装丁道場: 28人がデザインする「吾輩は猫である」

  • グラフィック社
4.11
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本棚登録 : 290
感想 : 42
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  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784766121377

感想・レビュー・書評

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  • タイトルのまま、28人が『吾輩は猫である』を装丁するとどうなるかという内容の本。
    文学の古典中の古典、猫というモチーフ、その特徴的な書き出し、それらのことをどのように装丁に反映させるのか、個々人で全く違う発想のものがされていて興味深い。一部にはこれは微妙だなあとか、ちょっと奇を衒い過ぎかなあというのもあるけれど、どれも所有欲を駆り立てるものばかり。
    自分にとって一番印象深い装丁家は辰巳四郎なんだけど、彼の場合ノベルスとか文庫とかパッケージの定まったものが多く、本すべてをプロデュースするという訳ではないのでこれとはちょっと話がずれてしまうかな。

    まあとにかく、やっぱり本は良いね。

    とか言って自分は『吾輩は猫である』はkindleで読むつもりなんですけどね…。

  • ★★★★☆
    こんな装丁の「吾輩は猫である」があったら、ずっと眺めていたいなあってのがたくさん並んでいました^^
    (まっきー)

    ≪H25秋ビブバト研修参加本≫
    装丁というより、まるまる一冊をプロデュースしてもらうブックデザインの本です。
    本の作り手を考えたとき、ぱっと思い浮かぶのは作者・画家(イラストレーター)ですが、この本を読むとたくさんの手を経て一冊の本ができあがるのだなあと気づかされます。
    「吾輩は猫である」をデザインするとき(設定は定価1400円、四六版の上製本)、装丁家は猫を全面に出すのか、漱石か、それとも本の重みか。
    本文は、二段組みか一段組みか、フォントは?余白は?
    使用する紙、栞ひも、背固めはどうするか。
    誰がどのようなシチュエーションで読むのか。
    28冊の「吾輩は猫である」を、その構想段階から楽しめます。
    出来上がりはカラー写真で!
    (まっきー)

  • 請求記号:022.57/Gra

  • タイトルの通り28人がデザインした「吾輩は猫である」を並べています。
    表紙、帯、箱、紙質、フォント、その他諸々のブックデザインのすべてを各デザイナーがつくり並べた満漢全席、なにこれ凄い。
    ボツったデザインがあるのもたまりません。面白い。お見事です。

    誰もが知っていて、かつ同じ題材だからこそ、デザイナーひとりひとりの個性が際立ちます。

    いや、際立つのは<個性>というより<人生>かもしれません。
    それぞれのデザイナーが「夏目漱石」や「吾輩は猫である」をどう捉え、それを「読者」にいかに伝えるか(読んでもらえるか)を考え、デザインを試行錯誤して決定していく・・・。
    この過程を通して現れるのは彼らの生き様そのものです。そうでなければ28人が全員異なるデザインとなるわけがありません。違った人生を歩んだから違った感性を持ち、違った決定をするのです。

    彼らのこれまでの歩みが、一つとして同じではないそれそのデザインをつくらせた。
    これはもはや28人の人生ドラマだ。

    なんちて。
    デザインを勉強するならふつうに教科書になる本でス。


    ちなみにこの本(↓)から先に読むと3倍は楽しめます。
    「装丁問答」 長友啓典・著
    http://booklog.jp/users/gon623/archives/1/4022733721

  • 吾輩は猫であるを色々な人が装丁するコンセプトの本なんですが、
    ほんとに十人十色で面白かった。
    こういう本他にないかな?

  • 2012年7月19日

    写真/弘田写真事務所
    ブックデザイン/ASYL

  • コンセプトが面白い。
    同じ作品の装丁でも、デザインする人でこんなに変わる。




    2012-9

  • ありそうでなかった本。
    「第一線で働くデザイナーたちが、同じ小説のブックデザインを手がけると…?」
    なんて贅沢な企画だろう。

    題材のチョイスも絶妙。あの、「吾輩は猫である」である。
    名だたる名作であり、遠い時代の古典であり。
    主人公は猫であり、人(のことばを話すもの)であり。
    著者は古き良きニッポンの男子であり、どっぷり英国かぶれであり……
    デザインのヒントとなる材料は山ほどある。どこに焦点をあて、どう味付けしていくかで、こんなに色とりどりの「我輩」ワールドが広がるのか!と驚かされた。

