ボケ日和―わが家に認知症がやって来た! どうする?どうなる?

著者 :
  • かんき出版
4.12
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本棚登録 : 449
感想 : 36
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784761275440

作品紹介・あらすじ

梅沢富美男夫妻推薦!
この本に書いてあることを覚えておけば一生安心だね。

イラストは、『大家さんと僕』の矢部太郎氏

認知症の進行具合を、春・夏・秋・冬の4段階に分けて、そのとき何が起こるのか?どうすれば良いのか?を多数の患者さんのエピソードを交えて描いた、心温まるエッセイ。

人生100年時代、誰もが避けられない道
知っていれば、だいたいのことは何とかなるもんです。
認知症専門医が教える、ボケ方上手と介護上手

感想・レビュー・書評

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  • 身近に迫ってきてますな、認知症。歳をとって頑固になった。怒りっぽくなった「ちょっと変」からはじまり、進行はゆっくりながら本格的物忘れの段階に突入して「かなり不安」に。そして暴言・妄想・徘徊・幻覚が「困惑」の時。やがて失禁、弄便など見られるようになり、一日中ぼんやりと・・人生の終演ん「決断」の時を迎える・・・辛いですな。

    事前に知っていれば、何とかなるもんです。

    でも、このことさえ忘れてしまったらと思うと周りの者に理解してもらわなければと、早速家族に本を読むようにお願いしました。

  • 現役の認知症専門医による著書。
    こちらお薦めです!!
    読んで良かったとしみじみ思います。

    本書は各進行段階ごとに症状や対応が分かりやすく噛み砕かれていて読みやすい。そして介護者の気持ちにも寄り添われています。
    介護に直接関わる方も、そうでない方も、老若男女に広く読まれて欲しい。
    勉強にもなるし、介護に携わる人にとっては心を軽くしてくれる、お薦めの良書。

    ・早期認知障害(MCI) 認知症の一歩手前、認知症予備軍。この段階での適切な治療や脳リハビリで、認知症への移行を緩やかにすることができる。
    ・介護に困難な症状(暴言、暴力、妄想、徘徊)は長くて1~2年
    ・「お金を盗った」は、介護の勲章
    ・幻覚症状は適当に頷いて流すのではなく、同じ目線に立って話に寄り添ってあげる。
    ・一度にひとつの事しか考えられないので視点をずらすといい。

    知らないであれこれ想像で思い悩むより、まずは知ることから。
    深刻な症状も知っていれば心の準備ができる。心の余裕があれば冷静に対処できることもある。すさみがちになる心を守れる。
    超高齢化社会、容易にはいかないことも多いと思う。
    だけど、著者が言うように
    “誰か一人が犠牲になるのではない。介護を受ける人、介護をする人、どちらも笑顔でいられる道”を模索していける世にしていきたい。

    認知症を知ることで生まれる気持ちの変化が、きっと誰かを救う。会話の中の一言が、誰かの一助になるかもしれない。
    当事者じゃなくても状況がイメージできれば、しんどい人の気持ちに寄り添うことは出来るんじゃないかな。
    そんな風に思います。

  • 認知症の兆候やその対応がメインかと思いきや、介護者に無理をするな、ということがメッセージだった。
    介護って大変だし、認知症の人は気分の浮き沈みが激しいから、介護する人の精神状態のほうが大変。いつか、そういう時になるかもしれないし、私もそういう思いを子ども達にさせてしまうかもしれない。だから、できるだけ、介護施設に頼ろうと思った。

  • 認知症専門のお医者さんが認知症についてわかりやすく書いた本。
    今まで知らなかったこと、知らないということすら知らなかったことが書いてあって、大変勉強になりました。
    目次から拾っていくと…

    ・「知らん」「聞いとらん」ということが増える
    ・実の子は、目が曇りがち
    ・「ボケても大丈夫」で、あとあとラクになる
    ・今まで通りを求めない
    ・料理は「作らない」のではなく「作れなくなる」
    ・何度も同じ話…怒ってもいいんです
    ・わからないことを、試さないで
    ・親の「プライド」を、子どもが判断しない
    ・もっともつらい時期は、2年で終わります
    ・周辺症状は、薬で抑えられる

    介護者が一人で大変を抱え込むと、被介護者だって幸せではない。
    介護者だって笑って暮らせるように、助けてもらえるところは助けてもらいながら、認知症と付き合っていかねばならない。
    そのために介護保険制度ができたのだから。

