どう生きるか つらかったときの話をしよう 自分らしく生きていくために必要な22のこと
- アスコム (2023年9月28日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784776213147
作品紹介・あらすじ
「コロンビア号事件」「仲間の死」「燃え尽き症候群」「自己否定する気持ち」「他人と比べてしまう心」自分のアイデンティティや価値に疑問を抱き、一人でもがき苦しんだ10年間の日々。宇宙飛行士野口聡一が苦しみを経てたどり着いた「真に悔いなき生き方」を語る。
感想・レビュー・書評
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日本中から羨望と期待を寄せられる宇宙飛行士が、生き方について疑問を抱くことがあるのだろうか?
そう思って手に取った本書。
名声や肩書きだけで、この人はこういう人だと、強引に決めつけていたんだなと反省しました。
野口さんは期待に応えようと必死に努力している間は良かったものの、地球に戻って一大ミッションを完遂した時に、「人の期待に応えること」がモチベーションになっていたことに気づいたそう。
そこから10年間、キャリアの方向性に悩み続け、「自分は何が好きで」「何ができて」「何を大事にしたいか」を軸に考え抜いた軌跡が書かれていました。
本書の主張は最初から最後まで一貫しており、
・他者から与えられたものを心の拠り所にしない
・人と比べて感じる優越感と敗北感に意味はない
・やるべきことをこなしながら自分と向き合い、自分の核にあるものを見極めよ
ということ。
この本にその見つけ方がズバリ載っているわけではないのですが、地上からではなく遥か遠い宇宙から見通す表現力は、自分の凝り固まった視点を動かしてくれるものでした。
彼が宇宙視点で世界を見て、悩み、気づき、克服したストーリーはとても魅力的です。
宇宙に行くことは、全てを手放して無重力になること。
上や下、という考え方は完全無重力世界の宇宙では存在しなくなること。
私はこの二つの考え方がとても好きでした。
地球も宇宙の中にある一つ。
本来は上も下も関係なく、比較せず、無重力な状態でモノを考えられるといいのでしょうね。
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私は、1年前まで会社で大きなことを任され、完遂した後に転職しました。
前職では評価と信頼が積み上がっていたけれど、今はゼロから積み上げないといけない段階。
ゼロの、いわば何もない「無重力」の状態で、私にとってこの仕事は自分がやりたいことなのか疑問を持つようになりました。
そんなつもりはなかったけれど、今までは人に期待されて、それに応えることを拠り所にしていたのかもしれません。
この本を読んで、自分を棚卸しし、本当に自分が成し遂げたいミッションとその関わり方についてじっくり考えてみようと思いました。
宇宙飛行士の野口さんでさえ悩んでいるのだから、そんなに低俗な悩みでもないはずですよね!
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後悔なく
生きるのは
宇宙に行くより
難しい
「コロンビア号事件」
「仲間の死」
「自己否定」
「他人と比べてしまう苦しみ」
そこから再出発し、たどり着いた
「自分らしく生きること」の本質
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宇宙飛行士だった野口さんが
宇宙に行った後、何を考えてどう生きるかを、
悩み考え抜いた結果が描かれています。
宇宙飛行士は憧れ(「宇宙兄弟」の影響でさらに)で、
宇宙に行った貴重な一握りの人が、
寂寥感や喪失感を抱えて
10年も悩み苦しんでいたなんて。
自分の存在価値や、自分のやりたいことは何か。
セカンドキャリアとか60歳以降の人生設計とか、
定年延長とあわせて社内でもテーマになってます。
私も漠然とこのままだと60歳過ぎたら、
会社に価値を提供できる人材であり続けれるか自信がありません。。。
自己肯定感はどんな時でも、
自分を認めて一番の味方でいること、
他人の軸や周囲の評価だけでないことに気づくこと、
と他の本でも書かれていて、
本書でも近しいことが書いてあるけれど、
さらに具体的にどうするというところまで踏み込んでくれています。
やっぱり賢い方ですよね(←当たり前)、
沢山の経験をされている方で、
