古文書くずし字見わけかたの極意

著者 :
  • 柏書房
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本棚登録 : 74
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784760142514

作品紹介・あらすじ

大人気の古文書講師・油井宏子先生が伝授する、くずし字判読の秘伝の数々。初学者・入門者でも、スラスラと読めるようになる魔法の一冊が誕生。くずし字を上下・左右に分解する目を養うことで、だれもが一五〇年以上前の文字に親しむことができるようになります。

感想・レビュー・書評

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  • かなに関してのくずし字初心者向け書物はいろいろあると思いますが、漢字のくずし字の初心者向け書物としてはこれが導入書として好ましいのではと思いました。
    「見わけかた」つまり「似ている字」同士を付き合わせてどこが違うのかを学ぶのもあるのだが、それに加えて「同じ文字でもくずし方でこれだけ変わる」ことについても繰り返し詳しく説明されているのがとても良いと感じました。
    その見わけ方についても、まず「くずし字の部首が分かる」ように学習し(第二章)、次に「似ている部首の優先度」が示され(第三章)、また漢字のパーツのくずし方を紹介し(第四章)、それでも見わけが付かないけど古文書に頻出する漢字をリストアップする(第五章)、という順序で徐々に進んでいきます。
    第二章から第五章までの目次をリストしておきます。丸括弧はその節の要約です。

    第二章 部首から漢字を読む
     第一節 上下・左右などの部分に注目しよう
     第二節 「くずし字字典」や「漢和辞典」を活用しよう
     第三節 「部首」を手がかりに
    第三章 似ている部首を知っておこう
     第一節 「てへん⺘」と「きへん⽊」
     第二節 「さんずい⺡」「にんべん亻」「ぎょうにんべん⼻」
     第三節 「ごんべん⾔」と「あしへん⾜」
        (⾜は「路跡踏踊距」ぐらい)
     第四節 「しんにょう⻌」と「えんにょう⼵」
        (⼵は「延廻建廷」ぐらい)
     第五節 「りっしんべん⺖」と「はばへん⼱」
        (⼱は「帳帆帖幅幡」など、また⺦も似ており「将状」などがよく出る)
     第六節 「したごころ㣺」と「れんが⺣」
        (横棒に崩れるので⻌⼵にも似る)
     コラム③「かねへん⾦」「おおがい⾴」
        (⾴は「預領頼頭順頂顕類願」など意外に多い)
    第四章 ひとつの漢字から広げよう
     第一節 「貧」の仲間は?…「分」パターン
     第二節 「請」の仲間は?…「⻘」パターン
     第三節 「庄」の仲間は?…「⼟」パターン
     第四節 「誠」の仲間は?…「成」パターン
     第五節 「銭」の仲間は?…「戔」パターン
     第六節 「朝」の仲間は?…「⽉」パターン
     コラム④「いとへん⽷」「もんがまえ⾨」
    第五章 部首で見わけがつかない漢字
     第一節 覚えてしまおう!この10文字
        (「御可被様奉候段無為罷」)
     (以下略)

  • 【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

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著者プロフィール

1953年、千葉県生まれ。東京女子大学卒業。公立中学校教諭を経て、1989年よりNHK学園古文書講師。著書に『古文書くずし字 見わけかたの極意』『絵で学ぶ古文書講座』『古文書はじめの一歩』『江戸が大好きになる古文書』『古文書はこんなに面白い』(いずれも柏書房)、『江戸奉公人の心得帖』(新潮新書)など多数の著書・監修書がある。

「2019年 『くずし字辞典を引いて古文書を読もう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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