- Amazon.co.jp ・本 (135ページ)
- / ISBN・EAN: 9784766001259
作品紹介・あらすじ
随筆家、串田孫一が晩年に書き綴った、野鳥と花にまつわる珠玉のエッセイの数々。深い思索の淵からあふれ出る透明感に満ちた言葉が、鳥とともに樹々をめぐる小旅行へと誘う。四季折々の花々が彩りを添える。ダイナミックな野鳥写真はネイチャーフォトの第一人者、叶内拓哉撮影。
感想・レビュー・書評
-
『山のパンセ』が名作と名高い随筆家串田孫一さんの滋味深い文章が味わえる鳥と花のエッセイ。
串田さんの文章を読んでいると、まるで桃源郷かなにかに迷い込んだような気分になる。
野鳥と野花とそれを透徹した目で眺める串田さん。
本当に好きだったんだなあ、と感じさせる。
ヒトが自然と自分たちを切り離したのはいつのことだろうとふと思う。
晩年の串田さんは鳥と一体化しているかの如く、自然に馴染んでいるように思う。
一体化しすぎてか、獣を「不気味」と形容されている文も見受けられた。
叶内拓哉さんの鳥と花の写真も鳥の鳴き声と花の香がこちらまで伝わってくるよう。
でも、鳥たちは羽根のない私達のことをほんとのところどう思ってるんでしょうね。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
これはいいですね。
ほのぼのしていてとてもいい。
真摯で謙虚だとすぐにわかる「おじいさま」の語りが心に染みます。
そのように語らせた鳥と花が調和した写真も優しい。
續ける(つづける) 回轉(かいてん) 再會(さいかい) 靜か(しづか)
のような旧字体の漢字を使った文面を見ていると、100年くらい時代をさかのぼり、昭和の前の過去の世界に迷い込んでしまったような気分にさせてくれます。
こんなに沢山の草木や鳥たちと共に生きていることは奇跡であり何と幸せなことかと思います。
この本は、本の姿をしていますが本ではない感じがします。
どう表現したらいいのか言葉にできない不思議な魅力に満ち溢れています。-
Kazuさん、私もこの本は大好きです。
レビューで読んでから、本棚から取り出してみました。
確かに「おじいさま」の品のある語りでした。
...Kazuさん、私もこの本は大好きです。
レビューで読んでから、本棚から取り出してみました。
確かに「おじいさま」の品のある語りでした。
写真も文章もそれぞれが絶妙にマッチした美しい本だと思います。
でも、本というのとは少し違う・・私もそう思います。
なんと言えば良いのでしょうね。しばらく眺めて答えを探します(*^-^*)2020/10/18 -
nejidonさん、おはようござます。
この作品が所蔵されていていつでも取り出して読めるなんて素敵な本棚をお持ちなんですね。
私はもうす...nejidonさん、おはようござます。
この作品が所蔵されていていつでも取り出して読めるなんて素敵な本棚をお持ちなんですね。
私はもうすぐ図書館に返さなくてはなりません。
この本はどのページを開いてもその写真の世界に入っていけます。
ページをめくる行為が"どこでもドア"を開けるような感覚なんですね。
"本じゃない"というのはそんな感じがあるからでしょうか?
2020/10/19
-
-
現代国語の教科書でおなじみの、串田孫一先生による野鳥と花にまつわる珠玉のエッセイ。
そこに、ネイチャーフォトの第一人者である叶内拓哉氏撮影の美しい写真が入っています。
一編のエッセイに一枚の写真。その贅沢さ。
紙も良質なものを使用していて、スクリーンの中の映像と、その語りを聞くような気持ちになります。
物語ではないのでどこから開いても読む(見る)ことが出来、旧仮名遣いも心地よい香りを醸し出しています。
野鳥と花の好きなひとには、特にお薦めです。
路歩きの途中、あるいは仕事場の窓から、自宅の窓から、空の中や枝先に見知らぬ鳥がいないか、つい見上げてみたくなります。
その視界に広がる花と鳥の名がもし分かるなら、心ときめく一瞬でしょうね。
☆10年以上も前の、ブログ掲載記事です。
見つけて下さった方、ありがとうございます。
この本はいつも、いつでも私の傍らにあります。2020.1.5 ☆-
nejidon さん、こんにちは!
