サイコブレイカー

  • 柏書房
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感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784760135578

感想・レビュー・書評

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  • 最後の教授によるパトリックとリュディアへの講釈があったため読後、理解できたけれど、フィツェックの張り巡らせたあらゆる仕掛けにまた、翻弄させられました。講釈、ではなく「カルテ」を読ませるという実験・…だそうで。
    理解?いえやっぱり理解はできていません。

    精神を破壊させるという犯人の意図が種明かしされると納得できましたが、その過程は怖い。
    次々と人が消えてゆく、壊れてゆく様はまさしく、サイコスリラー。
    ただ、前3作に比べてドキドキ感が無かったのは驚かされるぞぉ
    と構えすぎていたからなのでしょう。

    次、これを読む方(貸す予定あり)付箋紙ははがさないでね。

  • 「『そして誰もいなくなった』病院版」

    <マイ五ツ星>
    仕掛け:★★★★★

    <あらすじ>-ウラ表紙より
    犯行は、クリスマスイブの前夜に再開された。現場は、ベルリン郊外の精神病院。若く美しい精神科医が何者かに襲われ、サイコブレイカーの被害者に似た状態で発見されたのだ。その数週間前から、若い女性の精神だけを次々と破壊する事件が勃発、その犯人は<サイコブレイカー>と呼ばれ、住民に恐れられていた。猛吹雪で閉じ込められた職員と患者たち。彼らは団結して身を守ろうとするが、一人、また一人と姿を消していくのだった。しかし、この事件そのものが、実はある心理学実験のためのカルテに書かれた物語なのだ。必然的に実験に参加してしまう読者、最後に明かされるその本当の目的とは……仕掛け満載のノンストップ・サイコスリラー。

    <お気に入り>
    「ヤスミン、あんたの言うとおりかもしれない。でも、こんな詩を知ってる?決断を誤るとこうなる、って詩なんだけど?」
     (中略)
    「こんな詩なんだ。
     そうかしら?
     違うかしら?
     そうかしら?
     違うかしら?
     そうかしら?
     違うかしら?
     そうかしら?」
     ほんのちょっと間を置いてから、彼は言った。
    「もう遅い」

    <寸評>
    某SNSの読書友のオススメ本。

    俺としては本当に珍しい海外ミステリー。
    (ちなみに現在二千冊ぐらいの蔵書のうち、現代の海外モノは十冊ちょいだった…)
    中学時代はルパンやホームズを読破したりしたのに、いつの間にか、という感じ。
    おそらく翻訳にあれこれ思うようになったからだろう。
    英語にしろドイツ語にしろ、SVの文構造は日本語の叙述に合わない。主述がキッチリと揃った文が続いた日本語は、どうしても堅苦しくなるのだ。
    だから翻訳に際しては、訳者がしっかり内容を飲み込み、自分で一から自然な日本語小説を創るイメージで翻訳すると上手くいく(…と思う)。
    この点に優れるのが実は児童文庫である。
    細かな内容よりも、物語世界に惹き込むことを主眼に置いているからだろうか、実に読みやすい、自然な日本語である。
    …何様というか、まぁいかにも国語の先生っぽい話になったが、せっかくの機会、これからは海外文学にもどんどん手を拡げていきたい。

    さて、本題。(いや~長くなった…)
    本作は、雪で閉ざされた森の中の小さな病院で、次々に起こった連続殺人の記録(あるいは物語)を、大学の心理学ゼミの実験教材として読ませているというお話、それをさらに読者である我々が外から俯瞰しているという二重構造をとっている。
    (なんとページ数も二重に設定してある!)

    ……ということは、我々読者も実験教材を読む、すなわち実験に参加しているのだ。

    本編の実験台は今風の大学生の男女、そこに立ち会うのは一人の初老の教授。最後まで休むことなく読めば200ユーロ(3万円弱)の報酬が得られるという、一見「オイシイ」実験である。
    ところが、冒頭から陰惨な場面に出くわした大学生たちは、空恐ろしいものを感じて次々と脱落してゆく。結局残ったのは2名の男女。彼らが読み進めていく記録、それは……。

    <あらすじ>で挙げた「サイコブレイカー」なる凶悪犯が次々と若い女性を襲う。そしてそこに必ず残される、謎々を書いた一通のメモ。なぜ犯人は被害者を「殺さない」のか、犯人の意図は、謎々の目的とは?
    そして、「実験」の真の目的とは……?
    読者の我々に対する実験の結末は……?

    本作にはさらに一つの付箋が挟み込まれている。著者の遊び心である。なるほど、著者近影には、いかにもインテリな、それでいて「遊び」の解る、オトコマエなドイツ人著者の姿がある。

    翻訳もなかなかに読みやすく、「恐いけど楽しめる」作品であった。
    謎々は…著者のヒントなしには解けませんでした(笑)。

  • 面白かった。
    物語の背景、登場人物の関係性の一部は察しがついたが、あれがそれにこう関わっていたとは。

  • これはやり過ぎ。
    めちゃくちゃでウザい感じ。完璧にホラーって感じなのかな。 下品に感じた。

  • ベルリン郊外の精神病院 
    カスパル:記憶喪失患者(本名、ニクラス・ハーバーラント)
    ソフィア:精神科医

    スピードよく読めた 
    やっぱ、S・フィツェックの訳は赤根洋子が読みやすい 
    この付録(黄色の付箋にアドが書いてる)めっちゃいいと思います! 
    でも私にはとてもじゃないがメール送る勇気ないよ~w 

  • 「治療島」と同じ作者だったので。

    この作者には治療島でだまされた(?)ので、
    今回は用心していたのか、それほど意外な展開ではなかった。

    物語を心理的実験のカルテにするという入れ子の構造は必要だったのだろうか?
    読者が参加させられてしまう、という手口にもとくに感心も、驚きもなかった。
    もともとは付箋がついていたらしいが、それは面白いかも。

  • 雪に閉じ込められた建物、しかも精神病院、残された謎の手記、もろ本格ファン好みの設定。真相の意外性はこの作者にしては、まあまあかな。謎を残したまま終わるって、最近のミステリの流行りか。

  • 難しかったけど、初めての展開の小説!

    こんな本に又巡り会いたいな!

  • 途中で断念

  • なかなか面白かった。
    付箋のアドレスにメールしたところ、ちゃんと返信があったよ。

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