オオカミと野生のイヌ

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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784767825014

感想・レビュー・書評

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  • オオカミとそこから派生した野生イヌについての図鑑。厳選された写真と、親しみの持てる説明文の大型本。ビジュアルな編集でオオカミとコヨーテ、キツネなどの野生イヌがそこにいる。

    メモ
    <近年の分類> 4系統 35ほどの種
    「オオカミ型系統、南米系統、アカギツネ型系統」これら3つで9割、シマハイイロギツネ系統。それぞれ、〇〇オオカミ、〇〇ジャッカル、〇〇ギツネなどの語がつく。

    エチオピアオオカミ(アフリカ)とタテガミオオカミ(南米)以外のオオカミは、みな灰色オオカミである。世界各地のほとんどのオオカミはみなハイイロオオカミの亜種。

    ・ハイイロオオカミ 亜種の名
     ホッキョクオオカミ、ネブラスカオオカミ、シンリンオオカミ、アラスカオオカミ、メキシコオオカミ、ツンドラオオカミ、ロシアオオカミ、ヨーロッパオオカミ、チベットオオカミ、モンゴルオオカミ、アジアサバクオオカミ、インドオオカミ、カスピカイオオカミ、イタリアオオカミ、イベリアオオカミ、ラビアオオカミ、

    アルバータ州の雪原を歩くハイイロオオカミ。森林に住むことからティンバーウルフ(シンリンオオカミ)と呼ばれる。毛色は灰色、白、黒、暗褐色など個体によって様々。北米だけにみられる黒いオオカミは、過去に飼い犬と交雑したオオカミの子孫であり、森の中で姿を隠すのに有利と考えられている。

    ・オオカミ型系統
     ディンゴ(オーストラリアに分布)
     ニューギニア・シンギング・ドッグ
     柴犬(柴犬、チャウチャウ、秋田犬、アラスカンマミュートが最もオオカミに近い遺伝子を持つ)
     秋田犬
     コヨーテ(アラスカ、カナダ、アメリカ、メキシコに分布)
     アフリカゴールデンウルフ
     エチオピアオオカミ
     キンイロジャッカル(ジャッカルと名の付く4種のうち最も広く分布している。東南アジア、インド~トルコ~ギリシャ、オーストリア、ブルガリア、アラビア半島)
     ドール
     リカオン(ぶちの模様。アフリカに分布)
     セグロジャッカル(アフリカに分布)
     ヨコスジジャッカル(アフリカに分布)
     
    ・南米系統 南米固有の種がそろう
     タテガミオオカミ
     ヤブイヌ
     コミミイヌ
     カニクイイヌ
     スジオイヌ
     ダーウィンギツネ
     チコハイイロギツネ
     パンパスギツネ
     クルペオギツネ
     セチュラギツネ

    ・アカギツネ系統
     オオミミギツネ
     タヌキ
     フェネックギツネ
     ブランフォードギツネ
     ケープギツネ
     キットギツネ
     ホッキョクギツネ
     アカギツネ(砂漠からツンドラまであらゆる野生動物の中で最も広い分布。キツネといえばこのアカギツネを指すといってもいい。
     オジロスナギツネ
     コサックギツネ
     チベットスナギツネ
     ベンガルギツネ
     オグロスナギツネ
     スウィフトギツネ

    ・ハイイロギツネ系統
     ハイイロギツネ(アメリカ、メキシコ、南米北部)別名キノボリギツネ
     シマハイイロギツネ(アメリカカリフォルニア沿岸のチャンネル諸島のみに生息)


    写真はアマナイメージズ、アフロからで、文は理系ライター集団「チーム・パスカル」メンバーの近藤雄生氏。和名、英語名、学名、体重、頭胴長、肩高、尾長、分布地図が付く。


    2018.7.30初版第1刷 2018.9.28第3刷 図書館

  • 何といっても、オオカミはカッコイイ!
    表紙の遠吠えするオオカミ、氷山の上から見下ろすホッキョクオオカミなどなど、ほれぼれ。共存するクマとのツーショットにほっこり。
    オオカミ好きにはたまらない一冊です。

  • 本でしか手に入らない貴重な情報がたくさん書いてる。最後のほうのキツネのページが特に。

  • 2020.12.8
    とにかく美しいオオカミの写真がたくさん。
    オオカミだけじゃなく、イヌ、ジャッカル、コヨーテ、リカオン、キツネ、タヌキなんかも載ってる。
    本当に美しい写真ばかりで、パラパラめくってるだけでもかなり満足できる一冊。

