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- Amazon.co.jp ・本 (181ページ)
- / ISBN・EAN: 9784761525392
感想・レビュー・書評
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景観の美しさという主観的な評価に基づくものを、出来るだけ客観的で、公共性の高い視点から評価する考え方にとても共感を覚えた。
本のタイトルにある通り、景観は「市民が」「市民のため」に作っていくものであり、美しい景観の街を作るためには、市民が美しい景観とは何かを意識している必要がある。そういう意味での自己啓発本のように感じた。
本書で紹介されていたが、フランスなど欧州では建築は公益のためのものという意識が国民に根付いている一方、日本は建築は個人のものという認識がある。だからヨーロッパにあるような伝統と統一感のある美しい街並みが、日本には少ないのだと。しかし、私は日本人が自らの「城」として個人的な観点で好きに建てた家々が並ぶ街並みも、それを日本の個性として愛すべきであると考える。日本人だけの観点で、海外の美しい街並みに無い物ねだりで憧れを抱くだけでなく、外国人の視点で見たら日本の街並み(京都などの観光特区だけでなく、なんてことないどこにでもある住宅街)をどのように感じるか、何が美しくて美しくないのか、客観的な意見の紹介も本書に含まれているとなお良いと感じた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
170226 中央図書館
景観をトータルでプロデュースすることの重要性を、これでもか、と語りかける。事例の写真が豊富で、個別の要素(室外機とかファサードとか電線とか)ごとに詳細な解説があり、力作。