ニートの歩き方 ――お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法
- 技術評論社 (2012年8月3日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784774152240
感想・レビュー・書評
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著者、phaさんの著書、ブクログ登録は3冊目。
私よりも18歳位若い方である。
若い時分に会社を辞めて、定職に就かずに生活をされている方である。
今の自分は、phaさんの生き方も良いなと思ったりしている。
実際、自分の場合は、年齢が60歳になっており、一度定年退職しているので、今の会社を辞めてニートになることは、それほど不自然ではない。
まあ、この歳では、ニートとは言わないか?
で、こちらの本は、228ページまで読んで、終了。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
H27.3.18読了 近所図書館
感想
今までは、ニートなどの怠け者を国が助ける必要はないのでは?と思っていたが、本書を読み、ニートになってしまった責任は本人には半分くらいしかないのだなぁと感じ(貧困家庭など環境の問題、低成長時代等世代の問題等)、やはりそこは社会が最低限度の生活を保証すべきと思い直した。
それから便利さを求めるあまり、労働者は自らの首をしめているといった趣旨の言葉があったが、私もいつもそう感じていた。(24Hコンビニ、1分も遅れない電車)社会全体がいいイミでてきとーで寛容になれば、精神病、過労死等はほぼなくなるのではないか。 -
幸せの形、生活の形は様々だと教えてくれる本。お金のかからない趣味を持ち、ネットでの人とのつながりとニートに適性のあるタイプなら、生きづらさを我慢して、社会の枠にハマらなくても、楽しくやっていく方法はあるから大丈夫。そんなふうに言ってもらえた感じ。家族って形じゃわなくても、支え合って暮らす方法があっても楽しいよね!
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著者です
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レールから外れたら、
もう生きる価値はないのか?
いや。一般的ではない生き方でも、
その人が選んだのならそれでいいのだ。 -
「この本は、かつての僕と同じように「人間はちゃんと会社に勤めて真面目に働いて結婚して幸せな家庭を作るのが当たり前の生き方だ」という社会のルールにうまく適応できなくてしんどい思いをしている人が、いろんな生き方があると知ることで少しでも楽になればいいな、と思って書いたものだ。」(p4)
その気持ち、とてもよくわかる。毎日だるい。天気がいいのに会社にこもってで9時間も10時間もパソコンに向かって仕事するとか耐えられない。そんなことより散歩したくなる気持ち、めちゃめちゃわかる。京大卒の著者は「もったいない」と周りに非難されながらも安定した(しかし暇すぎて2~3時間仕事した後ずっとゲームしている)職を辞してニートになった。
しかし著者は厳密に言えばニートではない。ニートは普段収入となる仕事をしていないが、著者はアフィリエイト等である程度収入を得ている。 著者自身が述べているが、「仕事をあまりしないフリーランスの人」といった方がしっくりくる。
【ニートとは】
Not in Education, Employment or Trainingの略。 NEET。就学・就労・職業訓練のいずれも行っていない人のこと。日本では、15〜34歳までの非労働力人口のうち通学・家事を行っていない者を指す。
ニートとはイギリスから持ち込まれた概念であるが、日英で定義が異なる。詳しくは以下より。
乾彰夫『不安定を生きる若者たち―日英比較:フリーター・ニート・失業』
https://booklog.jp/item/1/4272350242
著者が考える「仕事辞めても大丈夫かなと思った条件」
1.人とのつながり
SNSなどのゆるいつながりがあれば生きていける。
2.暇潰しにやること
中島らも「自分一人で時間を潰すことができる能力を『教養』と呼ぶのである。」
できるだけお金をかけずに時間をつぶすことができる人はニートになれる。
3.最低限のお金
著者は仕事を辞めたとき300万ほどの貯蓄あり。当面の生活には困らない額が必要。
