正義から享楽へ-映画は近代の幻を暴く-

著者 :
制作 : 発行 blueprint 発売 垣内出版 
  • 垣内出版
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784773405026

作品紹介・あらすじ

クリントン的"正義"とトランプ的"享楽"。"世界"の核心に迫る、宮台真司の最新批評集。黒沢清、相澤虎之助・富田克也との特別対談収録。

感想・レビュー・書評

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  • ☆☆☆この本はTBSラジオで紹介されていたから購入してみました。宮台氏が語っていた、『この世界の片隅に』や他の映画の解説には独特な深みがあったので、自分が今年観た映画を宮台氏がどの様に解釈しているのか、またこれから観ようとする映画のひとつの覗き窓が得られればと思って購入しました。
    しかし、彼の言葉は難解過ぎ、彼の描く映画の洞察の世界に私を誘うには、自分が手に入れなければならない知識が数多く存在していることを知らされた。

    既に観た映画についての解釈の部分は、彼の言わんとしていることは理解できたので、他の映画についても、ひと通り目をとおして、映画の鑑賞に臨もうと考えている。

    映画は、観る人それぞれの経験に基づく世界観をとおして観るものだから、「これがこの映画の観かただ!」なんてないものだ。ただ、いろいろな人の映画評論に触れることによって、自分の観かたの幅を広げ、柔軟になることは間違いない。それは、それ以降の映画の観かたに繋がってくる。

    この本では書かれていなかったが宮台氏がTBSのラジオ番組で語っていた「エンターテイメントとアートの違い」がたいへん説得力があったのでそれを添えておきます。『エンターテイメントは喜びや、癒しのための一時的な場であり、時間を与えられたに過ぎないけど、“アートは相手に傷をつける行為”そのアートに触れたら、元には戻れないものだ。つまり離陸前と着陸後は違ったものにさせてしまう力をもつものがアートだ』

    私は良い映画でこのコメントで言われている意味を何度味わったことかしれない。
    2017/01/04

  • Webサイト『リアルサウンド映画部』連載の実存批評2015-2016。表現したいことを伝えるために映画を利用する。トランプ大統領誕生は必然、正しいけれどつまらないリベラルの退潮、享楽が欠けているという事実に鈍感。

    映画20点、知っているのは2点で観たのは1点。映画も本も、そこまで読み取れるのか、読まなくてはならないのか。自分は全然読めてないです。

  • 社会はそもそもクソである
    という前提で作られる映画

  • 塩田明彦の本が技術についての理解を深める本だとすれば、これは映画から世の中を考える方法を学べる本。本音を言うと、作者の使う言葉が非常に難解で半分も理解できていない。映画というものからここまで社会や思想を考察することができるものなのかと、ただただ驚く。映画監督も無意識で込めた意味を読みとき、世の中に伝えていくことが批評家の役目なのであれば、宮台さんは十分その役目を果たしていると思う。正しいことのつまらなさ、正しくても楽しくない、離陸→混沌→別の場所への着陸、印象に残った言葉がこれ。この人の本を他にも読んでみたい。意味は完全には理解できないのだろうが、なにかがありそうな予感がしている。

  • 映画を多角的に見ているのに、どのようにしてストーリーを理解するのか、不思議です。

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著者プロフィール

宮台真司:1959年宮城県生まれ。社会学者、映画評論家。東京都立大学教授。1993年からブルセラ、援助交際、オウム真理教などを論じる。著書に『まちづくりの哲学』(共著、2016年、ミネルヴァ書房)、『制服少女たちの選択』(1994年、講談社)、『終わりなき日常を生きろ』(1996年、筑摩書房)、『私たちはどこから来て、どこへ行くのか』(2014年、幻冬舎)など。インターネット放送局ビデオニュース・ドットコムでは、神保哲生とともに「マル激トーク・オン・ディマンド」のホストを務めている。

「2024年 『ルポ 日本異界地図』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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