病いは物語であるー文化精神医学という問い

著者 : 江口重幸

• 金剛出版 (2019年11月30日発売)

作品紹介・あらすじ

なぜ臨床場面に民族誌（エスノグラフィー）が必要なのか？　著者は文化精神医学や医療人類学の方法論を精神科の日々の臨床にいかに蘇生させるかということを，ライフワークにしてきた。本論集はその集大成ともいうべき労作である。
かつてＡ・クラインマンは，台湾をフィールドとする著作のなかで，憑依状態で治療にあたる現地の童乩（タンキー）を，癒しにおいて間違いなく西洋医にまさるものと結論づけた。ここで作動しているローカルな知を現代医療において生かす方法は何かと著者は問う。現代精神医療の変容（「大きな物語の終焉」），物語論の始原へと遡るジャネの心的治療論，民俗学への架橋，そして医療自身のもつ文化をたどりながら，読者は対話場面で偶発的に溢れるように語りだされる患者や家族の「もう一つの物語」を聴くことになるだろう。
精神療法は文化とどこで出会うのか？　心的治療の多様性とは？　臨床民族誌という方法を理論にとどまらず身体技法として身につけるにはどうしたらよいか？……本書（本論集）はこれらを模索する試みである。

感想・レビュー・書評

[kulibmdさんの感想 · 2024年3月6日]

2階書架 : WM100/EGU : https://opac.lib.kagawa-u.ac.jp/opac/search?barcode=3410164523"

[東京大学医学図書館さんの感想 · 2020年9月3日]

9月新着
東京大学医学図書館の所蔵情報
https://opac.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/opac/opac_search/?amode=2&kywd=4311476313

著者プロフィール

東京武蔵野病院

「2019年 『Ｎ：ナラティヴとケア 10』 で使われていた紹介文から引用しています。」