ひとはどこまで記憶できるのか ―すごい記憶の法則― (知りたい!サイエンス)

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  • 技術評論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784774146485

作品紹介・あらすじ

忘れ、間違えることで記憶は作られる。記憶にとって間違えることは良いことなのである。脳が長年かかって獲得した記憶の能力は生きるための脳の戦略でもある。この記憶を理解することは人間を深く理解することでもある。

感想・レビュー・書評

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  • 研究結果をもとに、記憶のメカニズムについて解説している。が、よく理解して読み進めないと途中で頭に入ってこなくなり、飽きる。ぼーっと読んでいるだけでは身に付かない。
    最後の章に記憶力をよくする12か条が記載されているが、基本的に樺沢紫苑先生の主張している内容通り。
    2011年初版発行なので内容が古い可能性あり。

  • 幅広い情報をライターさんが上手にまとめています。記憶と脳の仕組み、記憶術、記憶に関する諸説、症例、薬、映画の紹介まで分かりやすく読めました。
    忘れることが健全な記憶を保つうえで大事、ということが諸症例を引きつつ語られています。

    以下はメモ。
    ○記憶の種類
    短期記憶:感覚記憶(数秒)、ワーキングメモリ(数分)
    長期記憶:エピソード記憶(経験)、意味記憶(抽象的)、手続き記憶(体の使い方)
    ○記憶のステップ
    記銘:短期記憶
    保持:短期記憶が長期記憶になる
    想起(再生):思い出す
    再固定化:再生された記憶は不安定な状態になる。干渉を受けて記憶が曖昧になることもある
    ○記憶とは
    ・記憶を担うのは、神経細胞とシナプスによって形成される神経回路のつながり方とういのが有力な説。
    ・新しい記憶が形成されるとは、シナプスの伝達効率が上がり、新しい神経回路ができること。→シナプスの可塑性
    ・ある記憶が繰り返し思い出されると、神経細胞に強い電流が流れ、受容体が増え、シナプスでの情報伝達がよりスムーズになる。この状態が長期間続くこと→LTP(long term potentiation、長期増強)
    ・逆に、小脳の神経細胞では、間違いを起こしたときの電気信号を抑圧するような現象が生じる。「これは間違いだ」という信号が流れ、間違いを起こした信号を受け取らなくなる。→LTD(long term depression、長期抑圧)→手続き記憶形成の仕組み
    ●疑問点→「これは間違いだ」という信号はどうすれば生じる?
    ・記憶の想起とは、パーツを集めてコラージュのように再構成するプロセス。ネコという記憶であれば、形、色、鳴き声といった要素に分けられそれぞれ脳の異なる部位に保存されていたものを瞬時に統合されることで思い出される。(re-member)
    ○学習とは
    学習とは、単に知識を蓄積することではなく、その知識を処理するプログラムをより高度なものへと作り替えていくこと。
    レム睡眠は、新しい情報を過去の体験と統合し、将来のためのより豊かなネットワークを構築するプロセス。
    ○小ネタ
    ストレス→海馬が萎縮、記憶が妨げられる
    五感の刺激(特に自然に触れる)→脳に刺激→海馬が活性化→ストレス軽減
    アルコール→前頭前野を縮小、長期記憶が作られにくい
    イヤな記憶を忘れるには→楽しい新しい記憶で古い記憶に上書きするのが良い。ヤケ酒は逆効果。
    スマートドラッグ→アルツハイマー治療薬が記憶力の増強に効果。
    メタ記憶=自分の記憶についての知識(認知心理学の概念)
    偽の記憶→記憶は簡単にすりこまれ、本当の記憶と区別できない
    抑圧された記憶→フロイトを拡大解釈した理論。論争中で結論が出ていない。むしろ、衝撃的な情動体験を伴うと記憶は強化される。

  • われわれの脳は、覚えられないのではなく、忘れることができるのだ。正確に記憶できないのではなく、まちがえることができるのである。

    記憶に関する様々を網羅し、有名事例だけでなく映画の紹介、コラムと、これ1冊でお得な本です。

  • ながらく積ん読状態にあったがようやく読了。真知さんの暖かみのあるわかりやすい文章によって、記憶や脳のことが語られる。これを読んで、電子ではなく紙の本のほうがすぐれてると思わされた。記憶するための要素が神に比べ、電子は少なすぎるのだ。

  • 本書は1960年生まれの科学ライターが2011年に刊行した、記憶について初歩的な知識を易しく説明したもの。中学生以上なら四、五時間あれば読める。

    (感想)
    個人的に目新しいものはなかった。心理学の概説書にある「記憶」の項目を詳しくした感じ。

    (メモ)
    ・著者と大村正樹氏のラジオ対談を見つけた。
    「人間の脳と記憶」(1)――文化放送 2011.10.15
    http://www.joqr.net/science-kids/backnumber_111015.html

  • ①記憶法の具体的な方法は?
    ・あきらめず思い出す努力
    ・覚えている間に復習
    ・レム睡眠中や集中時に出るシータ波を出す
    ・カフェイン○→海馬の神経細胞を刺激
    ・アルコール量↓
    ・覚えたら寝る
    ・読書は関連のあるものを読む
    ・メモを取らないで覚えておく意識き

  • 記憶について考えた
    人間の記憶力は自分で鍛えれるなと感じた、
    アインシュタインの言葉
    「教育とは学校で習ったことをすべて忘れてしまったあとに残っているものである」

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著者プロフィール

作家。あひる商会CEO。

「2023年 『高校生と考える 21世紀の突破口』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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