台湾新世代―脱中国化の行方

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  • 凱風社
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  • Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784773628104

作品紹介・あらすじ

二〇〇四年三月の総統選挙でTAIWANは再び変わるのか?世代交代は-政治でも文化でも確実に進んでいる。大変化の潮流の中で中国との両岸関係や愛日、親日、嫌日もきちんと見つめる必要がある。

感想・レビュー・書評

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  • 李登輝は1995年、当局を代表して、2・28事件についての責任を認め、初めて公式に謝罪した。国民党内で李登輝をトップとする本省人が主流になるにつれて、人口の約13%の外省人の危機感が高まってきた。
    中国からの密入国者があとを絶たない。労働費用が安いから、密入国とわかっていても工事現場で使っている。

  • 以下、概要。

    ○陳水偏さんは現実主義。

    中国が繰り返し求めた「1つの中国」の原則受け入れをには応じない代わりに、中国が武力行使しなければ、
    ? 独立を宣言しない
    ? 「二国論」を憲法に持ち込まない。
    ? 統一か独立かを問う住民投票はしない
    ? 国名(中華民国)を変えない。
    ? 国家統一綱領と国家統一委員会を廃止しない

    という「5つのノー」を中国に約束した。

    選挙期間中は独立派の集会に出席して、「台湾の主権独立万歳」と叫んだりもした。

    ○ 中国と比べて、台湾は民主化に成功しているし、言論の自由などもある。

    しかし一方、自由すぎるという面もある。

    取材相手の人権を全く尊重しないし、公益に関係ない私人のプライバシーを大々的に報道したりする。

    ○ 日本統治時代を経験した「日本語世代」は日本語がうまいだけではなく、日本の文化や歴史などにも造詣が深い。

    その日本語世代もおおむね70歳を超え、年々社会の第一線から姿を消しつつある。

    同じ戦中派の台湾人でも外省人(中国出身者)は反日感情は強い。また本省人(台湾出身者)でも戦後育ちの人たちは、国民党政権下で受けた反日教育により、反日感情が強い人がいる。

    「ハーリーズー」と呼ばれる若者たちは、日本のサブカルチャー好きな人たちもいる。

    親日と反日。民主社会では多様な価値観が並存するのは自然なこと。

    ○ 1972年の断交以来、日本は政治・外交的に遠い関係にある。

    同年9月に結んだ日中共同声明で、日本政府は「台湾は中国の領土の不可分の一部である」とする中国の立場を「十分理解し、尊重する」と約束した。

    それ以来、日本政府は台湾が存在しないかのような態度をとり続けていた。

    しかし、断交後30年たった今では、台湾は民主化を成し遂げ、日台間の民間交流は深まっている。

    政治面では、日台関係はどうなるかはわからないけど、民間面では、同じ民主主義同士仲良くやれる可能性があるかな。

    そのためにはやっぱり働きかけみたいなものが必要だね。

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著者プロフィール

1956年神戸市生まれ。1979年神戸大学経済学部卒業、毎日新聞社入社。香港支局長、台北支局長、大阪本社経済部長、論説副委員長などを歴任。1994~1995年、香港中文大学に留学。2014年追手門学院大学経済学部教授、2017年同大学オーストラリア・アジア研究所長兼任。著書に『米中台 現代三国志』(勉誠出版、2017年)、『交錯する台湾認識――見え隠れする「国家」と「人々」』(共著、勉誠出版、2016年)、『アジア実力派企業のカリスマ創業者』(中公新書ラクレ、2012年)、『反中vs.親中の台湾』(光文社新書、2008年)、『続・台湾新世代――現実主義と楽観主義』(凱風社、2005年)、『台湾新世代――脱中国化の行方』(凱風社、2003年)など。

「2021年 『彭明敏 蔣介石と闘った台湾人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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