- Amazon.co.jp ・本 (479ページ)
- / ISBN・EAN: 9784767813394
感想・レビュー・書評
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ここまで公開していいのかというところと今まで標準化の解釈を誤解していたことに気づかされた衝撃的な本でした。もっと早く読むべきだった。まずは自分なりの標準・定番を整理して改善を重ねていきたい。
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自分の仕事に当てはめても共通するのでは、と感じると滅茶苦茶面白い
2月に恵比寿の有隣堂で見た「小さいおうち」特集で見かけたお名前の方の本をよみました。
楽しかった!
まず、どでかく分厚い本なのですが本文は220ページほどで、写真や図面があるので本文は2時間くらいで読めるかと思います。後半は付録として「守谷の家」の写真と図面がこれでもかと掲載されています。
図面や設計用語はわからないのですが、それでも大変楽しいと感じられたのは、「デザインの標準化」の考えとそのために行ったことが非常に興味深いからです。
「優れた建築家は、設計・デザインの「標準化」を行っています。
標準化とは、決して創造性を否定する行為のことでも、建築家の個性をないがしろにする行為のことでもありません。
むしろ自分自身の設計・デザインのかたちを、より確かなものにしていく方法として標準化があります。
だからこそ彼らは、完成度が高く、個性豊かで、アベレージの高い仕事ができるのです。」
この冒頭の言葉で、これを「建築」の世界から自分の仕事に当てはめても共通するのでは、と感じたことで、建築家の方のお話が我がこととして聞けるようになりました。
「目に見えない空気と熱までデザインしてやろうと張り切りました」
という思いや
「住まいや建築に対する「よい意志」(建築に対する教養に裏打ちされた愛情のようなもの)」
があるクライアントに対しては作り手としても熱が入るとか、とにかく伊礼さんの思い、「こうだから好き」という思いが明確に打ち出されている、打ち出せるということはすなわち、自分が好きなことが明確にわかっているということ。
「標準品を決めておく」
「常に使う色は、自分がいいと思う色に決めておく」
というのも、自分がおすすめできるものが固まっているからできること。
自分が好きなものを知ろうとし、固めていくという行為から標準化が生まれていくので、
自分が仕事において好きなこと、この形でやりたいというものは?という問いかけから始めたいですね。
建築のことはよくわからないけど、付録の中の「展開図」には、「くらし」を展開したものが描かれているな、と伝わってきました。
ちょっと、写真に載っている「小さいおうち」で自分が暮らすことを想像してしまいました。
直近はマンションになると思いますが、くらしかたにも参考になる部分が多かったので、実践したいと思います。 -
優れた建築家は、設計の標準化を行っている。そこからの飾り付けで質は向上する。
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既製品でも質の高い住宅を建てたいと設計の標準化に挑む伊礼さんの本。難しいことを考えなくても、シンプルで美しい写真を見ているとワクワクして楽しめる。無数の選択肢から施主に選ばせるのはコスト的にもムダが多いというのは確かに。施主は初めての家づくりの人が多いのだから、そこまで色んな事を考える余裕はないだろうし。