    クマと友だちになったオオカミの写真と、
    エチオピアオオカミのお姉ちゃんが年下の兄弟にキスをして、キスされた子がなんとも不満そうな顔をしてる写真がたまらなく好き。

    彼らの生態を知れば知るほど、人間のせいで絶滅に瀕している、また、絶滅してしまった種族がいることが悲しくてたまらない。


    エチオピアオオカミとリカオンの社会性にはとても驚いた。
    特にリカオン。狩りに行くか否かをくしゃみで賛否を取るって笑
    狩りに行ったチームは、狩りに行かなかったメスにもしっかり獲物を分け与えるそうで。
    ドールという種族は産後2ヶ月ほど狩りに行けない母親の面倒も見るらしい。すごい。
    それと、彼らオオカミ族には子育て要員のヘルパーさんがいるってことも初めて知った。
    周りの大人たちも一緒になって子どもを育てるって素晴らしい。
    人間社会も見習うべきだ……

  • 荘厳な表紙でノックアウトです。美麗な写真集のようでいて読み応えも有る本です。
    「犬」は言うまでもなく人類の歴史と共に歩んできたベストパートナー。
    翻って「狼」という言葉には物凄いパワーが有ります。強さとどこか思慮深さを感じさせる存在で、犬の仲間と思いつつも神の使いのような気がしてしまいます。

    本書に出てくる世界中のオオカミと野生の犬たちは、それぞれの地域に特化して逞しく生きています。多くは絶滅が懸念されるのですが彼らは淡々と自らの命を全うしています。とても美しい写真ばかりで写真を見ているだけでも唸らされます。
    日本にはいわゆる犬、狼の野生種は狐と狸だけ。日本狼は遥か昔に絶滅しています。所が世界中で一番狼に近いのは柴犬らしいです。あんなに愛らしいのに狼の末裔とは!

  • ハイイロオオカミ、ホッキョクオオカミ、オオカミの仲間たち(12種)、南米の野生イヌ(10種)、アカギツネの仲間たち(14種)、ハイイロギツネの仲間たち(2種)について、写真メインで解説しています。しかも本の大きさが210×300mmと大きなものですので、写真は迫力あるものになっています。

    解説の中に「自然と共生しなければ人間も生きていけない」「彼らは決して人間にとって脅威ではなかった。多様で美しく、懐の深い、自然の姿そのものであった。」とあります。人間は一体どれだけの動物を絶滅に追い込めばいいのかと思ってしまった。

  • オオカミとイヌだけでなく、キツネやタヌキも、その遺伝子的な違いはごくわずかであるということに驚かされた。何よりも厳然と分けられていたはずのこれらの動物の外国語名には、それほど明瞭な差はないということにさらに驚かされた。タヌキは「ラクーン・ドッグ」であってイヌの一形態という位置づけもあれば、ヤブイヌはタヌキより外観上はイヌより遠いにもかかわらず、英語だけでなく日本語もイヌの一形態として表現される。この他にもジャッカルやディンゴ、リカオンなど、イヌの系譜には大きな広がりがある。なかでも、ネコのように左右にのみ瞳孔が伸縮するアカギツネの仲間は、ジュウジギツネやギンギツネのような毛色の違うものも多い。驚きとともにイヌの世界を堪能させてもらった。大判で美しい写真にあふれた体裁も評価したい。

  • とにかく綺麗!どの種の写真もほんとに綺麗で、愛が無きゃ撮れないぞ、きっと。オオカミはわかるけど野生のイヌ?て不思議だったけど、イヌの仲間なのね。たくさんいるのね。どうか人になんか捕まらずに生きてくれ。人はどれだけ命を殺せば気が済むのか、呪われた生き物だなあ(´;ω;`)

  • オオカミに遺伝的に一番近い犬は柴犬!

  • 表紙がかっこいい
    電車広告で知ったんですが
    買うか迷ってたんだけど
    ファイルつきにひかれて買いました
    中身もオオカミ科の動物が満載で
    見てるだけて癒される
    萌え萌えする

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著者プロフィール

1976年東京生まれ。東京大学工学部卒業、同大学院修了後、旅をしながら文章を書いていこうと決意し、2003年に妻とともに日本をたつ。オーストラリアでのイルカ・ボランティアに始まり、東南アジア縦断(2004)、中国雲南省で中国語の勉強(2005)、上海で腰をすえたライター活動(2006-2007)、その後ユーラシア大陸を横断して、ヨーロッパ、アフリカへ。2008年秋に帰国し、現在京都在住。著書に『旅に出よう』(岩波ジュニア新書)がある。

「2010年 『遊牧夫婦』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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