「お金がないと生きていけない」「お金を稼ぐには働かなければならない」という事実に納得がいっていないし憎悪している著者。この辺の主張は栗原康『はたらかないで、たらふく食べたい 「生の負債」からの解放宣言』と似ている感じがする。
https://booklog.jp/item/1/4907053088
「会社に自分の時間を売ってお金を得たけれど、その得たお金でまた時間を買い戻しているだけのような気がした」と、まさに今私が思っていることを代弁してくれている。「それは本当に本末転倒というか、何をやっているのか意味が分からないなーと思ったし、別にお金があんまりなくても時間さえあれば僕は十分楽しく暮らせるような気がしたので仕事を辞めたのだった。」
後半はニートを実践するにあたってのアドバイスや情報を提供してくれる。猫を飼うといいとか、おすすめの本とか、公的支援とか。仕事辞めたいなーと思った人に薦めたい本。 -
ニートに関する考察は非常に興味深い。人類全体を捉えたらニートもその構成の一部であるに過ぎず、必要悪であるとか、そういう視点もあったかー!という感じ。
自分自身、フリーランスなのでこの本にある感覚ってそんなに驚くような感じではないんだけど、ゴリゴリのサラリーマン気質の人が読むと、新しい世界が開けるのかもしれない。
ニートって仕事の殆どないフリーランスと一緒でしょ?っていう下りには笑ってしまった。その通りかも(笑)
全体を通して思ったのは、ニート(といっても色々なスタイルがあると思うけど)の暮らしぶりは”ゆるーいホームレス”みたいな感じだなと。
著者は現在30代ということなので、今後10年おきくらいにニート生活を発表して欲しい。ニートで一生を終えるという新たな領域へと踏み込んでほしい。
・・・とかいいつつも、ニートっていう言葉が出来ただけで、その昔から仕事もしないでブラブラしている人はいた訳で、そんな人が市民権(発言権)を持てる時代になっただけなのかなとも思う。 -
【感想】
いい意味で毎日、頑張らないで生きることを肯定する本。もっと自由で自分らしく生きようと思った。
【概要】
入社数年で会社を辞めてニートになった京大卒のphaさんが書いていた、「仕事嫌だ」「働きたくない」というブログがネットで話題になってそれが本を作るに至ったものだ。
働くのが嫌なら働かなくてもいいし、お金がなくてもネットで人とつながったり時間が潰せたりするから十分だし。
ニートの生態系(暮らし)を知るというよりも、肩の力を抜いて生きることを推奨する本だ。
【面白み】
そもそも「働く」「生きる」系の本が世の中に多くある中で、「働くのがだるい」「ニート」という視点が卓越的である。
そこから生まれるエピソードや表現、例えば
・あの職場で何千回スパイダソリティアをプレイしただろうか
(就職後は8時間勤務のうち2~3時間で1日の仕事を済ませて、後はPCでスパイダソリティアとかをプレイして仕事のふりをしていたこと)
・「お金を稼ぐには働かなけれないけない」という事実に納得いっていないというのがある。憎悪していると言ってもいい。
つい笑ってしまう内容が散りばめられている。
一方で、社会主義と資本主義、ソーシャルネットワーク、クラウドファンディングといった歴史や思想、最新のトピックなどの広い知識とともにオリジナリティのある発想が飽きさせない。 -
しょぼい喫茶店を経営している、池田達也さんが鬱だったときに読んで感化されたという一冊。ザ・ノンフィクションで取り上げられるというタイミングも重なり読んでみました。
「とにかく働きたくない」と一貫して主張する日本一有名なニートphaさんの生活あれこれ。
ニートの大解剖図鑑みたいで大変興味深く面白かった。ここまでブレてないと逆にすごいわ。私も働かないでずっと本読んだり好きなことして暮らしたりしたいけど、生産性の無い時間を過ごし続けると発狂しかけるタイプなのでニートは向いてないかもしれない。それに仕事終わりのビールは最高に旨いし。
Twitterなどのネットのゆるいつながりが居心地良いのはめちゃくちゃ分かる。私ももうTwitterを介さないとその人のことが全く分からないし、誰とも友人になんてなれない。Twitterは各々が素の部分をさらけ出してるところが安心する。Twitterでさえ波長があってれば初対面のオフでも余裕で話が弾むし。私もネットだけで完結する仕事したらいいのかなぁ。
"海の幸"、"山の幸"、"都市の幸"は言い得て妙で最高。たしかに東京という都市にはありとあらゆる幸が落ちている。
あと序文のメキシコ猟師の生き方、っていうコピペも良かった。これが真理だとしたら人生って怖い。