見抜く経済学

著者 :
  • かんき出版
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本棚登録 : 87
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784761269777

作品紹介・あらすじ

経済の変化をいち早く読む、人生で最も役立つ経済入門。ただの"教養"ではない、今すぐ「実践」で使える経済実用書!

感想・レビュー・書評

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  • 質実剛健。

    ・すでに報じられた情報に価値はありません。一次ソース(情報)にあたる際に最も大切なのは、報道との比較で「報じられていない部分」なのです。報じられていない部分を知る人は少ないので、これこそが大切な情報である場合が多くなります。
    だから、報道機関の最も大きな権力は報じることではなく、報じないことにあるといえるでしょう。

    ・これまでの日本経済は物価が継続的に下落していくデフレだったので、表面金利が0.7%程度で、毎年3%も物価が下落するという異常な状況でした。だから、実質金利は3.7%(0.7%-(-3%))というとても高い水準でした。「ゼロ金利だから預金なんて意味がない」なんていう人がよくいましたが、それはとんでもない勘違いで、お金持ちは預金で十分儲けていたのです(しかも表面金利分しか課税対象にならない)。

    ・2008年9月のリーマン・ショック以降、米国は以前の約3.4倍ものお金を中央銀行が刷って市場に流してきました。それに対して、日本は1.4倍だけしか増やしませんでした。
    そのため、この期間を通じて1ドル=120円付近にあったドル・円レートは、一時は1ドル=78円まで円高が進行してしまったのです。ところが、アベノミクスではこれまでの2倍まで円を刷るといっているので、2.8倍(1.4×2)となります。
    これによってドルと同条件に近づいていくはずなので、米国がさらに著しい量的緩和を行わなければ、今後は1ドル=100円前後で為替レートは推移していくと予想できるでしょう。

    ・もの作りが有望だと述べましたが、これからも海外の安価な大量生産品がどんどん日本に輸入されてくることは間違いありません。ですから、海外の新興国でも作れるものに関わる仕事をしてはなかなか付加価値を生めないので、自分の給料は上がりません。
    そこで、これからは日本でしか作れないもの、できないサービスに取り組む「オンリージャパン」の仕事を選ぶことが大事になってきます。…究極的な形は、「オンリーワンの個人」として評価されることです。「世界にとってこの人がいないと困る」というポジションにつけば、評価は上がるに決まっています。

  • オレは本当に阿呆だよなと痛感。
    色々な調べ方をご教授いただきました。
    オレは未だ経済指標の読み方すらもわからんのや・・

  • 情報の取り方など経済を理解するに辺り基本的な視点を与えてくれる本。平易で読みやすい。

  •  マスコミや新聞からの情報は鵜呑みにするなと問い方や政府の情報を積極的に利用しようとする。この作者利点は自らの責は負わないということになるか。

     もはやこの国の政府から出されているデータ、レポートというものもあてにできる現状ではなくなりつつあるのにそれでもマスコミ等各社のレポートより政府のレポート、そして海外のレポートを評価することを理解できない。

     決して日本は時間がストップしている国ではない日本の時間はすでに世の中を一周近く先に行っているんだと思えないのだろうか。確かにメディア情報は偏りがあるそれを使う人にも偏りがあるということをわきまえるべきだ。

     作者はアベノミクスを肯定的にとらえているよう、そしてただただミクスを追随することだけが日本の閉塞を解決する手段だという。本当にそうか頭を使うのはそういうところなのではないか。

     経済に絶対的な正解はないあると言えばその時点で経済という物を裏で画策する何かが働いていると言わざる負えないではないか。

     日本社会はアメリカのマネはもう許されないアメリカが変えたからといって何もそっちに向く必要はない。日本は日本で独自の立場で勝負する時代に入ったのだ。

     付加価値は大切なことであるが必要以上な価値をつけてまで自社を有利に働かせなければならないのか。それこそがこの国を衰退させる原因ではないか、人はデフレを好むしかし薄利多売がデフレを生んでいるわけではない。アベノミクスは決して国内産業を復活させようと考えていないだろう。

     モノづくり社会の時代はこれからという物復活はしない作る方は足元を見られる立場にしかなれないことを理解するべきだ。

     後半に書かれていることには賛同したいがそれこそが前半に書かれていることに対する矛盾となりかねないと思うがどうだろう。

     過去を振りかえることは未来をむくことでないと言われたらもうその時点で軸は途切れるそういう考え方がこの国の何かを破壊してしまった。

  • こういう視点で経済を語る本は余りなく、貴重。

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著者プロフィール

1969年生まれ。日本大学法学部経営法学科卒業。貿易会社に勤務した後、独立。海外の経済情勢に精通すると同時に内外の経済・政治状況のリサーチと解析に定評があり、2009年に出版した「本当にヤバイ!欧州経済」(彩図社)で欧州危機を警告してベストセラーになる。
近著「山口組分裂と国際金融」「パナマ文書」(徳間書店)「トランプ! ~世界が変わる日本が動く」(ビジネス社)「貧者の一票」(扶桑社)など。

「2017年 『平和ボケ お花畑を論破するリアリストの思考法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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