精神病院はいらない!: イタリア・バザーリア改革を達成させた愛弟子3人の証言

著者 :
制作 : 大熊一夫 
  • 現代書館
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784768435502

感想・レビュー・書評

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  • 勉強会で付録の「むかしmattoの町があった」を見たのち、本も読んだ。熱量を感じてすごくよかった。勇気づけられた。うらやましくなった。
    患者さんやネットワークメンバーとの関わり方について、思っていた以上にオープンダイアローグとの共通点があって驚いた。同時に、ODは対話という哲学を突き詰めているところが相違点なのかもしれないと感じた。
    印象深かったのは、「精神病院がある限り、地域精神保健サービスは敗北する」という言葉と、「クライシスを好機と考える」という考え方。そして、トリエステでは患者や医療関係者のみならず一般市民もこの革命に参画していた、(もちろん反対意見もあったろうけれど、一部は)賛成していたという様子が感じ取れたこと。「むかしmatto
    〜」の視聴率20%超えというのはすごい。繰り返しになるが、うらやましい。私たちには何ができるだろう。

  • 493.7

  • DVD付きの対談と解説本。
    映画の評価としておもしろかった。
    考えさせる作りの二枚組の約3時間ボリューム。
    人間は人間という社会生活の中にいることが自然だとよくわかる。
    精神病院は理想像なのか?イタリアの法律改正に戦ったものたちの礎からは人権とは何かが問われる。
    苦しいから狂うのか、狂うから苦しいのか。

  • 【人として関われば良い】
    イタリアのトリエステで、精神病院を廃止し、精神障がい者を地域で暮らすことができるように「大改革」を行った精神科医のバザーリア氏、その哲学を引き継いだトリエステ歴代精神保健局長達の、日本における公演の記録である。

    精神科医や精神保健局長という「権威」が行ったのは『ソーシャルワーク』だった。
    精神障がい者に正面から向かい合い、話し合い、共感する。
    権威がある人にそんなことされたら敵いません。
    残念なのはイタリアでも日本でも「対抗勢力」が少なからずいること。
    DVDがまた素晴らしい!

  • 棚番:D13-01

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著者プロフィール

ジャーナリスト、東大(科学史科学哲学)卒、元朝日新聞記者、元大阪大学大学院教授(日本の国立大学初の福祉系講座の初代教授)。1970年に都内の私立精神病院にアルコール依存症を装って入院、『ルポ・精神病棟』を朝日新聞に連載。鉄格子の内側の虐待を白日のもとに。『ルポ・精神病棟』(朝日新聞社)、『精神病院を捨てたイタリア捨てない日本』(岩波書店)など著書多数。2008年フランコ・バザーリア財団からバザーリア賞を授与。


「2016年 『精神病院はいらない!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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