「前向きに生きる」ことに疲れたら読む本

著者 :
  • アスコム
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本棚登録 : 475
感想 : 32
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784776211914

作品紹介・あらすじ

「前向きに生きる」ことに疲れたら、後ろを向いてもいい。

「生きがいや夢を見つけなければ」
「友達を増やして人脈を広げなければ」
「今の仕事で結果を出さなければ」

といった、「○○しなければいけない」「○○すべきだ」という
思い込みや価値観に縛られていませんか。
そんな考えに違和感を覚えたり、心が疲れてしまうのなら、
別の生き方があります。

「生きる意味なんて見つけなくていい」
「人脈も友だちも要らない」
「置かれた場所で咲けなくていい」

本書には、いわゆる自己啓発書に載っているような、
前向きでポジティブな言葉や理想論は一切ありません。

長年にわたり、人の悩みやつらさと向き合ってきた禅僧である著者が、
うまくいかない現実・自分を受け入れ、どう生きていくかという、
まったく別の視点からのリアルなメッセージを伝えてくれます。

人生、人間関係、恋愛、仕事…どうしようもないモヤモヤした感情を
抱えているのなら、そっとページを開いてみてください。
きれいごとのない率直な38の言葉は、あなたの不安や迷いを断ち切る
きっかけになるはずです。

※本書は、2017年7月に弊社より刊行された『禅僧が教える心がラクになる生き方』を改題し、一部加筆・修正したものです。

感想・レビュー・書評

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  • 仏教の僧侶が書かれたエッセイです。非常にシンプルでありながら、うなづく点が多かった。

    例えば、『置かれた場所で咲きなさい』について、たまたま置かれたい場所に置かれたならともかく、誰かに一方的に置かれた場所で咲けとは、一体何を言っているのだろう、とか、生きがいややり甲斐、人の役に立ちたいなどの悩みってまず、誰の役に立ちたいのか、など、おっしゃる通り!が盛りだくさん。読み終わると、そんなに気張らなくても、自分の人生結構イケてるという気持ちにしてくれました。
    本屋さんに併設されたカフェなどでの軽い読書の時間にピッタリ。

  • 自分のためにではなくて誰かのためになる(なれそうな)生き方、か…
    会社ではもう俺じゃなくてお前が主役になれよとか思うくせに、いざ自分に営業の話が来ないとなんでかななんて悩んだり。
    60を過ぎたら、もう世の中に必要のない人なんだそうだ。そう考えたら後三年、もう三年なんだな。
    だから、好きに生きていいんだろうな。でもたとえば野球をやれば怪我はするからお金がかかるなんて考えるとやっぱり自分のために、ではなく人のために些細なことでいいから日々積み重ねていけばいいのか。
    やりたいことではなく、やるべきことをやれ   ということらしい。

  • 「夢や希望がないと人生がうまくいかないのでは」となんとなく焦りを感じる方にオススメの一冊。本書を通していえることは、生まれたいと思って生まれたのではないのだからうまくいかなくてあたりまえ。後ろ向きだなと思いますか?それはおそらく「親を選んで生まれてきました」と言われたほうが前向きでうれしいからでしょう。

    ●後悔は抱えたまま生きればいい
    「後悔のない人生にするには?」がキーワードの本が書店の店頭でよく見かけます。1回きりの人生、コスパの良いものにしたいに決まっているからです。でも、立場上たくさんの人を見送ってきた著者が断言します。「死ぬときに後悔が全くない人生を過ごした人はいない」。だから「ああすればよかった」と後悔して大丈夫なのです。さらに、後悔の気持ちは存分に感じたらなくなるそうです。だからその気持ちを無理に消そうとしなくて大丈夫という言葉は安心感がありました。また、同様に、悲しみも十分悲しむことが大切とのことです。

    ●何をどうしたいかハッキリさせる
    禅僧である著者への相談者でよくあるのが深掘りしていくと答えられないパターン。答えは簡単な所にあったり、少し行動するだけで得られる事が多いそうです。何か困ったことがあれば何がどうなのか書き出してみると良いとのアドバイスは、自己啓発本にも紹介されることの多いアイディアです。

