イスラム 中国への抵抗論理 (イースト新書 31)

著者 :
  • イースト・プレス
3.00
  • (0)
  • (1)
  • (6)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 26
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781650319

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 無理やり国境を広げ、異民族を取り込み、税や資源を搾取する。文化や習慣、宗教を取り上げたり、好き勝手に弄ったり。そんな事をすれば、反発を生むのは容易に想定できる。ベストな併合とは何か。そして、何故容易に想像できるような悪業に手を染めてしまうのか。

    反発を受けず、欲しいものを手に入れるには、自らを隠す技術が必要だ。生活レベルで言えば、マナーや習慣で他人と同調する事で隠す方法。政治的には詭弁を弄すこと。国家間では、共存共栄。闇雲に搾取するという方法は、全く、隠す必要性に応じられていない。

    中国というのは、隠せない国家だ。欲も、力も、無知も、社会現象も、民衆も。それ故、報道を統制し、歴史を改竄し、少しでも隠そうとしている。隠すためには、晒さなければいけない。視線を逸らす必要があるからだ。つまり、政治への反発を隠すために、日本への敵意を晒す。

    では、民族問題では、何を晒したか。

    無知や欲は確かに晒したが、それ以外。稚拙で直上的な行為の裏には何が?その事を、考えさせられる。

  • テーマについて知識があり、中文ニュースを読めるのであれば、第五章「中央アジアとウイグル独立派」を読むだけで足りる。
    著者はイスラム 専門家であるが、中国内政は専門でないことに留意。

著者プロフィール

現代イスラム研究センター理事長。1955年生まれ。慶応義塾大学大学院文学研究科史学専攻修了。UCLA大学院(歴史学)修了。専門は現代イスラム政治、イラン政治史。著書『現代イスラムの潮流』(集英社新書)『中東イスラーム民族史』(中公新書)『アメリカはイスラム国に勝てない』(PHP新書)ほか

「年 『集団的自衛権とイスラム・テロの報復』 で使われていた紹介文から引用しています。」

宮田律の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×