- Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
- / ISBN・EAN: 9784777146161
感想・レビュー・書評
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8月22日 島崎藤村文学忌
1872.3.25〜1943.8.22
残してあった新潮文庫で読んだのだけど、検索にはもう出てこないです。もう青空可だしね。
初期は、浪漫的抒情詩人。小説は、自然主義。家はその自然主義の到達点と言われている。自然主義とは、現実と人間をあるがままに描く文学。西欧から日本に紹介されてきたが、日本では独自の展開を見せる。特色としては、社会の暗黒ではなく、作家個人の実生活の醜悪な部分を取り上げる。描写は客観的から印象的。(国語便覧抜粋)
だから、自伝と告白の文学ってところですね。
そして、それが面白いのかどうかというと、告白する方によるというか。
上の部分は読売新聞掲載。
封建的な旧家が、没落していく様、木曽の二大旧家の退廃・没落の過程が、藤村の視点で書かれます。
小泉家が、藤村の生家、島崎家がモデル。
橋本家が、藤村の姉の嫁ぎ先、高瀬家がモデル。
登場人物が多く(両家の親戚です)女性陣の名前が、全員漢字一字で、混乱します。
小泉家の三吉が、島崎藤村。
橋本家の長男に嫁いだお種が、藤村の姉。
種の息子の正太が、藤村とおじ甥だけど年齢が近く仲が良かった。このへんを抑えておくと、二大旧家の大まかな構成がわかりやすい。
一
家長制度の呪縛に囚われ、没落していく二つの旧家の日常生活。橋本家に、三吉は姉を訪ねて正太達と、木曽の自然の中で過ごす。
ニ
木曽の祭、当時の食卓。三吉は、夏の間、木曽で書き物を完成させる。
三
三吉は、夏の終わりと共に、東京の兄実の家に戻る。実は、旧家の長であることにこだわり、村の為家の為、自分に徳をした事がない。そして、投獄中。三吉に結婚話。
四
三吉は結婚して、自分の慎ましい家を作る事を決意。田舎の小学校教師となる為、妻と任地へ。
五
三吉の家に夏休みを使い妻の姉妹が遊びに来る。二人は年頃で結婚話がでる。妹の結婚相手が、妻の元彼らしいと知る。三吉は悩むが、妻と話し結婚を続ける。長女誕生。正太も結婚。
六
三吉の女友達の音楽家登場。妻と三人でしっくりこない。離婚の危機。
七
一年後、兄実から借金の申込。小泉家は事業の失敗からますます困窮。兄一家や兄弟の生活支援が三吉にのしかかる。
八
橋本家のお種。身体療養の為伊東へ。夫は、お種を送った後、金の工面がつかず失踪。小泉家への支援がきっかけらしい。三吉家には、次女が生まれる。
九
お種ひとまず東京へ。
十
三吉はお種を預かる。その後、三吉家も東京へ引越し。
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