人類を変えた素晴らしき10の材料: その内なる宇宙を探険する
- インターシフト (2015年9月28日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784772695473
感想・レビュー・書評
-
自分の専門分野である「コンクリート」の章を読むに,ほぼ違和感なく読めたことから,恐らく他の章もそれなりにきちんと書かれているのだろうと思う.
紹介されているのは,鋼鉄,紙,コンクリート,チョコレート(?),泡,プラスチック,ガラス,グラファイト,磁器,インプラントである.そもそも「材料」とは定義が非常に難しく,どのスケールで論じているかによって,様々な解釈が成り立つ.そのため本書で取り扱った「材料」も様々なものが混在しているが,それぞれ丁寧で分かりやすい紹介がなされているように思う.詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
《この本を選んだ理由/おすすめコメント》
「何これ面白そう!」と思いました。
普段親しんでいるものについて深く知ることができそうな本です。
(薬学部 医療栄養学科) -
大崎Lib
-
160910 中央図書館
鋼鉄、コンクリート、チョコレート、紙・・。いろいろな「材料」こそ科学の化学の勝利の証だ。 -
材料を研究する著者の好きなモノ並べてみました!という感じ。
どんな風に人類が変わったのか、どうしてこの10個が選ばれたのか?その辺の理由は分からなかった。 -
人類を変えた〇〇の発明、というのはよく考えるが、材料という観点は意外に新鮮。たしかに人類の歴史は材料革命とともに進歩してきたといっても過言ではない。特に日本人になじみ深いのは炭素系ではないだろうか。高炭素鋼と低炭素鋼のいいとこどりをすることで世界に誇る日本刀が誕生した。そういう意味では、日本人は古来からハイブリッドを得意としてきたのかも。最近では炭素繊維もそう。素材・化学に強い日本は、歴史的バックグラウンドにきちんと裏付けられていたようだ。
-
No.826
-
スプーンの味にじゃまされることなく食事できるのも、カミソリの刃を使い捨てできるのも、英知を記録することができるのも、黄金色のビールを楽しむことができるのも、すべてこれらの材料のおかげ。
材料科学の一般向け読み物です。
扱っている材料は、鋼鉄、紙、コンクリート、チョコレート、フォーム(泡)、プラスチック、ガラス、グラファイト、磁器、インプラント。 -
材料科学の入門書。
何かをする時に、あるいはそうでない時にも触れる色々なもの、その材料について解説する本。書きぶりはエッセイ調なので非常に読みやすいです。
「人類を変えた」というタイトルからすると、歴史と絡めて考証するのかなと思いましたが、実際はもっとふわっとした書きぶりでした。
日常を暮らす上で当たり前に生まれる疑問、例えば「なぜスプーンは味がしないのか」「偽札防止の仕組みって?」「チョコレートに病みつきになる理由は?」といったものに答え、材料科学の深淵をちょっと覗いた気持ちにさせてくれます。
体系的に良くまとまっている、というよりも何となくメジャーな材料の、面白そうな要素を抜いてきました、という感じ。気軽に読むには良いんじゃないでしょうか。
どうでも良い話ですが、著者はドジっ子的な体質をお持ちなんでしょうか。それでいて結構自分のエピソードを盛り込んでいるので、そこらへんは洋書らしいなぁと思いました。 -
さまざまな領域に言及しながら材料科学のことを述べている本だった。映画仕立てのプラスチックの項やカミソリの項などは単なる科学本の面白さを超えていた。面白かった。身の回りに溢れる材料をマルチスケールで見ると、とても興味深いモノであふれていることがわかる。人が作り出したモノで人が逆に作られ、また人がモノを作り出していくのだろう。