三びきのやぎのどんけろり

著者 : マック・バーネット 青山南

• 化学同人 (2023年3月10日発売)

作品紹介・あらすじ

あるところに橋がありました。橋のしたには、お腹を空かせた恐ろしいトロールがすんでいます。三びきのやぎのどんけろりは、その橋をわたろうとしていました。トロールは、やぎをどう料理するかで頭がいっぱい。欲を出して、「もっと大きいやぎが食えるなら」と、一番目、二番目のどんけろりを見逃します。ところが、待ちわびた三番目のどんけろりが姿を現すと…。

感想・レビュー・書評

[fukayanegiさんの感想 · 2023年9月10日]

200年以上も前からノルウェーで語り継がれているという『三びきのやぎどんけろり』。
語る人が変わる度、いろいろな話が付け加えられたり、捨てられたり。
本書はその物語のマック・バーネット＆ジョン・グラッセン版とのこと。

橋の下に住むトロールは食べることが生きがいだが、さいきん食べたのは革の靴とじぶんのへそのぐしゃぐしゃしたゴマだけでお腹ぺこぺこ。
そこへやってきた一匹のヤギ、一ばんめのどんけろり。
「だれだ、おれさまの橋をわたろうなんてやつは？」と今にも食べてやろうとばかりに詰め寄るが、どんけろりは「ぼくなんかじゃものたりないでしょう！」「まもなくにいさんやぎがきます。ぼくなんかよりはるかにふとっていておいしいですよ」とするりとかわす。

そこからは「三びき」が象徴する、やりとりの繰り返しが始まるわけだが、三ばんめんのどんけろりが規格外。
トロールはあえなく撃沈。
おおいそりゃないだろーって感じのトロールの気持ちが読めるほど。

お話のオチもさることながら、絵のカット割が大胆でダイナミックで面白い。

元は『三びきのやぎがらがらどん』というタイトルなのを、ブクログ登録後知った。

[☆ベルガモット☆さん · 2023/09/10]

fukayanegiさん、おはようございます

ノルウェーの絵本素敵ですね♪
いつもの読み聞かせではないのでしょうか？
（お子さんたちの反応がしりたいところです）

[fukayanegiさん · 2023/09/10]

ベルガモットさん

コメントありがとうございます！
この本も読み聞かせしましたよー。
でもなんか取り立てて特徴的な反応はみせていなかったような、、、

どちらかというとこの本は、ダイナミックな場面展開の絵に自分の方が夢中だった気がしますw
大人目線でも十分楽しめた一冊です。

[サクさんの感想 · 2023年3月31日]

橋の下で獲物を待つトロール、そこを通り掛かるやぎのどんけろり。さて、やぎは食べられてしまうのか？
絵は幻想的でお話は怖くて、強く心に残る絵本でした。何度も見てしまうな。怖いもの見たさかな。

[海と青硝子さんの感想 · 2023年12月20日]

かの名作「がらがらどん」と共通のルーツを持つ民話を、バーネットとクラッセンが絵本にしたら、こうなっちゃったわけですか！　キャラクターたちの目が妙に冷ややかで、ガイコツとかも相俟って、昔話のグロさを漂わせつつ、笑ってしまうラストです。

[いけだ@翻訳さんの感想 · 2023年4月29日]

ある橋の下にトロールがすんでいて、橋を渡ろうとするものをつかまえて食べようと待ちかまえていました。そこにいっぴきのやぎが通りかかって……。

『３びきのやぎのがらがらどん』の再話。マーク・バーネットの語りが前書きから面白いし、それがクラッセンの絵とぴったりあっている。基本のストーリーは同じなのに、そこにされた肉付けが、ユニークでわらってしまうポイント。こわそうなトロールなのに、にくめない。おなかがすきすぎて食べ物の話になると語り過ぎちゃうところがいい。

[じじさんの感想 · 2023年11月8日]

9'30"

さんびきやぎのがらがらどんを
ジョン・クラッセンが描くとこうなる。
パロディーかと思いきやそうではなかった。

昔話はお話する人によって
少しずつ変わったりするもんだと
前書きにあり。

娘はパクリやんって。

[ころころさんの感想 · 2023年7月22日]

がらがらどんが最強の格闘家なら、どんけろりは最強の生物。

[錠前さんの感想 · 2023年7月15日]

がらがらどん　を違う作家が書いた絵本
絵も話も好きだったけど、いくらトロールとはいえ、へそのごまを食べたりする表現があるのは、あまり子供に読み聞かせたくはない。

がらがらどんはヤギが主役という感じだが、
こちらのどんけろりは、トロールが主役みたいな感じがした。

トロールが愛嬌もあるだけに、なんだか最後も可哀想でした。

[からあげさんの感想 · 2023年6月16日]

トロールがかわいい（かわいそう笑）と感じる素敵なアレンジ。流石のコンビ。

[eu_rasiaさんの感想 · 2023年5月25日]

がらがらどんという有史に残る傑作絵本に挑むとは、と読みました。がらがらどん（大）が暴風雨のような荒々しさを見せるのに対し、どんけろり（三ばんめ）は夢枕獏の小説に出てくる強い男のような風通しのいい気風でそれでいて別種の圧倒的暴。よかった。トロルも可愛い。

[unknownさんの感想 · 2023年4月30日]

トロール、3番目はすごく大きい

著者プロフィール

アメリカ生まれの絵本作家。ポモナ・カレッジ卒業後、ジョン・クラッセンとのコンビで発表した『アナベルとふしぎなけいと』でボストン・グローブ・ホーンブック賞を受賞。同作と『サムとデイブ、あなをほる』でコールデコット賞オナーブックに二度選ばれている。ほかに『サンカクさん』『シカクさん』など。

「2019年 『めを　とじて　みえるのは』 で使われていた紹介文から引用しています。」