フランク・ゲーリー 建築の話をしよう

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  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784767820712

作品紹介・あらすじ

ゲーリーはどんな環境に生まれ、どんな家庭を築き、どんな理想を抱き、現実に何を成し遂げたのか。建築家の日常はどのようなものか。あまたいる建築家のなかでゲーリーを卓越した存在たらしめているものは何なのか、本書をとおして読み解いていく。

感想・レビュー・書評

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  • ゲーリーがどのようにしてあの波打つ形態の建築言語を獲得していったのかが知りたくて手に取った。

    ロサンゼルスで1962年に事務所を開いたとき、ゲーリーの頭はまだモダニズムの考え方のままだった。

    それからしばらくして、アーサー・ドレクスラーが1975年にボザール様式をテーマとした大きな企画展をやると、その影響が山火事のような勢いで広がった。チャールズ・ムーア、ロバート・ベンチューリ、マイケル・グレイブスを筆頭に、みんながいわゆるポストモダンに傾倒していった。それを見て、ゲーリーはぞっとした。まったく興味が持てない要素だらけだったから、途方に暮れた。

    かねてから興味のあった魚の絵を描き始めた。魚を通してダブルカーブについて研究した。
    興味を引かれたものを追いかけただけ。自分の本能を信じているから。

    独特のスタイルはダブルカーブによって完成した。スケッチから起こしたイメージを3次元に変換した。これにより個人的な言語のようなものを確立した。

    建築に動きを導入する試みだった。

    その他ドッグイヤー部分
    p179
    Q建物を建てるとき、特に好きな工程は?
    Aプランができて、模型で近隣の建物との調和をとり、プロジェクトの目的にも合うサイズが決まったとき。外壁をカーブさせるとか、そういうことをする前の段階。
    →ボリュームスタディを先行させていることがわかった。イメージ先行ではなかった。

    p187
    煮詰まったら美術館へ行け。絵画を眺めていると感情が解き放たれる。絵画には常に発見がある。特に古代の美術に触発されることが多い。ピカソやマティスやロダンもいい。

    p201
    MITステイタセンターの設計について。
    ユーザーが曲者だった。研究者というのは、ある方向に進んでいったと思ったら、全く別の目的地へ到着することも珍しくなかったから。

    p204
    既存の枠の破り方
    想像を膨らませることができないと、現状のままを希望する。

    手始めに他の文化を手本にしてみましょう。
    日本の伝統建築のように中央の大部屋を全て障子で仕切ってみて、周囲に小さな部屋を配置してみる。
    またはコロニアルハウスを模して、階段を使って中央スペースへ行くことができて、上席科学者を2階、生徒や職員の部屋を下に置いて階層をつくる。など。

    p222
    芸術というのは、基本的には個人が与えられた環境や条件にどう反応するかだ。それが絵画だったり粘土だったりするわけで、建築家は建築で自分を表現する。そこには偶発的な要素がある。
    が、それはある程度の予想に基づく偶発である。

  • ゲーリーのスケッチは最早、何か分からない

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