つい最近この本を読んで、心を洗われたばかりだったのですが、nejidon さんのレビューを見つけてさら...nejidon さん、こんにちは!
つい最近この本を読んで、心を洗われたばかりだったのですが、nejidon さんのレビューを見つけてさらに嬉しくなりました。
たまたまそこに居合わせた鳥と人が、ひとときを過ごす豊かさを思い出させてくれる1冊でした。
「珠玉」という言葉がぴったりな本ですよね。2017/05/16 -
すずめさん、こんにちは♪
コメントありがとうございます!
こんなに古いレビュー(自分でも忘れておりました・笑)を
よくぞ見つけてくださ...すずめさん、こんにちは♪
コメントありがとうございます!
こんなに古いレビュー(自分でも忘れておりました・笑)を
よくぞ見つけてくださいました。
そうですか、読まれたのですね!
こんなに美しい本もあるものかと感動したのを思い出します。
すずめさんも、もしや野鳥好きでしょうか。
それでこのお名前かしら?と想像して勝手に喜んでおります。
また素敵な一冊に出会いましたら教えてくださいね。2017/05/18 -
nejidonさん
串田和美が今江祥智の追悼文で、戯曲を書いて貰う約束を果たして貰ってない。と書かれていだのを思い出した、、、nejidonさん
串田和美が今江祥智の追悼文で、戯曲を書いて貰う約束を果たして貰ってない。と書かれていだのを思い出した、、、2021/04/12
-
-
串田孫一さんの鳥と花に向ける眼差しのなんて素直で深く豊かなこと。野鳥の世界の領域を侵食しない、その距離感がいい。
その出逢いから思索し著す言葉の美しさに心が震える。
図書館の本で読んだが、手元に置いて時々読み返したいと買った。
こんな眼差しでひたむきに自然を見ていたい。たとえ、表す言葉が見つからなくても。-
koringoさんへ
串田孫一さんは、いいですね。何冊か著作を持っていて、ときどき読み返します。koringoさんへ
串田孫一さんは、いいですね。何冊か著作を持っていて、ときどき読み返します。2019/12/20 -
goya626さんへ
コメントありがとうございます。最近レビューを書くようになり、初コメント頂きました。これからも素敵な本との出逢いとそこか...goya626さんへ
コメントありがとうございます。最近レビューを書くようになり、初コメント頂きました。これからも素敵な本との出逢いとそこから広がる繋りがありますように。2019/12/20
-
-
表紙の愛らしいイラストは著者自身の手によるもの。
配色の効果も手伝って、余白まで魅せるすてきな装丁に仕上がっています。
見開きの右側に短いエッセイ。
左側には鳥と花の写真。
著者のゆったりとした文章と写真の中の鳥たちが届けてくれる季節の移ろいに、なんとも贅沢な気持ちになりました。
自然の中で偶然そこに居合わせた鳥と著者とが過ごす一時は、なんと豊かな時間なのでしょう!
ただそこに在る、というシンプルなことを鳥も著者も楽しんでいるのです。
時には自然の中に佇み、少年時代や今は亡き友に思いを馳せる著者の、深く穏やかな眼差しが感じられるようでした。
本書を読みながら、いかに自分があくせくと日々を過ごしていたのか、気づかされました。
日常のあれこれを心の中から全部追い出して、ただそこに在ることの喜びを感じる時間を作っていきたいです。 -
長く生きた人の穏やかで優しい視点で書かれた文章と様々な鳥と植物の写真を眺めていると、四季を旅している気持ちになります。
カバーに描かれた鳥と植物の絵もとても可愛いのです、串田さんは絵も上手い! -
文が串田孫一氏、写真が叶内拓哉氏の「鳥と花の贈りもの」、2006.3発行です。メジロとソメイヨシノ、オナガとハナミズキの実、ヒヨドリとヤマモミジ、ホオジロとススキ、モズとロウバイ・・・。「花と鳥の二重奏の世界」、仕事を辞めて、園芸や小鳥にはまってる私には、「うっ」とうなってしまう本でした!(^-^)
-
やさしさと透明感につつまれる。
とても素敵な一冊。
誕生日プレゼントにもらった大切な宝物です。