬、モンティホールと3囚人、舌切り雀、ヘンペルの室内鳥類学、ケインズの美人投票、マックスウェルの悪魔、ニュートンのバケツとマッハのバケツ、シュレディンガーの猫などなど。

  • 最終章の相対性理論に期待して読み始めた。

    しかし、確率の計算方法やその考え方も面白かった。学校教育での確率計算でよく解答と異なることがあったが、それは必ずしも間違いではなかったように思った。数学教育において重要な考え方がと感じた。

    相対性理論に関しても、今まで読んだものと異なる視点からみることができて勉強になった。物理学や数学は脳内実験ができてうらやましい。

  • 哲学、倫理、物理、量子論、数学などで行われる思考実験を紹介。すごく面白かった。個人的には哲学の思考実験が好き。ある程度は専門的な知識がないとわかりづらいのもあるが思考実験って何?という方には非常に良書だと思います。それにしても思考実験を考える人の思考ってどんな風になっているんだろう。ただただスゴイの一言です。

  • 久々、論理的な頭を使った。初歩には丁度良い。

  • 思考実験という何も道具のいらない実験で多くの事が解明され、思考されてきた事に驚く。人は自分の脳みそだけでここまで色々な事を考え、発見していく事ができる事に感心。

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著者プロフィール

慶應義塾大学大学院工学研究科博士課程修了。工学博士。家業の旅館経営と慶應義塾大学研究員を経て、1987年~2002年同大学非常勤講師。1991年、静岡理工科大学設置準備室を経て、同大学理工学部講師に着任。現在は同大学情報学部講師。専攻は科学哲学、科学基礎論、物理学。著書に『頭の中は最強の実験室』『シュレーディンガー方程式入門』、訳書に『数字マニアック』(いずれも化学同人)がある。


「2022年 『思考実験 科学が生まれるとき 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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