初音ミクはなぜ世界を変えたのか?

著者 :
  • 太田出版
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感想 : 39
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784778313968

感想・レビュー・書評

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  • <閲覧スタッフより>
    ついに誰もが有名クリエイターになれる時代が訪れた!?
    「サマー・オブ・ラブ」の新たなジャンルの音楽が誕生した時代とインターネットやオタクなどの多様な文化の発展の中で画期的な現代音楽として位置付けた”VOCALOID”が関連していると著者は説きます。今もなお発展し続けている”初音ミク”現象の本質に迫ります。
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    所在番号:763.9||シハ
    資料番号:10224420
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  • Webの記事でも読めますがじっくり見たかったので紙媒体で購入しました。

    こういったジャンルは結果論でしかないですが、共通性やより深いジャンルを探す際に重宝すると思います。

  • ボーカロイド『初音ミク』が音楽業界、また世界に与えた影響に関して書かれた本。

    初音ミクを題材にしたただのイロモノ本としてではなく、丁寧に取材を重ねた新世代の音楽を見つめた本。音楽業界を変えた大きな流れ『サマー・オブ・ラブ』の第三の波として電子音楽の歌姫『初音ミク』を位置づける。2000年代から本格化したインターネットの普及による、情報革命と音楽業界の関係性やアマチュアクリエイターの勃興など、新しい時代の音楽に関しても触れている。過去のヒッピー文化やテクノ音楽が音楽の新たな『遊び場』を人々に提供しブームなり、それが文化になった背景を丁寧に解説する。そして、そのブームと文化の現象と初音ミクの関連性に触れる。著者独自の視点から初音ミクを捉えていて、とても面白かった。

  • 筆者が音楽ライターなのであまり高尚な期待をしてはいけないが、総じてミクへの偏見を取り払ってくれた良書(「ニコ動を占拠する鬱陶しいアレ」→「既存の音楽潮流を受け継いだ近年日本にまれに見るシリコンバレー的開発現象」)。道産子必読。

  • 面白かった。2007年の初音ミク登場以降の、ボカロシーンが概覧できたので良かったのは勿論、音楽史のなかに初音ミクを位置づけようとする試みは、実に挑戦的な一書と言えるんじゃないだろうか。初音ミクが「サード・サマー・オブ・ラブ」と位置づけるのも、(妥当かどうかはよくわからないが)なかなかにチャレンジングである。

    ただ、「世界を変えた」とまで言い切ってしまえるかどうかはけっこう微妙である。本書の最後となる10章では「(初音ミクは)シャトレ座の劇場支配人が、コクトーやピカソやサティやニジンスキーのような芸術史上の偉人と並べて語るところまで辿り着いた」(p.255)とある。本書の設定した問題意識への回答を示すべき最後の10章が(まあ終章はあるんだけど)、「世界的芸術家と初音ミクが肩を並べて語るところまで辿り着いた」で終わってしまうのでは、「世界がどう変わったのか」という本書のタイトルの問いとちょっとズレているように思えて、なんだか残念である。

    初音ミクによって音楽産業は変わった。それはわかる。でも最後は「偉大な人に並ぶとこまで来た」という終わり方では、「世界を変えた」ということにならないんじゃないか。そんな風に思えてしまった。

  • ボカロの文化が「なんとなくニガテ」な人は読むべき。捉え方が変わります。元ロキノン編集者の著者が、まさにそういった層の偏見を想定しているかのようにあのいわゆる熱のある文体で、洋邦楽の音楽史の系譜としてボカロ文化を捉え、語らっています。どの音楽ジャンル嗜好者も、かならず知ってる固有名詞や単語が出てくると思います。いかにボカロ文化に対して無知だったのか、自分の中のちいさなスノビズムが簡単にぶっ壊せるのでおすすめです。

  • 従来よくあるキャラクター論、アイドル論ではなく音楽史からボカロを論じたもの。今までの音楽史とボカロ史を対比しながら、ボカロが流行ったワケ、そしてブームは落ち着きこれからのボカロの行く末を近年の事例と共に論じている。「ブーム」としてのボカロが終わった今、改めてボカロを振り返ってみるのをおすすめする。

  • やや冗長ではあるが大変面白い指摘である
    サマーオブラブなど基礎情報を知らないと少し厳しいかも

  • 「ボーカロイドが流行ってたのは知ってるけど、一体何だったの?」という人向けに書かれている。初音ミクについて書かれた本としては決定版的にまとまっている、メルクマール的書籍。
    拙書ながら以下のブクペにまとめてあるのでご参照あれ。http://bukupe.com/summary/13029

  • 初音ミク、そしてインターネットが音楽に及ぼす影響やその可能性を感じさせられた

    音楽の価値は近いうちに(今も多くの人の中ではそうだけど)CDの売り上げによるもの、お金で測るものではなくなるだろう
    そのような時代でアーティストがどのように生計を建てられるのか、音楽業界はその方法を探さなくてはならないだろう(既存のやり方にしがみついていてはいけないだろう)

    また、初音ミクがデジタルとの繋がりを強めメジャーなものになっていく感じは、インターネットが広めるインディー的な(自らが自らをプロデュースするような)バンドがメジャーを食うような時代を迎える予感と似ていてワクワクする

    n次創作の可能性は、それだけ人が触れる媒体が増えるということで広告の可能性かもしれない

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著者プロフィール

音楽ジャーナリスト。1976年、神奈川県生まれ。ロッキング・オン社を経て独立し、音楽についてカルチャー・ビジネスの両面から考察する広範なインタビュー、記事執筆を手がけている。著書に『初音ミクはなぜ世界を変えたのか?』(太田出版)、『ヒットの崩壊』(講談社現代新書)、『平成のヒット曲』(新潮新書)がある。

「2022年 『ボカロソングガイド名曲100選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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