誰も伝えなかった ランドスケープ・フォトの極意 (玄光社MOOK)

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  • 玄光社
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  • Amazon.co.jp ・本 (167ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784768304891

感想・レビュー・書評

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  • 写真というより著者の写真家としての生き方を描いたような本だと思った。

    とにかく誠実に写真と向き合う著者の姿勢はさすがプロだと思うと同時に自分は完全に真似することはできないと感じた。ただ自分が撮りたいものに誠実に向き合うという姿勢は忘れないようにしたい。
    印象的だったのは、写真の技法は評論家やキュレーターが作品の評価のために用いる者であって写真家が撮るときに黄金比だのを意識していると本末転倒だという指摘だ。素人である自分はまだまだ技法に頼ってしまうが、基本的な撮り方の理解を身に付けてからは技法に囚われずに自分の魂で撮ることを意識したい。

  • 写真家の相原正明が自身の写真に対する哲学を語った一冊だ。
    とにかく真剣勝負、常に準備万端で一瞬の光景を見逃すな、ということを繰り返し語っている。
    単純に写真が好きだなぁ、というだけの自分には「すごい覚悟・・・」という感想しかないけれど、セミプロやそれを目指しているアマチュアには有効なアドバイスなのかも。
    自分の自慢的な要素も散見されたけれどそれだけの実績がある人なんだと思うし、本文中にもあるとおりそれくらいの自我や自負がないと世界では通用しないのだろうと思う。
    掲載されている写真が美しかった。

  • ある意味、良くある撮影ガイドブックに書かれていることとは正反対のことが書かれています。

    人気の撮影地で大勢が三脚を並べて同じような視点で写真を撮ることに疑問を感じる方、撮影ガイドブックに載っている作例の撮影方法には興味がなく自分だけの世界や表現方法を見つけたい方には、写真を撮る上で目指したい方向性、心掛けたいポイントが数多く綴られていてとても参考になります。

    風景をアートとして切り取りたいと思い、それを目標としている自分にとって心に響く言葉が多数ありました。

    ですので美しい風景を見るとつい興奮してしまい、そのような心の状態では記録写真を量産することにしかならない。の言葉が心に突き刺さります。

    集中して見ないとただ眺めているだけの写真しか生まれない、天気が悪い時こそ美味しい時間、大胆に切り取り繊細に表現することの大切さ、日本画からアートを学べ、自分だけの哲学を持て、など、他にも有り難い厳しいお言葉、素晴らしいお言葉で溢れています。

    自分の目指す方向性が分からなくなった時、どのような心で風景を切り取ったら良いか迷いが出た時に、その都度開きたくなるような本に感じました。

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著者プロフィール

1958年東京都出身。日本大学法学部新聞学科卒業。学生時代より北海道、東北のローカル線や、ドキュメンタリー、動物、スポーツ写真を撮影していた。卒業後、広告代理店勤務。1988年に退社し、その年にオーストラリア単独撮影ツーリングに向かい、彼の地にて大陸とネイチャーフォトの虜になる。その後、30年間オーストラリアを撮り続けている。撮影行ではホテル等は使わず、必ず撮影場所でキャンプして大陸と一体になることを心掛けている。日本人としてはじめてオーストラリアでの大型写真展を、オーストラリア最大の写真ギャラリー・ウィルダネスギャラリーで開催して以来、世界各地で写真展を開催。2019年5月~6月には東京・銀座のLUMIX GINZA TOKYOにて写真展「Earthrait 光彩の大陸 オーストラリア」を開催。写真集は「砂の大陸」「地球日和」「天のしずく」「静かな場所」ほか。2005年よりタスマニア州親善大使の称号を持つ。

「2019年 『Earthrait 光彩の大陸 オーストラリア』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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