    ●本当の気持ちを話せるだけで人は救われる
    最近読んだ「ほどなくお別れです/長月天音」にも書かれていました。これは死者でしたが、本当の気持ちは話せる相手を元気なうちに探していくことが生きることの大きな支えとなるようです。その相手の候補として信頼できる僧侶を探すというのもひとつのアイディアということを理解できました。そうそう、その時、「宇宙」の話をしてくる人はNGだそうです。

  • 自己啓発本とはひと味違って、「そんなに頑張らなくてもいいよ」と言ってくれている。
    この手の本を手にする時は、本からのアドバイスを求めがちで、「なんとかしなくちゃ」って思いが強い。でも、そんなに焦るな、急ぐな、答えを求めるなと言われている気がして、悩み事から一歩引いて、考えられる時間を持てる。
    「前向きに生きる」ことが大切なわけじゃない、力を抜いて、ゆるゆる生きるのもいいんだと思った。

  • 生きがい探すな。周りのために生きろ。
    期待するな。当然と思うな。
    すべてが世事になる。力関係ができる。出ていくのが解決策。
    なかなか難しい。少なくとも私には。

  • 何かのサイトで紹介されていた。

    僧侶である著者が、生きるのがつらい人に、もっと楽に生きればよいと説く内容。

    一部共感できる内容もあったが、全体的にはピンとこなかった。
    ・自分の意志で生まれたのではなく、たまたまこの世に生まれただけなので、生きる意味など考えなくてよい。というのは、考えて辛くなるくらいなら考えない方がいいということか?
    ・こじれた人間関係は努力や愛情では解決しない。一歩離れてみる。
    ・嫉妬は「本来、自分が持つはずだったものを他人が持っている」という勘違い
    ・無理に友達を作ろうとしなくても、やるべきことをやっていれば人は集まってくる。

  • あるがままに受け入れる。
    自分への過度な期待はせず。

    仏教をもっと学びたくなりました。

  • 何かで著者の南直哉さんという方を知って読んだ。
    極々真っ当なことが書かれている。
    曹洞宗で出家得度されたそう。

    禅がどう、という話より、一歩も二歩も日常生活に寄り添ったお話をされていて、その通りだなぁと思った。

    自分とは何か。
    生きるとは何か。
    そんなことばかり考えてきた気がする。

    著者の根っこもそういところにあるように感じ、親近感を感じた。


    他の方が書いているレビューを見ていて、「頑張らなくてもいい、というメッセージ」「頑張りたい時期の自分にはいらない」というような内容のものがあったが、そういうことが書かれているわけではないのではないか。
    世に喧伝されている、無用な雑音に心を煩わせることを、やめてはどうか、とおっしゃっているだけで、その「やめる」ことだけを取り上げても、大変な思考と集中が必要とされることを鑑みると、なかなか難しいことに取り組んではどうか、と書かれた本と感じた。蛇足だな…

  • 現代社会での生き方に違和感を感じたら、きっと再び開きたくなる、そんな一冊。

  • もうちょっと疲れた時に読む
    頑張りたい今の本じゃないかも

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著者プロフィール

1958年生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、大手百貨店に勤務。1984年、曹洞宗で出家得度、同年、大本山永平寺に入山。以後、約20年の修行生活を送る。2003年に下山。現在、福井県霊泉寺住職、青森県恐山菩提寺院代。著書に、『語る禅僧』(ちくま文庫)、『日常生活のなかの禅』(講談社選書メチエ)、『「問い」から始まる仏教――私を探る自己との対話』(佼成出版社)、『老師と少年』(新潮文庫)、『『正法眼蔵』を読む――存在するとはどういうことか』(講談社選書メチエ)、『出家の覚悟――日本を救う仏教からのアプローチ』(スマラサーラ氏との共著、サンガ選書)、『人は死ぬから生きられる――脳科学者と禅僧の問答』(茂木健一郎氏との共著、新潮新書)など多数。

「2023年 『賭ける仏教 出家の本懐を問う6つの対話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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