ミッションを達成してきている方だからこそ、
言葉が優しくて説得力があって、
すっと入って来ます。
私が経験したことは唯一で何にも変えられない、
世界は移ろいやすいから
他者の評価に振り回されてばかりではないけない、
マズローの五段階欲求も何度も目にしてましたが、
「欠乏欲求」は知りませんでした。
これまで自身のなかで、
言葉のなかった経験や感覚に名前がつきました。
不安になって迷ったときは、
もう一度目を通そうと思います。 -
宇宙に行った人はできた人間で悩みなんかないと思われるがそうではない。そうなんだよな。何のために生きるのかという課題は人類がずっとずっと悩み続けてきたことなんだ。
優しくわかりやすい語り口調で、読みやすかった。生きづらさに丁寧に向き合うことは、自分を見直すのに重要。そう言ってくれる野口さんすごい。 -
#どう生きるかつらかったときの話をしよう
#野口聡一
23/9/28出版
https://amzn.to/4b7voFz
●なぜ気になったか
これは意外、宇宙飛行士の野口さんがフライト後に「自分はいらない人間なんだ」と10年も苦しんだなんて。宇宙飛行士はメンタルおばけとの僕の認知バイアスを改めるために読みたい
●読了感想
そりゃそうなるっしょ。大学入学を目的にした五月病と一緒。宇宙に行くのは手段、先に目的を考えておかないと。本来の自分、なりたい自分、夢など、が何度もでてきて共感できなかった
#読書好きな人と繋がりたい
#読書
#本好き -
宇宙飛行士野口聡一さんが、宇宙に行って人生変わりましたか?の問いに向き合う。
結論、人生が変わることはない、人生における視野は広がる。
宇宙に行く、大金持ちになる、誰もが羨むことを達成した人でも、人生に満足できるている人はいない。他者の価値観、評価の中で生きているうちは人生に心から満足できない。 -
私は歩いている。
後ろから来た人が、私を追い抜いて、ずっと先に行ってしまう。
私は歩くのをやめていないし、歩き始めた場所からは随分と歩いてるはずなのに、前を行く人が羨ましくなったり、焦ったりする。
野口さんは、おっしゃる。
私が歩いているという事実があるのに、羨ましくなったり、焦ったりするのかを考えなさい。
そして、歩いていきたい先はどこなのかを見つけなさい、と。
大いに悩み、自分自身と深く深く向き合われた野口さんの言葉たちに、私は救われました。
久しぶりに何度も何度も読み返した本です。
そして、これからも、何度となく読み返す、「一生読み終えない本」になると思います。-
すごく好きなレビューでした。
無重力な世界では上も下も前も後ろも存在しない、という野口さんの主張も好きでした。
このレビューを読んで、宇宙...すごく好きなレビューでした。
無重力な世界では上も下も前も後ろも存在しない、という野口さんの主張も好きでした。
このレビューを読んで、宇宙視点で見ると前を歩いている人は実は違う方向に歩いてて、違う競技に参加しているということなのかもしれないなあと、ふと思いました。
優しいレビュー、ありがとうございます。2024/02/12
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子どもに読ませたいと思ったが、読んでみたらこれは中年世代こそ読むべき。どう生きるかということを追求する押し付けないいい本だった。
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いかに人生を生きるか、著者の方法や考え方を丁寧に真摯に語っている本。平易なことばで書かれており、中学生以降なら十分理解可能と思われ、小学校高学年でも可能かもしれません。
あらゆる人に必ず得るところがあると感じました。良書です。 -
読みやすくて、さらっと読了できました。日々の暮らしの中で、ついつい他者と比べる悪い癖がついてしまい、無駄な比較ばかりして辛くなることが多々あったので、このタイミングで読めて良かったと思います。自分の物差しで考えることの大切さやそこに至るプロセスも、野口さんご自身の経験を踏まえて書かれています。またいつか、折に触れて読もうと思います。
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元宇宙飛行士の野口聡一が、主に宇宙飛行士を退任して以降の話。
彼ほどの業績を上げた人だからこそ燃え尽き症候群にもなるし、その後の生き方について悩んだのを見ると、色々と考えさせられた。