インセスト: アナイス・ニンの愛の日記 【無削除版】1932~1934

  • 彩流社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784779113178

作品紹介・あらすじ

アナイス・ニンが生涯をとおして書き続けた日記。
無削除版第2巻、待望の翻訳出版。
夫、ミラー、アランディ、アルトー、ランク……そして父との“愛”。
他者との関係のなかで、複雑に屈折する自己の内面を深く見すえた膨大な記録。

1930年代パリ——夫、従弟、作家ヘンリー・ミラー、ミラーの妻ジューン、精神分析学者ルネ・アランディ、詩人アントナン・アルトーとの錯綜する関係を生きていたころ、ニンは10歳で別れた父と再会する。
自分を捨てた父への「読まれない手紙」として『日記』を書きはじめたニンは、長年にわたる複雑な思いを秘めながら、父と二人だけの濃密な9日間を過ごすが、そのあとに残ったのはさらなる混沌だった。そして彼女は、高名な精神分析学者オットー・ランクのもとを訪れる……。

ニンの弟は、本書を姉の創作であると位置づけ、出版に最後まで強硬に反対したが、インセスト・タブーを乗り越えることにより、人間として、芸術家として成熟していったニンの克明な記録は、文学史上、比類ないものである。

■書評……『週刊文春』「私の読書日記」立花隆氏(2008年4月10日号)
     『週刊現代』「リレー読書日記」桜庭一樹氏(2008年5月3日号)
     『図書新聞』矢口裕子氏(2008年6月21日)
     『英語青年』大野朝子氏(2009年2月号)
     (社)日本図書館協会 選定図書

感想・レビュー・書評

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  • 写真きれいな人。
    中身凄い奔放な人。

  • SIRIについて調べてたら英語版SIRIがこのひとの引用をするようだ

  • 「愛こそは私の生の軸であり息吹である」、「私が欲しいのは、エクスタシー、生の昂揚だ」と記し、有夫の身でありながら複数の男性と同時に関係を持ち、自分を知る為に訪れる精神分析医達とも関係する女性、アナイス・ニン。生涯にわたって書き続けた日記の中で、この1932年から1934年の日記の中には、 10歳の時別れた父親とのincest=近親相姦が綴られている。関係する父親も含め男達を「子供達」と呼ぶ彼女。自分を解明する為の努力として日記を書き続けるアナイス・ニンのどの小説よりも赤裸々でスキャンダラスな、文学的な日記。

  • アナイス・ニンの作品もだけれど、本人のことさえまったく知らず、ただこの「インセスト」とか「無削除版」というタイトルにだけ興味を持って読んだんだけれど・・・こんな風に思うままに(本人は必ずしもそうとは思っていないのかもしれないけれど)好きな人と好きなことをして生きていられたらいいよねぇ。だけど、そういう意味じゃ自意識過剰で自己陶酔に浸ってるだけという印象。自分がやりたいことがはっきり分かっていてそこに突き進んでいく様はうらやましくさえあるけれど、もし身近にこういう人がいたら眉を顰めるだろうな。芸術とか芸術家がそんなに偉いのか!とも思っちゃったし。

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著者プロフィール

アナイス・ニン(Anaїs Nin)
1903年、フランスはヌイイ・シュル・セーヌで生まれ、1977年、闘病の末、癌でロサンゼルスにて生涯を終える。11歳の年に母親と弟たちとともにアメリカに移住した。1930年代初頭に夫の転勤に伴いパリに居住し、作家活動を始める。40年から50年代のアメリカにて小説を発表し続け、60年代半ばに日記の出版で名声を得る。74年にダートマス大学より名誉博士号を授与される。日本へは小説『愛の家のスパイ』が河出朋久によって紹介され、66年来日に際し大江健三郎、江藤淳らとの会談が『文藝』に記録されている。89年に実弟ホアキン・ニン・クルメル、カリフォルニア州立大学バークレー校音楽学部名誉教授は来日して、関西の大学での講演やピアノ演奏会を果たす。

「2023年 『四分室のある心臓』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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