    と、いうことなのだと思います。

    しかしまず、病院に連れていくのが難しい。
    そんな時は”昭和を生きてきたお年寄りというのは、どうも権威に弱いんです(笑)。なので、「市役所から検診のお知らせが来たから、ちょっと行こう」なんて言うと、「ほんなら、行こか」とわりに素直に聞いてくれます。”
    なるほど。( ..)φメモメモ

    あと、若い頃から社交性に欠けている母に、デイサービスは無理じゃないかとの懸念があったのですが
    ”でも、ここは躊躇しないでほしいのです。デイに行くことは、ご家族のためでもありますが、何より、患者さんのためだからです。デイに行って多くの方と接すると、ほどよい刺激を受けますから、身体も頭も家にいるよりずっとシャッキリします。気分転換にもなりますから、行けば行ったで、わりに楽しんで帰ってくる患者さんも多いものです。(中略)ですから、ご家族としては、「本人のため」、と思って、心を鬼にしてデイに送り出してください。”
    ひとりで悶々とどうしようと悩むよりは、まず動き出そうと思わせてくれる本でした。

    カバーの折返しにはこう書いてあります。
    ”事前に知っていれば、だいたいのことは何とかなるもんです。”
    なるほど。( ..)φメモメモ

  • うちの父が認知症世界に足を踏み入れたので読んでみた。
    著者の長谷川さんの文章がほのぼのしていて
    なんか癒された~&勉強になった~
    認知症になった本人の気持ちを理解しやすくなった一冊。

  • 介護者の気持ちに寄り添って書かれた本でした。
    手が出せないなら口も出すな。でも金は出して。
    これはなるほどと納得。
    春夏はほのぼのと面白く読める。
    秋は少し真面目に考えちゃう。
    冬、最後の章はやっぱり笑えないけど、すごく勉強になった。状況により病院で看取ることも、自宅や施設で看取ることもあるだろうけど、病院の場合、がん以外では延命措置をせざるを得ないとは知らなかった。生命体として終わりが来たのならば、自然に任せるべきだと、今のうちに胸に刻んでおこう。

  •  言葉では表せないほどハードな介護を、"温かいハートで綴ったエッセイ(実用書)"です。

     認知症の進行具合を 春・夏・秋・冬の四季になぞらえ、具体的な実例を交え、患者や介護者の両方の本音も語り、愛を持って優しく教えてくれます。

    『ボケ方上手と介護上手』

     専門医による『認知症』のハードな現実を知りました。しかし、寄り添う著書のお陰様で、読後は温かい気持ちにもなります。
    確かに、人をみおくることは大変なことかもしれない。でも、同時に誇らしこことでもあるのだとポジティブに考えようと想いました。

  • とてもよかった。
    介護をしたことのある人なら、うなずける内容でした。
    こんな風に言ってくれる人が側にいたら、介護もできるかも…と思いました。

  • 仕事に関連して読んだ。
    認知症の親を持つ身としてはとてもわかりやすかった。『介護者についての心得』みたいな作品だったので、認知症に対する偏見が少し和らいだ。

  • 認知証患者がどの様な症状が出るか、様々な症例を書かれていて参考になりました。
    バイブルとして手元に置いときたいと感じました。
    物盗られ妄想や帰宅願望など、深刻な認知証の症状が出てきても、どの様な時(人)や症状が出るのかを知っていれば、芸人さんのお笑いライブで「来るぞ、来るぞ」とお約束のネタを待っていたら、とうとう来た!ドッカーン!と、不思議と少し笑える、そういう感じに近いそうです。
    著者ご自身も元介護家族なので、症例もわかりやすく、患者より介護者の気持ちを大切にと寄り添いの気持ちをとても大切にされています。
    色々書きたいですが、とにかく良書でした。

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著者プロフィール

1966年、名古屋市生まれ。名古屋市立大学医学部卒業。認知症専門医。現在、医療法人ブレイングループ理事長として、在宅生活を医療・介護・福祉のあらゆる分野で支えるサービスを展開している。主な著書に、『認知症専門医が教える 脳の老化を止めたければ歯を守りなさい!』『ボケ日和』(小社)などがある。

「2023年 『マンガ ぼけ日和』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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