- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784772410953
作品紹介・あらすじ
ナラティヴ・セラピーの創設者である著者の20年以上の経験の集大成として書かれた本書は、ナラティヴの体系とテクニックを理解し、実践するための決定的なガイドである。「外在化する会話」「再著述する会話」「リ・メンバリングする会話」「定義的祝祭」「ユニークな結果を際立たせる会話」「足場作り会話」というナラティヴ・セラピーの六つの主要な技法を、実際の臨床場面でどうやって用いればよいのかが、トラウマやアディクション、摂食障害やDVといったケースでの実際の面接の逐語録と、詳細な解説によって示される。また面接の進行の様子がチャートとして地図化され、人々の人生のストーリーがいかに治療的可能性にあふれたものであるのかがより良く理解できる。初心者がナラティヴ・セラピーの何たるかを知るに格好の書であると同時に、経験を積んだセラピストにとってもナラティヴ・セラピーの魅力を繰り返し発見させられる、マイケル・ホワイト最後にして最高の1冊である。
感想・レビュー・書評
-
マイケル・ホワイトによるナラティヴ・セラピーのガイドブック。表題の通り、ナラティヴ・セラピーの治療過程が地図のメタファーを用いて解説されている。セラピストとクライエントのやりとりが生き生きと描かれており、クライエントが自身の物語をより豊かなものにしていく過程が垣間見えた。
「外在化する会話」「再著述する会話」「リ・メンバリングする会話」「定義的祝祭」「ユニークな結果を際立たせる会話」「足場作り会話」といったナラティヴ・セラピーの技法の解説は、上述した地図のメタファーにより見事にまとまっている。これらの技法から新たな視点を得ることができた。
また、本書に出てくる「アウトサイダーウィットネス」という、ボランティアに参加してもらうというアプローチは画期的ではあるが、日本ではなかなか馴染まないアイデアかもしれない。しかし、大切なのは技法をそのまま取り入れることではなく、そのエッセンスであると考えられる。その意義については今後検討していきたい。
本書を通して、クライエントの語りを物語のように聴くこと、その態度こそがクライエントに対する好奇心を賦活させることであると学んだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「ナラティブ・メディエーション」を読んで、衝撃をうけた「ナラティブ・アプローチ」。
その創始者のマイケル・ホワイトの最後の著作。
最初は、ちょっと難しい感じがして、なかなか読みにくかったが、最初の数十ページを読むと、だんだん調子がわかってきて、徐々に読むスピードが早くなってくる。
ナラティブ、名前は知っていたのだけど、なんとなくイメージしていたものとは違う。
そのアプローチのいくつかは、コーチングのスキルなどにも組み込まれているものもある気がするが、その前提になっている思想が全然ちがうな〜。
とにかく衝撃だな〜。
ちょっとこれはハマりそう。 -
人々の表現に焦点を当てること。
イメージに焦点をあてること。
個人的な共鳴、と忘我。