    28通りの作品を見ていると、
    「デザイン(の切り口)というものは決して平面的なもの(2次元)ではなく、奥行きや時間を兼ね備えた(3次元、4次元的な?)ものなんだ」
    と実感する。

    中には「この方向性は受け入れ難いわ…」という作品もあったのだけど、感性の柔軟さ・デザインの完成度はどれも文句のつけようがない。

    私のように頭の凝り固まった「なんちゃってデザイナー」には有無を言わさず押し付けたいところだけど、きっと、誰が読んでも損はない。

    プロフェッショナルの思考・発想の妙を楽しんでみてはいかが。

  • 一つのテーマ(我輩は猫である)で、こんなにも装丁が違うものかと感心しました。見てるだけで楽しかったです。

    いつか僕も装丁をデザインできるようになりたいなぁ。

  • 『デザインのひきだし』にて連載された、「装丁道場」の連載全作品を収録。『我輩は猫である』 を28人が装丁する。

    『デザインのひきだし』に連載されているときから、面白い企画だなぁと思っていたら、いつの間にか書籍化されていた。
    夏目漱石の『我輩は猫である』を、28人のデザイナーが、それぞれにデザインするという企画。同じ内容で28通りの本が見れるなんて、本好きにとって興味がかき立てられる名企画ですよね。。
    クラフト・エヴィング商会や祖父江慎さん、池田進吾さんなど、装丁界の大御所(?)も参加しているので、装丁に興味がある方は手に取って損はない本かと。

    全ての装丁を見て、漠然と「いい装丁」とは何か、と考えてみたところ、「直接的なものはだめだ」というのが私の見解であった。
    「猫」をストレートに、あるいはモチーフとして前面に出している本には、いい装丁だと思うものが少なかったのである。
    「猫」を前面には出していないけれど間接的に「猫」でしかありえないとわかるもの、あるいは「猫」を使っているけれど、それよりも装丁が作り出す雰囲気(世界観?)が「猫」に勝っているもの。
    前者はイメージを膨らませ、古典ならではの風格を上手く生かしている効果があり、後者はそれまでの概念を打ち破り、古典に新しい照明を当てる効果をもたらしている、と思った。

    誰もが知っている名作も、28人が装丁すれば28様になる、ということがさまざまとわかるこの企画。面白かったです。

  • ひとつの物語でも、装丁次第でかなりイメージが変わるものだと実感。装丁の魅力全開の本。こんなに多彩な装丁で揃っていたら、何度でも新鮮な気持ちで本を読める気がします。

  • すっごく面白い。帆足英里子さん、葛西薫さん、佐々木暁さんの装丁が特に好き。

  • 十人十色。装丁も人が変わるとデザインも変わる。可能性は無限だね。

  • この装丁の吾輩は猫ほしい!!と思うのがいっぱいです。こういった企画またやってくれないかなぁ。すごい素敵な本です!

  • タイトルどおり、色々な方がデザインされた『吾輩は猫である』を見られる一冊。文字のみだったり写真を使ったりそれぞれの個性が出ていて、とても面白い。

  • 文字は美しい。

  • 本屋で立ち読み。28人が夏目漱石の「吾輩は猫である」の装丁に挑む。同じ本なのに装丁人によって全く違う仕上がりになるのが面白かった。ほんの中身も好きだけど、装丁も好きで見た目で本を買うこともしょっちゅうな私には、かなり楽しめました。

  • 夏目漱石の「吾輩は猫である」を28人のデザイナーがまるまる一冊デザインする、という企画の本。
    デザイナーが有名な人多いし、きちんと一冊作っていて贅沢な企画。
    それぞれのアイディアがすごくて、デザイナーさんってやっぱりすごいんだなぁってしみじみ感じた。
    どれも素敵だけど、強いて好みをあげるとしたら・・・buffalo-Dさんのと寄藤文平さんのかな。祖父江さんのも素敵
    そして編集元のグラフィック社さんの後書きが素敵だった。
    惜しからむのは28の文字が縦中横になってなかったこと(笑)重版かかって直せればいいな

    素晴らしい装丁と後書きで★5つ
    デザインに興味ある人は是非

  • 1冊の本でこれほど世界が広がるとは!
    装丁の力を改めて痛感。

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