「近世」としての「東アジア近代」 (講座「わたしたちの歴史総合」)
- かもがわ出版 (2023年3月22日発売)
本棚登録 : 25人
感想 : 2件
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784780312638
作品紹介・あらすじ
古代・中世史を踏まえつつ、「近世」におけるグローバルな経済変動と交流などを通じてできあがった「伝統社会」の姿を描くとともに、近世との連続性と断絶を意識しながら、東アジアの近現代史の特徴を概観し、その現在地点を論じることによって、現代の課題にどう立ち向かっていくかを提示していく。
感想・レビュー・書評
-
本巻は、近世から現代の東アジア地域を扱うが、はしがきに、執筆の主な目的は、その時代・地域に関する「新しい歴史学の見方、考え方の解説」にあるとされ、したがって、歴史そのものの叙述は少なく、概念や理論、抽象的な解説が多いと言う。それは、「新しい歴史」について、「知のOS」のアップデートが必要と考えているからとのこと。その意気や良し、果たしてその願いは叶えられているだろうか。期待しながら、読み進めていく。
*まだ書きかけ詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
東南アジアを含む広義の東アジアは、西洋と比し単に後進的だったわけではなく、独自の農耕社会や貿易の発展があり、それと近現代世界の動きが結びついて現代の経済成長に繋がった、それ以前の連続性、というのが著者の主眼。16世紀を中心に東アジア域内又は本地域と世界の貿易、また「儒教化」や「イスラーム化」の多様性も強調。
本書全体としては抽象論が中心で、自分の期待とはやや違った。また終章での著者の居丈高にも感じられる物言いに引っかかった。
全2件中 1 - 2件を表示