西洋の名建築がわかる七つの鑑賞術

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  • エクスナレッジ
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  • Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784767830049

作品紹介・あらすじ

このたった7つの要点を押さえるだけで、
西洋建築のどこがすごいかが見えてくる!

1.西洋建築の多くは看板建築です

2.石だけじゃなく、木と石でできています

3.鉄とコンクリートという大発明が
建築を大きく変えました

4.ローマ・ギリシアの建築技術は
実は長い間、失われていました

5.初期キリスト教建築への尊重(原点回帰)が
建築様式を生み出したのです

6.西洋建築は横へ広がる建築(古典主義系)と、
縦にそびえる建築(ゴシック系など中世系)に
分類できます

7.インテリアは美術とともに発展しました

本書は分かりやすい解説文章と共に
名建築の写真や図版をたくさん掲載。
歴史的な流れを体感しながら
西洋建築を鑑賞する術を
自然に身につけることができます。

感想・レビュー・書評

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  • 古典から近代建築はしらべつくされているのか、技法などに新しさはなく独自の「鑑賞方」で差別化するしかないかもしれません。

  • ■序章:ウィトルウィウスと『建築十書』
    ・「建築」という言葉はそんなに古くありません
    ・大事なことは五つ、まずは建築家の心得から学びましょう
    ・建築設計にとって大事な点は二つあります
    ・「建築」は3種類、「建築物」は2種類あります
    ・「用強美」ではなく「強用美」です

    ■一の書:柱の建築と壁の建築
    ・古代ギリシア・ローマの円柱のデザインは「オーダー」とよばれるようになりました
    ・パルテノン神殿は柱によっても壁によっても支えられています
    ・神殿はカラフルな多くの彫刻や装飾で飾られていました
    ・ニームの「メゾン・カレ」ではオーダーが柱ではなく壁の一部になりました
    ・ブルネレスキがオーダーを復活させました
    ・アルベルティにとって建築物は壁と屋根でできていました
    ・マニエリスムの建築家たちはオーダーのコラムはレリーフだと割りきりました
    ・最も看板建築度が高いのはバロック建築です

    ■二の書:木の建築と石の建築
    ・古代ギリシア・ローマ建築の円柱は木造建築の名残ですか
    ・神殿の円柱の膨らみは法隆寺の円柱の膨らみへと伝わっていったわけではありません
    ・大理石は遠くから調達することもありました
    ・ここで教会堂の基本的な構成を説明しておきましょう
    ・キリスト教が認められたので教会建築が誕生しました
    ・ラヴェンナの教会堂群には初期キリスト教時代の息吹が感じられます
    ・東ローマ帝国では画期的なドームが生み出されました
    ・石で天井を作るのは大変です
    ・ゴシック建築は石造だけれども光あふれる軽快な空間です
    ・パリのノートル・ダム大司教座聖堂の火災で燃えたのはどこでしょう
    ・大聖堂はいつ完成するのでしょう
    ・木と土の城は石の城になりました

    ■三の書:西洋近代建築のさまざまな試み
    ・コラムをレリーフではなく「柱」として用いた建築家もいました
    ・コラムを「柱」として用いた建築物はスペインにもありました
    ・テンピエットが新たな「古典」となりました
    ・コラムを「柱」とするのは机上の空論かもしれません
    ・じつは古代ギリシア建築はあまりよく知られていませんでした
    ・石材や煉瓦以外の材料も大量に使われるようになりました
    ・鋳鉄の使用から新たなデザインが生まれました
    ・ガラス・ブロックも新しい空間を生み出しました
    ・結局、材料が変わるとデザインも変わらざるをえません
    ・高価な材料を用いた装飾は不滅です
    ・モダン・ムーヴメントの建築は理想としての軸組構法建築物を実現させました

    ■四の書:建築のサバイバル
    ・多神教の神殿をキリスト教の教会堂にしてみました
    ・古代の城門も教会堂にしてみました
    ・中世の王たちは古代ローマが大好きでした
    ・ピサの人々は戦利品として古代ローマ建築の部材を持ち帰りました
    ・石で天井を築くのはいろいろと大変です
    ・再建の仕方にもいろいろあります
    ・古代ローマ人は火薬を知りませんでした
    ・築城の攻略も防衛も地味な作業です
    ・建てられるかどうかわからないけれど描いてみました
    ・自分で建てた建築物を理想の都市に変えてみました
    ・面白い仕事でしたが市民に嫌われてしまいました

    ■五の書:建築様式の誕生
    ・初期キリスト教建築の保存か取り壊しか復興か、時代によってさまざまな検討がありました
    ・燃えてしまったので、元のもののデザインでもっと華やかに建ててみました
    ・フランソワ1世はフランスに新しいローマを作ろうとしました
    ・廃れてしまったデザインのリヴァイヴァルから「様式」が生まれました
    ・世界の建築の歴史への興味が湧いてきました
    ・英国のゴシック・リヴァイヴァルは新たな庭園の様式から生まれました
    ・オリジナルのゴシック建築の修復も進みました
    ・建築事業が途中で止まってしまっていたゴシック建築の工事も再開されました

    ■六の書:古典主義建築と中世系建築
    ・古代ローマ人は高さではなく広がりに壮大さを求めました
    ・古代ローマの巨大建築コロッセウムの外観にはオーダーが4段重ねられました
    ・スーパーコラムニエーションによって高さを求めるには限界があります
    ・フランス最大のゴシック教会堂建築はなんでしょう
    ・パリのノートル・ダム大司教座聖堂はわりと短い期間で建てられました
    ・フランス王の戴冠式はパリではなくランスで行われました
    ・パリのノートル・ダム大司教座聖堂のインテリアがバロック的装飾で満たされました
    ・ローマ・バロック建築は求心性と高さを追求します
    ・西洋宮殿建築は高さを求めません
    ・ヴェルサイユ城館と庭園は無限に広がる空間を目指します
    ・フランス風グランド・デザインは都市計画にも用いられました
    ・エッフェル塔が建てられたのはパリの新たな都市軸の上でした

    ■七の書:建築とインテリア
    ・教会堂はキリスト教の物語を壁で語ります
    ・教会堂はキリスト教の物語を窓でも語ります
    ・キリスト教の宝物箱として礼拝堂を建てた王様がいました
    ・絵の中に空や建築物を描き込んでみると空間が広くみえます
    ・邸宅の中央で小宇宙が燃えています
    ・古代の神々が登場する絵画や彫刻はヨーロッパ諸国にも伝わっていきます
    ・メディチ家の宮殿でもヴェルサイユ城館でも小宇宙が燃えています
    ・壁面に描かれた諸国の人々が私たちを見下ろしてきます
    ・バロックの教会建築でも空が描かれました
    ・絵画に代わって鏡が空間を広くみせるようになりました
    ・大きな鏡の向こうに別世界が広がります

    ■付章:西洋建築をよみとくためのキーワード

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著者プロフィール

フランス近代建築史、ヴェルサイユ宮殿研究の日本における第1人者 工学院大学建築学部准教授

「2013年 『装飾と建築』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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