本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- Amazon.co.jp ・本 (91ページ)
- / ISBN・EAN: 9784763224736
感想・レビュー・書評
-
あとがきで著者も「立地点の新しさだけは自負できる」と書いているとおり、これまでの絵本論にはない意欲作である。絶版なのが惜しい。
絵本はまだまだできる。枠がありすぎる。
下手な現代アートの入門書を読むよりも、本書の方が絵本を通して、よほどその思想がよく分かる。
・美術は視覚が大事である。たぶん、今の絵本界において、そのことが本当の意味で理解してもらえていないところに一番問題がある。視覚が物語や言葉と同じように(あるいはそれ以上に)表現力を持っている。
・みることはみえることと違う。見ることは選ぶこと。これらは現代美術では最も基本的な概念。
・展覧会を見る人は、タイトルの言葉から入っていく。言葉から入っていくと、「緑の風」と「森の魔術」では微妙に作品の受け取り方が違ってくる。
・読み進めるに従ってほんの少しずつしか分かってこない本は、読者にかなりの忍耐を要する。しかし、ある人が「状況がみえなくてわからないので、イライラする」と言って、私は驚いた。美術の世界では、見えにくい世界では、そのままの状況で人は美しさを感じるということが市民権を得ているからだった。児童文学の世界では見えない、分からないことがマイナス要因として受けとられることに驚いたのだ。
・視点や視覚が造形作家の思考方法や表現自体そのものだということが言葉や分に頼っている人には分かりづらい。美術は再現だけでなく、世界や物が”在る”ように表現しようとしてきている。
・今日、精神的なものを引き継げるのはデザイン:駒形
・コラージュを一番最初に行ったのはキュビスト。詳細をみるコメント0件をすべて表示
全1件中 1 - 1件を表示